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まだまだ続く中国の国潮ブーム、日本ブランドはどのように波に乗るべき?
みなさんこんにちは!unbot編集部です。
これまで中国国内で人気なコスメブランドといえば、海外ブランドの名前が上がっていましたが、2018年ごろを境に中国Z世代の間で「国潮」がブームとなり、中国コスメが人気を博しています。
今回はまだまだ熱が冷めそうにない「国潮」についてご紹介していきます。また様々な事例分析を通じて、「国潮」というムーブメントの中において今後中国に進出を考える日本ブランドが取るべき戦略について解説していきます。
1)Z世代と国潮ブーム
出典:RED
「国潮」とは、中国国内においてZ世代を中心に中国文化が評価され、積極的に中国ブランドを支援する一大ムーブメントです。
ここで「国潮」というムーブメントを消費文化の観点でみていくと、興味深いトレンドがあります。コスメ業界においては中国文化の伝統要素を現代のトレンドに合わせてアレンジした商品が次々とヒットしているのです。これは中国コスメの品質が大幅に向上していることはもちろんのこと、コスメのメイン消費ターゲットであるZ世代に対して独創的かつ文化的デザインが受け入れられるようになったためです。
では、なぜZ世代は「独創的かつ文化的デザインを受け入れる」のでしょうか?
それは彼らの「美しさ」に対する認識の変化とも関係しています。Z世代は他の世代と比べて自身の美的感覚に対して自信を持っている傾向があります。
Z世代はインターネットが普及した環境で育ったため、デジタルデバイスを活用することに長けています。そのため多くの情報に接することに抵抗がなく、成長していく過程でさまざまなチャネルから「美しさ」や「トレンド」について触れてきているのです。ここに「国潮」のムーブメントがかけ合わさり、自国の文化がクリエイティブな形で表現されたコスメに心惹かれるのです。
それでは、具体的に事例を見て見ましょう。まず中国ブランド、次に海外ブランドの例から何が学べるのでしょうか?
2)中国ブランドの例
中国コスメブランドが、多くのZ世代の支持を得ていることは、皆さんもすでにご存知ではないでしょうか。本章では二つの事例をご紹介していきます。
出典:花西子公式サイト
デザインに特徴がある国潮の代表例として、花西子が挙げられます。
花西子は2017年3月に誕生したブランドですが、わずか数年後の2020年の618では1億9000万元を売り上げ、Tmall化粧品カテゴリで多くの海外ブランドを上回り、一位にランクされました。
独自のブランドコンセプトに強みを持ち、他ブランドにはなかった「東洋の美」と「花」に焦点を当てた中華風のデザインが注目を集め、SNSを中心に爆発的な人気を得ています。
中でも彫刻リップの美しさは海を越えて日本のSNSでも多くの話題を呼び、3月1日からAmazonを通じて日本で購入できるようにもなりました。
出典:MAOGEPING公式サイト
異業界とコラボをすることで、国潮をアピールする例も増えました。
中国のカリスマメイクアップアーティスト毛戈平氏が2000年に設立した高級コスメブランド「MAOGEPING」と、北京にある世界遺産「故宮(紫禁城)」がコラボしたシリーズが人気を集めています。
高級コスメブランドのエレガントさと、中国モチーフからインスパイアされたオリエンタルなデザインがうまく合わさり、他商品とは異なる高貴な世界観を演出しています。
2019年に初めてコラボをしましたが、商品の品質の良さと美しさが消費者から高く評価され、その後も両者の新しいコラボシリーズが発表されています。
3)海外ブランドの例
大手海外ブランドも、中国文化を取り入れたコラボ企画を行い、国潮の流れをうまく取り込んでいます。海外ブランド独自の世界観と中国文化が融合した商品ビジュアルは、多くのZ世代の心をくすぐり、話題性を作ることに成功しています。本章でも二つの事例を見ていきましょう。
出典:M・A・C公式Weibo
2019年冬季にM・A・Cが前述の「故宮」と、中国宮廷の陶磁器の粉彩をイメージした新年限定シリーズを販売しました。M・A・Cは常に革新的なスタイルを消費者に届けてきましたが、本シリーズでもブランドの新たな表情を見ることができ、Z世代の注目を集めました。
パッケージデザインでは、陶磁器で用いられる粉彩技術のモダンで大胆な配色と、精巧で緻密な伝統的宮廷装飾を組み合わせることによって、中国古代宮廷文化への敬意を表しています。また使用している装飾は全て吉兆文様であり、細かなあしらいにもこだわりが見て取れます。
出典:RED
ロレアルは、本来あるブランドの特徴を抑えつつ中国文化を尊重したデザインが、Z世代に受け入れられた事例の一つです。
ロレアルは国潮元年と言われる2018年に、中国国家博物館とのコラボ商品を発表しました。中国国家博物館に所蔵されている清王朝の「千秋絶艶図」から、楊貴妃、西施などの中国5大美女について研究し、各人の個性をイメージした口紅を発売し、「どの美女の商品が好き?」と話題になりました。
M・A・Cとロレアルの両ブランドとも、「どの商品を買っても品質は絶対に良く、安心感がある」という声がSNSで見られ、上質な商品を消費者に提供してきた信頼関係があるからこそ、コラボ商品の成功に繋がったと考えられます。
また、ただ中国風のデザインを用いるだけでなく、歴史背景や文化を取り入れたコンセプト設計がZ世代の心を動かした好例と言えます。
4)中国進出に向けて取るべき戦略
では、今後中国に進出を考える日本ブランドが取るべき戦略は何なのでしょうか?
中国ブランドが力をつけている今、日本ブランドが参入するには中国ブランドにはない唯一の世界観をより強く打ち出す必要があります。しかし、目まぐるしく変化する中国市場では、新しいものが消費者に注目されやすいため、新鮮さも同時に提供し続けなければ、淘汰されてしまう恐れがあります。
日本ブランドが中国消費者に長く愛されるブランドになるためには、独自性と斬新さによって中国市場でのポジションの確立をしなければならないのと同時に、前半でご紹介した国潮などのローカルトレンドも活用しながら、常に商品をアップデートするべきでしょう。
例えば、博物館などの歴史や文化、そして中国のローカルキャラクターなどのIPと共同でブランディングを行うことで、これまでのターゲットとは異なる層にもリーチでき、他ブランドと一線を画すことができます。
弊社unbotでは今回ご紹介した国潮を活かしたIPコラボをはじめ、様々なPR戦略で新規顧客の獲得、売上拡大をサポートさせていただきます。
また有名クリエイターを活用した一歩踏み込んだIPコラボのご提案、中国向けIPエンタメ事業での協業、そしてオリジナルIP開発のご支援などを行なっておりますので、お気軽に下記リンクからお問い合わせくださいませ。