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【超能力捜査】夢が事件を解決・行方不明女性の真相
1978年10月24日、午前2時半ごろ、アメリカ、テキサス州・ヒューストン郊外で大きな爆発が発生する。
警察が駆けつけると、耳をつんざくような騒音と凄まじい熱さ。パトカーの塗装は剥がれ、非常灯は溶けた。そのエリアの家も車も全て燃えている。
利用可能な全ての消防車と救急車、全ての医療従事者が駆けつけたが、何が起こったのか皆まだよく理解していなかった。現場は混乱し、家族や友人達は自分の愛する人が負傷しているのかさえも分からない。駆けつけた救急隊の一人は、現場は戦場のようだったと証言する。
火災の原因はガスパイプラインの爆発だと判断された。火災を止める唯一の方法はバルブを閉めること。しかしその特定のバルブはどちらの方向にも20マイルは離れており、これら二つの間に残っているガスを焼き切る必要がある。そのため炎を制御するのに一晩中かかった。
これにより5人が死亡し、43人が負傷する。そしてアイビー・ビーズリーという64歳の女性一人が行方不明となっていた。
アイビーの姪であるブレンダ・ヘイズが言う。
「叔母のアイビーは10エーカーの敷地にある小さな家に、護衛犬3匹と一緒に住んでいました。彼女は小学校の先生で、文盲の囚人にも教えていました。とても元気で明るい女性でした。爆発したパイプラインは彼女の敷地内にありました。」
*10エーカー = 約サッカーグラウンド10個分
警察はすぐに捜索をし始める。地面は火が消えた後も数日は熱く、捜索は難しいものとなる。全ての石、岩、破片を移動して調べる必要があった。家の内外、周囲も捜索を行ったが、彼女がその日そこにいたという形跡は見つけられなかった。
彼女の家は全焼していて、それが事件の謎だった。何が起こったのか誰にも分からない。犯罪の可能性も検討する必要があった。
ブレンダが言う。
「捜査では叔母の痕跡は見つかりませんでした。私達には彼女に何が起こったのか全く分からず、家族は非常に動揺していました。」
ニュージャージー州の心理セラピストであるブレンダは、あるクライアントと会うことになる。そしてそれが二人の人生を変えることになる。
クライアントであるエリザベス・ジョイスは3週間も同じ夢を見ていて、不穏なその夢について話したいと思っていた。
エリザベスが切り出す。
「毎晩見る夢のことなんです。止まらないからとても怖いんです。」
それについてブレンダはアドバイスする。
「その情報について何かが進化しているようですね。自分に言い聞かせていることが何なのか、理解できるか試してみましょう。何を夢見ているのか・・。」
そこでエリザベス・ジョイスはその夢について詳細を語る。
「目を閉じるとその映像が見えるのです。油井が見えます。トレーラーパークが見えます。その真ん中に小さな家があって・・。見覚えはありません。そして女性が一人。ひとりぼっちです。私には理解できません。家の片側にフェンスがある。緑に覆われています。ツタだ・・。ツタが家中にある。爆発が起こる。火事・・。燃える匂いがします。『この女性がテキサスにいるあなたの叔母さん』というメッセージがずっと聞こえてる。テキサス・ヒューストンにいるあなたの叔母さん・・。私は気が狂ってるのかも。すごく奇妙です。私の叔母はニュージャージーのハンプトンに住んでいるからです、テキサスのヒューストンではなく・・。だから混乱していました。」
ブレンダは耳を疑った。
「エリザベスが家とトレーラーパーク、そして家にあるツタについて説明し始めた時、本人は夢の意味が分かっていませんでしたが、私にはすぐに叔母のアイビーのことだと分かりました。それは爆発についてでした。そして叔母は行方不明。私達には彼女の居場所が分からない。彼女の状況が何も分からなかったのです。」
エリザベスが説明のつかない予知をしたのはこれが初めてではなかった。
エリザベスが言う。
「私は自分が霊能力者だとは知りませんでした。私がこういう印象を得るのは、感情を通してか夢を通してかのどちらかです。ビジョンを通してのことも時々あります。自分がオープンチャンネルになることは分かりましたが、この時点ではプロの霊能力者ではありませんでした。」
ブレンダが言う。
「彼女が話している時、もしかしたら助けてくれるかもしれないと思いました。叔母に何が起こったのか正確に理解できるように。」
奇妙な偶然のように見えるアイビー・ビーズリーの失踪を無意識の霊能者が解決できるのか。
エリザベス・ジョイスは、夢の中に出てくる女性をアイビー・ビーズリーだと特定した。
警察は犯罪の可能性も考慮していた。この火災で行方不明者は彼女一人。何らかの犯罪に巻き込まれたのか。あるいは放火だった場合、何者かがパイプラインを破壊したのかさえ分からなかった。
その後の捜査の結果、パイプラインは改ざんされておらず、火災は事故だったことが分かる。しかしアイビーの失踪は未だ説明されておらず、犯罪の可能性も排除されたわけではない。
叔母の生死が分からないことにますます動揺したブレンダは、テキサスにいる旧友に助けを求める。彼女は消防士だった旧友デビッドに代理となってくれるように頼んだ。デビッドは保安官数人と会い、何が起こったと推測されるか聞く。捜査ではさまざまなシナリオが仮定された。犯罪に巻き込まれた可能性も含めて。
アイビーの家は破壊され、彼女は失踪した。そこまでして彼女に危害を加える敵がいるのか・・。
一つだけ可能性があるとしたら、刑務所での仕事が何らかの形で彼女を標的にした可能性だ。デビッドは刑務所へ行って確認するが、彼女に危害を与えるような者は誰もいないことがよく分かる結果となる。捜査はほぼ行き詰まりを見せる。
