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【超能力捜査】霊視で的中・アメリカ歯科医殺人事件
2006年4月13日、アメリカ、ペンシルベニア州の小さな町。10代の少年が隣の家で衝撃的な発見をする。
少年は隣の家のドアに血がついているのに気づき、窓から覗くと、部屋中に大量の血が流れていた。彼は急いで母親に知らせる。
隣人メリッサは息子から『今すぐ来て!ジョンが死んでる!』という知らせを受ける。メリッサの隣人、ジョン・イェレニック、39歳は地元の歯科医。メリッサは即座に警察へ通報する。
警察が到着すると、玄関のすぐ内側は血の海で、リビングルームの床や壁にまで広がっていた。そこでリビングルームに横たわる男性の遺体を発見。喉が耳から耳まで切り裂かれていて、ほぼ頭が切断されている状態だった。殺人事件であることは明らかだ。
FBIは家中の方医学的証拠を収集する。犯人は家中に血の跡を残していて、リビングルームとダイニングルームを通って裏口から出ていった足跡があった。しかし指紋は綺麗に拭きとられている。
強制侵入の跡はなく、貴重品も盗まれていない。2階に保管されている4丁の銃もそのまま。警察は、犯人は鍵のかかっていない裏口から侵入したと推測した。
リディック巡査長は警察署に勤務して6年経つが、彼女にとって初めての殺人事件だった。
「現場にいた全員に靴を渡してもらい、各靴跡を記録しました。ダイニングルームやキッチンで見つかった靴跡と比較しましたが、どれも一致しませんでした。」
被害者の手は現状維持のために袋で覆われる。警察は、より多くの手がかりを見つけるために被害者の家と近隣を徹底的に捜査。しかしいかなる種類の凶器も発見できない。
事件現場の周りには何事かと人々が集まってくる。その中の一人が被害者の従姉妹であるマリアン・クラークだった。
「彼の家に着いた時、家に入りたいと言ったらダメだと言われました。私が入ることができないほどひどいこととは何かなのか聞いたら、ジョンが殺されたと言うのです。ジョンは恐らくこれまで会った中で最も親切で寛大な人。楽しいことが大好きでした。彼に会ったことのある人は皆彼のことが好きでした。」
一方、隣人のメリッサは、ジョンとは9年生の時からの友達でもあった。
「素晴らしい男性でした。息子をとても愛していて素晴らしい父親。良き隣人であり、コミュニティにも変化をもたらしてくれました。」
ジョンは9年間連れ添った妻と別れた後、最近地元に戻ってきていた。
マリアンが言う。
「離婚は辛いものでした。合意に近づいたかと思うと元妻は、いつも何か他のことを更に要求しました。」
9歳の息子の親権も含め、5年かかって双方はようやく合意。ようやく暗いトンネルの終わりが見えていた。しかし彼は書類に署名する機会はなかった。
ジョンが殺される原因は見当たらず、不特定の相手を狙ったものとしか思えなかった。近隣の住民は家に鍵をかけ始め、玄関の灯りをつけっぱなしにするようになる。
メリッサが言う。
「ジョンのすぐ隣に住んでいて、子供達も怖がって眠れませんでした。私達は1週間以上は眠れなかったと思います。自宅にいるのが怖かった・・。」
事件から数日後、近所の人が、事件の数時間前に二人の男が金のことで口論しているのを聞いたと証言する。この証言により、現場で見つかった小切手に焦点が当たる。
それはメリッサ夫婦からジョン宛の小切手。彼らがジョンに現金化してほしくなかったための犯行なのではと疑われ、メリッサの夫トムが容疑者となる。
警察はトムを連行し、小切手について聞く。
メリッサが言う。
「ここでベーカリーを開くつもりでした。ジョンがパン屋の開店資金として$15,000くれました。でも突然、税金を払うために返金を求めてきたので彼に小切手を切りました。その時私は$14,000しか持っていなかったので、残りの$1000は数週間以内に返すと答えました。」
警察はこの答えに納得していなかった。
メリッサは言う。
「私は親しい友人を亡くしただけでなく、夫はこの恐ろしい犯罪を犯した犯人として容疑者となりました。」
事件から1か月後、メリッサは夫の無実を証明しようと、超能力者の姉妹に助けを求める。スザンヌ・ヴィンセントとジャン・ヴィンセントは死者の霊に導かれると言う。
スザンヌ・ヴィンセントは言う。
「私の霊的洞察は、さまざまな形でやってきます。閃光が見え始めたり、風景が見え始めたり・・。人物の写真も見えます。ネガのように現れて、画像とビジョンを与えてくれます。私があちら側でコミュニケーションを取ろうとしている人のビジョンを。」
ジャン・ヴィンセントは言う。
「私はその人物が誰なのか、どんな状況なのか、象徴するものを聞いたり味わったりする感じですね。心霊セッション中に私に同行してくれるスピリットガイドもいます。」
