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コロナ到来から1年。いち早く回復の兆しを見せる中国の消費推移に迫る

みなさんこんにちは!unbotマガジン編集部です。

世界最大の消費者市場を持つ中国。新型コロナウイルスの災いの中、さまざまなドラマが生まれました。

各国で自粛生活における経済低迷がみられましたが、中国では世界に先立って強力なウイルス対策を実施したことで、早期に新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込みに成功し、徐々に回復傾向にあります。

今回unbotからお届けする本記事では、主に新型コロナウイルスを乗り越えた2020年前半から現在、そして今後に焦点を当てて中国経済を紐解いていきます。

1)全体消費の推移

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中国では2020年の段階で一度新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着きを見せ、国内の経済は回復傾向を辿っています。経済が正常な軌道に戻りつつある最も大きな要因として、中国政府が様々な支援方針をいち早く出したことが挙げられます。

新型コロナウイルス発生の直後、世界がまだ明確な指針を出せない混乱の中、中国では20以上の省・大都市が3月より国内需要喚起のための自動車購入補助金の支給を実施するなど、落ち込んだ消費のテコ入れを図りました。

中国ではもともと都市部の渋滞を避けるため、車のナンバープレートの発行を制限する地域も多いのですが、そのナンバープレートの発給を緩和する施策を行ったことも有効でした。

これらの施策が自動車産業における消費を活性化させ上向きに導いたことはもちろん、業界を盛り上げ今後の技術革新の後押しとなったと言えるでしょう。

また消費起爆剤として地方政府が市民に交付した電子クーポン券(消費券)が与えた影響も非常に大きいです。2020年9月16日付の経済日報によれば、これまで累計で300億人民元(約4,660億円)を超えて発行されており、「爆買い」が再燃した結果、数倍に上る消費に繋がるなどポジティブな効果を生み出しているようです。

これらの様々な施策が功を奏し、2020年第2四半期(4~6月)のGDPは、前年同期比3.2%増とプラスに転じていて、新型コロナウイルス流行真っ只中の第1四半期(1~3月)の6.8%減から大きく立ち直りを見せています。

2)EC消費の推移

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世界の他の国でもそうであったように、中国でも新型コロナウイルスによる在宅率の高まりから、「巣ごもり消費」といった消費行動がトレンドとなりました。

新型コロナウイルスがひと段落したタイミングにおいても、むやみな外出や他者との不用な接触は控える人が多く、オンラインショッピングが消費の中心である状況は継続しています。

オンラインでの購買習慣が根付いた結果、ECの販売額も大きく伸長しています。

新型コロナウイルスがひと段落していた3月5日~8日、国際女性デーを記念したタイミングで、アリババグループが運営する中国最大のオンラインショッピングモール「天猫」では「クイーンフェスティバル(女王節)」というキャンペーンを開催し、全体で前年と比較して売り上げが137%増加と大幅に伸長する結果となりました。

特にスキンケアやボディケアなど「ビューティ関連商品」の売り上げが最も多く、前年比189%増を記録しており、もはや女性にとっては生活必需品となっている美容領域の強さが伺えます。

中国では非接触での美容カウンセリングの手法も進化していることから、ビューティ関連商材におけるリアル消費からオンライン消費への転換は、今後さらに加速していくものと予想されます。

また、経済産業省が2020年7月に公開した報告によると、中国では新型コロナウイルスの影響が及ぶ前の2019年度時点で、BtoCのEC市場規模が1兆9,348億USドル(約204兆円)と世界最大規模で、前年度と比較しても1.2倍と非常に高い成長率を遂げていました。

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※引用:経済産業省 令和元年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(電子商取引に関する市場調査)P107

本報告では、2021年以降について、中国の農村部のEC利用が本格化するため拡大していくと予想をされていましたが、新型コロナウイルスがさらなるEC市場規模伸長の追い風となるかもしれません。