何の手がかりもない中、捜査員達は再度アイビーの敷地内を捜索。火災の強度と熱が非常に強かったため、遺体が完全に焼却されている可能性も十分にある。全ての灰と地面をほぼふるいにかけるようにして慎重に捜索する必要があった。やがてそこで骨が見つかり、研究所に送られる。
警察が捜索を進めていく一方で、ブレンダはエリザベスに電話をかけ、叔母の居場所が分かると思うか聞いた。
エリザベスが言う。
「その時点では私はプロの霊能者ではなかったし、自分にそのようなことができるとは思っていませんでした。感じることができてもそれが何なのかは分からない。それをコントロールすることもできません。」
彼女は自分の霊能力に疑問を持っていたものの、何ができるか試してみることにする。
エリザベスは夢の中へ戻る。
「私は夢の中で家の中を調べています。またあの女性の姿が見えます。犬が狂ったように吠えている。何かがおかしい・・。彼女が下へ降りて行きます。私に話して、アイビー。どうしたの?何が起こったの?ガスのような静かなシューっという音がして、焼ける匂いがします。彼女は家の中にいるけど、私は何かおかしい、何かがあるべき場所にないと感じています。彼女が出て行くのが見えます。外へ出ようとしている。彼女は何かを探してる。何を探してるの?アイビー。どこにいるの?口笛・・。口笛が聞こえる。彼女は外にいます。やかんの鳴るような音が聞こえていて、どんどん大きくなってくる。耳がつんざく。燃えている。全てが燃えている。炎があちこちにある。彼女は家の中にいませんでした。それは確信しています。これが助けになるといいのですが。」
ブレンダは言う。
「私はある意味安心しました。彼女の夢はかなり正確な可能性があると信じていたからです。叔母が家から出て、家にはいなかったことを期待していました。」
しかし同時に、エリザベスの夢は、よりミステリーさを高める。アイビーが火事の時に家にいなかったとしたらどこにいたのか。そして今はどこにいるのか。
研究所からの結果が返ってくる。捜査員達は骨を見つけたことで捜査は幕を閉じるものと思っていた。しかし骨はアイビーのものではなく、犬のものだった。
不安になったブレンダはもう一度エリザベスに相談する。彼女はアイビーの写真を持参した。その写真により、エリザベスは新たに一連のことを感じ取る。
エリザベスが再び夢の様子を語る。
「話して、アイビー、どこにいるの・・?彼女が見えます。彼女は自宅の外にいる。夜・・。そして私も外にいます。彼女が何かを見た。何かを探して歩き回っています。私の左側に油井がいくつかあります。反対側はトレーラーパーク。たくさんのトレーラーがあります。彼女はその近くにいる。奇妙な音がします。彼女は怖がってる。その音が何なのか分かりません。彼女は逃げ出した・・。走っています。彼女は背の高い草に囲まれている・・。彼女はフェンスの近くにいます。」
夢の様子を語ると彼女は言った。
「彼女は逃げている途中にこの背の高い草の中に飛ばされたと思います。まるで彼女が私に何が起こったのかを語っているようです。その感じはとてもダイレクトに伝わってきます。ここに小さな家があって、ここに油井があります。トレーラーパークがここで、たくさんのトレーラーがあります。敷地の境界線から500〜600フィートくらい超えて探すように言ってください。彼女は背の高い草の中にいます。ここを見てみないといけません。」
ブレンダが言う。
「彼女は地図を描きました。とても正確なものでした。この地図が捜査を正しい方向に導いてくれるだろうと期待しました。この情報をできるだけ早く警察に伝えなきゃと思いました。」
その情報が伝えられると、捜査員達はやや懐疑的だったものの反応は良好。他のことは全て試したため、この情報を試してみることにする。
ボランティア消防士のバック・スティーブンスが言う。
「提供されたこの地図に基づいて、今までずっと捜索していた場所のほぼ反対側の、全く調査されていない地域で捜索をすることにしました。そして地図にあったフェンスで靴が見つかりました。そのフェンスを超えると反対側で遺体が見つかりました。」
遺体が見つかったのは、エリザベスの言ったとおり、家の境界線からおそらく約500フィートの場所だった。そして遺体はアイビー・ビーズリーのものと特定される。
*500フィート=約180m
デビッドは言う。
「彼女がそんな遠くまで行ってしまったと信じる理由がありませんでした。もし生きていたらどこか反対側から出てきたでしょう。爆発で吹き飛ばされたらそこまで飛ばなかったでしょう。最終的な結論は、彼女はショックで走り去ったということでした。」
彼女は自宅にいて爆発で飛ばされたのではなく、ある程度の距離を走ってから飛ばされたのか・・。
地図には遺体があった場所がほぼ正確に描かれていた。
エリザベスは言った。
「夢は終わりました。そして私は素晴らしいギフトを与えられていることに気づきました。今ようやく使い方を学ぶことができます。」
ブレンダが言う。
「エリザベスが力を貸してくれたことにとても感謝しています。検証をしてくれたことにも。」
そしてブレンダの代理人となったデビッドは最後に言った。
「なんと奇妙な話でしょう。本物です。それで私は霊能力の可能性を信じるようになりました。」
現在エリザベスは、プロの占星術師、スピリチュアル カウンセラー、エネルギー ヒーラー、霊媒師、透視者として、世界中で個人的なサイキックリーディングを行っている。彼女は少なくとも 12 冊の本で紹介されている。
また、テレビやラジオ、 CNN ニュース、Wall Street Magazine、The New York Times などの全国メディアでも紹介されている。