メリッサはこのヴィンセント姉妹に殺人のことは何も伝えていなかった。
スザンヌが言う。
「私のスピリットガイドが最初に言ったのは、悲しみの雲がそこら中にあることでした。そして私は言いました。『なんてことなの、息子さん達が遺体を見つけたの?』と。彼女は、『はい』と言いました。彼女の周りのエネルギーは、夫がこの事件の容疑者として疑われるかもしれないことを示唆していました。」
メリッサは言う。
「私は、彼女達が私達家族に起こっていることを見ることができたことにただ驚きました。」
ヴィンセント姉妹はジョンの殺害を目撃した。
スザンヌが言う。
「メリッサが『誰が彼を殺したと思いますか?』と聞きました。すると突然、スピリットガイドが、『彼は警察関係者!』と叫びました。」
メリッサはヴィンセント姉妹に、ジョンの家に来てリーディングをしてもらえるかと聞くと彼女達は合意。事件から3か月後に犯罪現場を訪れる。
スザンヌは言う。
「裏庭に行こうとした時、ジョンを殺した人物が裏に駐車しているのではないかという強い引力を感じました。」
ジャンが言う。
「ワイン色のSUVがジョンの家をストーキングしているのが見えました。」
事件解決に役立つことを願うジョンの家族は、サイキック姉妹が家の中に入ることを許可。犯罪現場には色褪せた痕跡がまだ残っていた。
ジャンが言う。
「すぐにダイニングルームに引っ張られました。私は殺害はここで起こったと言いました。エネルギーはとても重かった。刺し傷が見えました。彼の首がギザギザで、その後真っ直ぐになっているのが見えます。足の周りに血がたくさん溜まっていくのを感じました。」
それからジャンは犯人を見たと言う。
「ジョンの魂が私を靴跡のある場所に引き寄せました。その上に手をかざすと、赤毛の人物が見え始めました。明るい目で色白・・。そばかすがある。悪い予感がしました。」
スザンヌが言う。
「そしてスピリットガイドが『警察関係者だ!』と叫び始めました。」
ジャンが言う。
「ジョンが『彼が私を殺した』と言いました。」
メリッサは唖然とする。
「この犯罪を犯したのが誰なのか心の中では分かっていました。その人物にどれだけ似通っていたのかも・・。詳細は・・ただ圧倒されました。」
その人物とは、ケビン・フォーリー。ジョンの元妻と2年間交際している。彼は赤毛で、SUVを運転している。そして州警察官だった。
リディック巡査長は言う。
「彼はすでに重要参考人でした。ジョンの元妻と交際しているからです。でも彼が警察官だったという事実は信じがたかった。そんなことをするだろうか?と。また足跡を残すなんてヘマをするかなとも。でもサイキックからの情報を入手したら、もう少し調べてみたいと思いました。」
警察は、ジョンとケビンが不仲にあったことを知る。ジョンは元妻ミシェルと頻繁に言い争いをしていた。ジョンとケビンは口論になり、警察が呼ばれたこともあった。
問題は、ケビンが警察官なため、慎重に捜査を行わなければならないということ。そして、血液とDNAの証拠を待つ間は何もできない。その結果には非常に長い時間を要した。
その間、血まみれの靴跡の分析により、容疑者の一人であるトムは、犯人より3サイズも大きい靴を履いていることが分かり、容疑者から排除された。
メリッサは言う。
「トムの容疑が晴れてすごく安心しました。」
彼女の家族の名誉は回復。メリッサは警察に超能力者に会ってほしいと思っていた。
リディック巡査長が言う。
「私はとても懐疑的でしたけど、行くと言いました。もしかしたらうまくいくかもしれないということを頭の片隅に置いて家に行きました。」
ジョン殺害から数か月後、ヴィンセント姉妹はジョンの家で警察と会う。
リディック巡査長は、彼女達からワイン色のSUVの情報を入手し、ケビンがワイン色のSUVを運転していたことを思い出す。
スザンヌが言う。
「私達がキッチンに向かって歩いていると、ジョンの魂が大声で言いました。足跡に細心の注意を払うようにと。私には高価なランニングシューズに見えました。サイズも分かりました。恐らくサイズ10くらい。」
リディック巡査長が言う。
「彼女達がそんなことを知っているはずがありません。あり得ない。たとえ巻尺を持ってたとしても分かりません。色褪せていたからです。」
ヴィンセント姉妹は犯人が犯罪現場に証拠を残したと言う。そしてそれが犯人を破滅させると信じている。
ジャンは言う。
「ジョンの爪の下に犯人のDNAがあり、私達は警察にこれを追求する必要があると伝えました。」
長く待たされていたDNAの結果が事件の鍵となるだろう。そして事件は解決する・・。
ジャンが言う。
「足跡の上にドッグタグがちらりと見えました。このドッグタグを持っている人物がジョンの殺害に関与している。この人物には軍隊経験がある。」