3)コロナ後の中国消費者の買い物傾向変化

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中国における新型コロナウイルス後の消費者の買い物傾向の変化として、注目すべきは「ソーシャルマーケティング」と「ライブコマース」を通して買い物をする消費者の増加が加速していることです。

アリババが運営するオンラインモールTaobaoが開示したデータによると、Taobaoで行われるライブコマース生中継の平均視聴人数は11,762人/回(2020年1月24日時点)から51,658人/回(2020年2月8日時点)と、新型コロナウィルス拡大以前と比較すると約5倍にまで上昇しているそうです。
(データ引用:https://netshop.impress.co.jp/node/7960

これまで販売員による実店舗での販売がメインであった企業においても、新型コロナウイルスをきっかけとして、ソーシャルマーケティングとライブコマースを手段として選択する企業が増加しました。

ソーシャルマーケティングでは、社員や販売員がSNSを活用して、積極的にユーザーと繋がりを持ち、商品をPRすることがスタンダードとなりつつあります。

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ライブコマースについても変化が起きています。

これまでは有名なインフルエンサーや芸能人を起用することが一般的でした。しかし最近では、企業の創業者が自らライブコマースの出演し、インフルエンサーレベルの人気を博し、驚異的な売上を記録している事例も増えているようです。

例えば、コロナの影響でキャンセルが相次ぎ大打撃を受けた、中国の旅行予約サイト最大手のトリップドットコム・グループ(Trip.com Group)では、創業者の梁建章会長が自ら販売する旅行先をイメージしたコスプレなどの姿で登場し、ライブコマースを盛り上げる取り組みを開始しました。2021年の4月から継続して何度も出演を続け、結果として売上が大きく伸長しコロナの影響によるキャンセル損害を取り戻しつつあるそうです。

こうした取り組みが各所で行われ、ライブコマースの形は日々さまざまな進化を遂げています。中国ではライブコマースを活用した買い物習慣が今後もさらに活発になっていくことが予想されます。

4)おわりに

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ここまで述べてきたように、コロナ禍における中国経済の回復ぶりは、他の多くの国よりもかなり先行しています。

とはいえ、まだ完全にすべての消費者層が前を向けているわけではありません。

世の中のムードとして少しずつ財布のひもが緩み始めてはいるものの、新型コロナウイルス流行期間における失業や収入減、精神的ショックから完全には立ち直れておらず、節約志向が抜けない世帯も多いのが事実です。

それを裏付けるように高収入世帯に好まれるブランド品や化粧品、 車など高級品への支出は目に見えて増えているものの、スポーツ用品やビール、飲食関連の大衆消費は未だ低迷が続くカテゴリも目立ちます。

アフターコロナの時代、あらゆる層の消費者に寄り添い共に経済を活性化していくには、オンラインを通したコミュニケーションやメッセージ発信は不可欠となっていくでしょう。

消費者のオンラインシフト動向を鑑みて、企業の今後のマーケティング予算の使い道がより一層デジタルにシフトしていくべきでしょう。アフターコロナにおいて企業が取るべきデジタルマーケティングは、インフルエンサーやタレントの影響力を企業と消費者の間につなぎ合わせる従来の手法に加え、トリップドットコム・グループのように企業として直接自分たちの言葉で消費者にアプローチする手法もあります。

つまり、増えゆくデジタルマーケティングの手法から企業に最適なマーケティングコミュニケーションの戦略を見極める必要があるのです。

株式会社unbotでは、大手化粧品メーカー様や日用品メーカー様など、様々な日本企業様の中国進出に向けて最適なマーケティングコミュニケーションの戦略をご提案してまいりました。マーケットリサーチ、販路開拓、EC店舗の運営代行、SNSプロモーションなど、マーケティング戦略の総合支援をさせていただいております。日本語/中国語どちらも対応可能ですので、お気軽に下記リンクからお問い合わせくださいませ。

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