一度も見たことのないキャラを好きになる現象
艦隊これくしょんの場合
このゲームには、軍艦をモチーフにした女の子キャラが、多数出てくる。
それぞれに人気があったり、そうでもなかったり。
そんな中で、気になったのが未実装艦に入れ込んでる人。
まだゲームにはでてきてないし、今後出るとしても強さはわからないし、誰がどういうイラストを書くかも決まってない。そもそも本当に出るかも不明というのに。
実装されたら絶対入手するんだと息巻いている人がいた。
この現象なんなんだろう……と考えてはじめて数年。ようやくわかるようになってきたというか、それと同じことを自分でもやってることに気が付いた。
三国志パロディの場合
三国志……は歴史小説なので、そのパロディを擬人化というのはヘンだけど、たまに女の子になってたり、ロボットになってたり、やってることは余り変わらない。
とにかく三国志のキャラと同じ名前のキャラがでてくる。
名前だけじゃなくて、ある程度元ネタの雰囲気を醸し出すようイラストや設定で。
で、おれがそういう時にどうするかといえば、まず法正という名前のやつがいるか探して、いたらどんなやつなのかを見る。
三国志の中での推しキャラだけど、知名度が微妙、なので、出てくるかどうか微妙なライン。
だから出てるかどうか心配だし、出てるとしたらどういうイラストや設定になってるかも気になる。
このゲームに法正が出てきたらこんな感じかなあ、とか想像する。
これがつまり、実装されてないキャラを推すという謎現象。
イラストもパラメータも何にも見ないうちから、登場を予期して、勝手に想像できる。
孔明との仲が悪い設定や、酒乱設定を採用するかどうか、そこらへんの判断も作品ごとに違ってくるし。
もちろん他のキャラでも大なり小なりそういうことを考える。
日本の戦国武将でも世界の偉人でもそういうことはあるだろうし、おれにはよくわからないけど、おそらく軍艦でもそういうことがあるんだろうと思う。
元ネタのある設定なら常にありえる。
そして作品内の設定を整備することで、オリジナル作品でもそれに近い効果を出すことができそう。
チェインクロニクルの場合
オリジナルストーリーなので、二次創作のように、見たことのないキャラを推すというのは基本的にない。誰が出てくるか予測がつかない。
ただストーリー中に登場するけど、ガチャやイベントでの配布がまだされてないキャラというのはいて、その実装を期待するケースはあった。
それと、設定上騎士団が存在するけど、団長が誰なのかわかってない場合とか。イラストも名前も不明。
でも他の騎士団の団長がこれぐらいの強さで、部下はこういうやつだから、きっとこういう感じの人が……と、ある程度想像してた部分がある。
知らないキャラのはずなんだけど、まったく知らないわけでもなく、思い入れの点で若干違ってくる。
これはパロディや擬人化の場合と違って、その作品内部の設定を回収するというか、補完するというか、そういうパターンだと思う。
ただコラボイベントが発表された時は別。
誰が登場するのか、★はいくつか、出るとしたらどの武器や職業で戦うのかと、擬人化の場合に近い心理状態になる。
スーパーロボット大戦の場合
いろんな作品のロボットが1つのゲームで戦うのが魅力のゲーム。
このゲームも、登場してないキャラについて期待されることが多い。
ロボットなら基本的に何が出てきても不自然じゃないけど、どういう絵になるか、特殊能力をどういう処理にするのか、そもそも権利関係抑えられるのかとか。
エヴァンゲリオンが出た時はATフィールドという特殊な防御能力を、スパロボ的に解釈して登場させてた。
最近ではナイトガンダムまで参戦して。
じゃあ、あのロボットも出せるんじゃないか? ということで、実際出てないキャラについて、ワイワイ騒ぐことができる。
これがもし完全新作の、オリジナルロボット物だと、なかなかそういう騒ぎ方はできない。あくまで実物を見てみないことにはなんとも。
擬人化の効能
知らないけど知ってる、を作り出せるのは、擬人化のすぐれた点だと思う。
パロディでもいいんだけど、それだと著作権とかいろいろ別の問題があるんで、歴史物や古典以外ではむずかしい。
きっとそのうち○○も出てくるはずだ、もしくは新キャラで追加されるはずだという、期待をもたせることができる。
知名度が低いとその効果は薄れるけど、調べてわかるようなことであれば、それをキッカケに興味を持った人も追いかけることが出来る。
ただ、調べて意味があるのは元ネタとの関連性を見いだせる場合で、見た目も設定もまったく何の関係もなく、名前だけみたいな状態だと、調べても次が予測できない。
艦これの場合には、艦の特徴がイラストに反映されたり、各艦の関係性がセリフに反映されたりするから、次もそうなるだろうという期待がある。
そして、駆逐艦はこんなかんじ、軽空母はこんなかんじと、デザインの方向性も合わせてたから、未実装だけどきっとこんな感じ……というのが想像できる。
可愛いイラストをランダムに割り振っただけじゃ、そうはならない。
まだ出てきてもいないキャラが好きになれるかどうか、というは、擬人化成功の鍵のような気がする。