ジョンが殺害されてから4か月が経っていた。警察は犯人は警察官だと疑っていたが、ヴィンセント姉妹によりその疑いが裏付けられる。
リディック巡査長が言う。
「彼女達は取り組むべきことを教示してくれました。ドッグタグ、軍人、SUV、そして足跡・・。彼女達はドッグタグのビジョンは犯人が軍人と関係があることを意味すると言います。でもそれについては少し懐疑的でした。確かに彼女達は、容疑者の車も警察官であることも当たっていた・・。でも彼は軍人じゃなかったしドッグタグも持っていない。でもさらに詳しく調べると、彼は軍人経験があることが分かりました。」
警察は捜査を強化。地元のガソリンスタンドのビデオから有罪を示す事実を発見する。ケビンは家に帰るのに通る必要のない町を通っていた。
彼には殺害の動機があり、その機会もあったことは明らかだ。しかし警察はまだ逮捕に十分な確固たる証拠を持っていなかった。
ケビンは弁護士を雇い、話そうとしなかった。そこで地元警察は州司法長官事務所に介入してもらい、犯罪捜査に協力してもらうことにする。地元警察には何ヶ月、何年もかけて殺人事件を捜査するための財源も人員もない。助けが必要なのは明らかだった。
懸念事項は、州警察に捜査を依頼すべきかということ。第一容疑者が州警察の警官だからだ。そのため地元警察と州警察の両方が独立した期間を導入する必要があると同意した。
そこでアンソニー・クラステック司法副長官が介入することとなる。
「これは非常に状況証拠的な事件です。自白や目撃証言のある事件ではなかったため、少しずつ構築する必要がありました。この事件の重要な証拠の一つは、血まみれの靴跡でした。これは、A6 GクリードまたはGクリードプラスからのもので、サイズは10から12.5の間の靴でした。」
この靴はアメリカで25,000足しか販売されていない限定版のランニングシューズによるものだと突き止める。そしてケビンはこの靴を 2003 年に注文し、所有していた。
それでも、彼が犯罪現場にいたことを示すものは何もなかった。しかしその後DNA鑑定結果が戻ってきて、ケビンとの一致が判明。ケビンのDNAが被害者の爪から検出された。ヴィンセント姉妹が言ったように。
ジョン殺害から17か月後、警察はついにケビン・フォーリーを逮捕。地域に衝撃を与える。住民の半数は、警察官が殺人を犯すとは信じたくないし、信じられなかった。残りの半数は彼が犯人であることに疑いの余地はなかった。
1年半にもわたる長い捜査だった。裁判で検察はケビン・フォーリーには十分な動機があったと主張した。
陪審員はジョンの離婚成立まであと1日だったことを知る。離婚届に署名した場合、ケビンの恋人であるジョンの別居中の妻は、毎月2500ドルの配偶者扶養手当を失うことになる。しかしその前にジョンが死亡した場合は、彼女がジョンの財産と 100 万ドルの生命保険を受け取ると判断した。
ケビンには別の動機もあった。彼はジョンが児童性的虐待をしていて悪人だと思い込んでいたのだ。別居中の妻はジョンを告発し、裁判にまで持っていった。彼は全て無罪となったが、ケビンはジョンが怪物だと信じ込んでいた。
クラステック司法副長官が言う。
「ケビンはジョンに対する悪意を隠しませんでした。彼は『ジョンは悪魔だ、殺されるべきだ』と誰にでも言っていました。ある警官に彼を始末するのを手伝うよう頼んだことさえあったのです。」
検察は陪審員に4月13日の出来事を鮮明に描写する。
午前1時頃、ケビンはジョンの家に到着。裏口から入るとジョンの顔と胸を切りつけた。ジョンの頭を玄関の窓から押し出し、割れたガラスがジョンの喉を切り裂き、首はほぼ切断される。病理学者は、ジョンが出血死するまでに最大9分かかったと証言した。
8日間の裁判中、ケビンは無罪を主張し続けた。しかし2009年3月18日、彼はジョン殺害による第一級殺人罪で、仮釈放の可能性なしの終身刑を宣告される。彼は判決に控訴している。
裁判を終えた従姉妹のマリアンは言う。
「ジョンは世界で一番素晴らしい人でした。彼は最も恐ろしい死を遂げた・・。そして今夜はあなたの夜。ジョン、私達はあなたを愛しています。いなくなって寂しい。決してあなたを忘れません。」
ジョンの友人や隣人にとっても、ケビンの有罪判決は悪夢の終焉を意味する。
隣人メリッサは、事件解決にヴィンセント姉妹が貢献したと信じている。
「この事件では超能力者が役立ったと信じています。彼女達が知っていた情報は驚くべきものでした。最初から私達がやりたかったことは、私達の友人に誰がこんなことをしたのかを突き止めて、確実に正義がもたらされるようにすることでした。」
ジョンが離婚届に署名する前に死亡したため、別居中の妻ミシェル はジョン の財産と 100 万ドルの生命保険を受け取った。彼女はジョンの死後、死後離婚を認めるよう裁判所に請願したが、裁判官は請願を却下した。