コスメPRにおけるバーチャルヒューマン活用の最新トレンド情報
みなさんこんにちは!unbotマガジン編集部です。
最近、広告やPRにおいて存在感を増しつつある「バーチャルヒューマン」はご存知でしょうか?
CGで作成された人物を指すのですが、架空のキャラクターから実在の人物をデジタル化したものまでその表現は多様化しています。
雑誌モデルやインスタグラマーとして人々の生活にすでに浸透し始めているので、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
今回はバーチャルヒューマンの活用事例を紐解きながら、今後のコスメPRにおける効果的な活用の可能性について探っていきたいと思います!
01:「バーチャルヒューマン」とは?
バーチャルヒューマンとは上記でご説明したように、AIが生成した人間にそっくりな容姿をもつキャラクターのことです。
最近ではAI(人工知能)の頭脳を備えていたり、リアルタイムで動きながら音声会話をするといった表現も可能になったりと活用の幅が増え、国内外で様々な先行事例が生まれています。
すでにインフルエンサーとして数十万人規模のフォロワーを抱えるバーチャルヒューマンも少なくなく、今後の広告/PR業界を担う期待の手法として注目が集まっています。
日本では、“ギャル”インフルエンサー「葵プリズム」をきっかけに、バーチャルヒューマンという領域を知った方も多いのではないでしょうか。
また中国でも最近、世界21ヶ国で発行されているファッション誌「GRAZIA」の中国版表紙にバーチャルヒューマンが起用されたことが話題になりました。
起用されたモデルは、日本発のimma(イマ)。ピンクのボブヘアーがチャーミングな彼女は2018年に登場して以来若者中心にフォロワーを伸ばし、コスメやファッションなど名だたる有名企業とのコラボレーションで人気が高まっています。
画像参照:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000049507.html
この『GRAZIA CHINA』452号は2020年の4月15日に中国全土で発売され、immaが表紙を飾る他、本誌内ではimmaの写真特集やインタビューを含めた12ページにわたる特集が組まれたそうです。
02: バーチャルヒューマンの活用事例
ここからは、実際にバーチャルヒューマンを起用して話題となった事例を紹介していきます!
まずは前段でご紹介をしたimma。
immaは中国のアイスクリームブランド「マグナム」、IKEA JAPANの都市型店舗「IKEA原宿」など多様なカテゴリーのPRに起用され活躍しています。
コスメとしては「SK-II」のロングセラー化粧水「フェイシャル トリートメント エッセンス」のキャンペーンムービーにモデルとして起用されたことが記憶に新しいのではないでしょうか。
このキャンペーンムービーは、化粧水の90%を占める独自成分ピテラ™の力に迫っていく内容で、女優の綾瀬はるかや中国出身のシンガーソングライターのリア・ドウ、モデルのベハティ・プリンスルーといった、グローバルなブランドアンバサダーたちも登場するとても豪華な内容になっています。
ファッション誌VOGUEでは、immaが一問一答形式の質問に回答するなど、イメージだけでなく人格も含めてキャンペーンキャラクターとして注目を集めました。
※参考:VOGUE
バーチャルモデルimma も夢中! SK-Ⅱ伝説のピテラ™をモダンなデザインボトルにトリビュート。
https://www.vogue.co.jp/special-feature/2019-11/18/sk2/page/2
造形の印象は大きく異なりますが、人形のようなくっきりとした目鼻立ちが特徴の「ヌーヌーリ」もグローバルに活躍するバーチャルモデルです。2017年にドイツのグラフィックデザイナー、ヨルグ・ツバーにより生み出されました。
中国のアリババが運営する天猫における「ラグジュアリー・パビリオン」のモデルとして起用された他、フランスの雑誌「FIGARO」や「DIOR」の広告に抜擢されるなど活躍の幅を世界で広げています。
「ラグジュアリー・パビリオン」では広告起用だけでなくヌーヌーリの新しいモバイルゲームが立ち上げられました。自分のスタイルをシェア・表現しながら楽しめる双方向型ゲームにより、天猫がプラットフォーム上で消費者たちと強い結びつきを生むことを狙いにしており、バーチャルモデル活用の拡張性の高さを強く証明する事例となりました。
03: バーチャルヒューマン起用のメリット/デメリット
バーチャルヒューマンを起用する1番のメリットは起用時のリスクの低さです。
タレント起用の場合、いつ起こるかわからない不祥事や事件についてのリスクを常にはらんでいます。タレントの騒動やスキャンダルが広告主に与える影響は少なくなく、ブランドのイメージを象徴する存在として起用する場合には契約内容を厳格かつ慎重に締結する必要があります。
一方、バーチャルヒューマンの場合は予期せぬ不祥事などのリスクは少ないため、炎上を避けることができます。
またタレントのように既成のイメージが現時点では醸成されていない場合が多いため、広告等で本質的に伝えたいメッセージにより注目を集めやすいという効果が見込めるでしょう。
特徴として多様性やジェンダーレスな印象を持つバーチャルヒューマンも多く、場合によってはタレント起用時よりもより自由自在な表現がしやすくなっているとも言えます。
例えばコンプレックスを付加しても生身の人間を起用するよりも生々しさが緩和され、チャレンジングな広告表現にも挑戦しやすいのです。
とはいえ、メッセージや表現によってはもちろん議論が生じることもあるので、たとえ多様性イメージの強いバーチャルヒューマンの起用だとしても不用意にセンシティブなメッセージ発信をしないように気をつける必要があります。
一方で、バーチャルヒューマンの起用にはデメリットもあります。
SNSをはじめ瞬間風速的に話題化はしているものの、いわゆるテレビなどマスメディア露出をしているタレントと比較すると、その認知度も好感度を寄せる年齢の対象層もグッと低く狭くなるのが現状です。
現代の消費者の間では、いわゆる人間を模したモノに不安や嫌悪感を持つ「不気味の谷」は超えたと言われてはいますが、未だ見た目に怖さや違和感を感じる人もゼロではありません。
コストもそれなりにかかるため、広告起用の際は事前にブランドのターゲットとの相性を十分に検証する必要があるでしょう。
とはいえこれからまだまだ進化を続ける新進気鋭の領域であることは間違いなく、現時点では活用している企業が多いわけではないので、思い切って他コスメブランドとの差別化を図りたい場合はスピーディに活用の意思決定をしてマス化する前にトライしてみることをおすすめします。
04: 今後のコスメPRについて
今後、バーチャルヒューマン が進化を続けリアルとバーチャルの境界線はますます曖昧になっていくと考えられます。
消費者はいずれかの判断を気にすることなく、とてもナチュラルに生活に溶け込むバーチャルヒューマン コンテンツを楽しむ、という時代がすぐそこまできているでしょう。
そういった意味で、今後のコスメPRにおいても国内外問わずバーチャルヒューマン起用はスタンダードな選択肢の一つとなっていくことが予測されます。
その際、選定の軸としては、「バーチャルヒューマン 」という存在そのものの珍しさ・真新しさというよりは、そのキャラクターが一人の人間としてもつ背景のストーリーや、社会に対して発信している思考の部分に共感を感じるか・ブランドを体現するオピニオンリーダーとしてふさわしいかといった、いわゆるタレント選定と同じ軸で起用をしていくこととなるでしょう。
コスメの場合は、日本人の平均的な顔、中国人の平均的な顔といったローカライズされたバーチャルモデルを立てて、より自分ごとに捉えられる広告づくりも一般化していきそうです。
SNSを通して、これから新しいファンとのコミュニケーション手段となり得るバーチャルヒューマンに期待が高まります。
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