人の行動って一面だけでは語れないよねっていうことーオスカー・シンドラーと「滅相も無い」#7
無理やり結び付けたようなタイトルですが。
「関心領域」を見たので、COTENラジオのオスカー・シンドラーシリーズを
聞き返してる。
全部じゃないんだけど、シンドラーがユダヤ人をどうやって救ったかってところと戦後のシンドラーについての回まで聴いた。
このシリーズは人間の善性とは単純ではないことを知るシリーズなんだけど
晩年のシンドラーはアルゼンチンに渡ってビジネスをするけど
上手くいかなくて、結局ドイツに帰るんだけどなぜか
パートナーのエミーリアは置いてってしまう。その後二人は一度も会うことはなかったそう。
1200人のユダヤ人を救ったのに妻一人幸せにはできないっていうのが
人間の多面性なんだわねぇ。
ユダヤ人を救うためにも賄賂を渡しまくったりとか規則に反したこともばんばんやってて、パーティ三昧で浮気も結構してたらしいし
倫理観は今の感覚で言えば褒められたものではない。
昨今の風潮だとどんだけいいことしてたとしても
浮気したり妻を異国に放り出したまま自分だけ帰ってきちゃうなんてことが知られたらめちゃくちゃ叩かれるんだろうなぁと思うと
命を救う勇気ある行為と道徳的に正しい人間かどうかって
人間性として一致しないのに片方だけみて全否定するのは勿体ない
(この言い方正しいかわからんないけど)。
全てにおいて正しさ(というより潔癖さ?)を求める風潮はそろそろ終わってほしいと思うなぁ。
しかも正しさって社会情勢によって変わるしね。
絶対的な正しさなんてないし。
このシリーズ、まだ先があって杉原千畝さんやアイヒマンも登場するので
最新シリーズの合間に聞きなおそう。
んで、「滅相も無い」#7の話。
人の行動って説明できないことばかりだよねって思ったんだけど
井口の行動も脈絡がないというかただの思い付きで動く人で
それもまぁちっちゃなことなんだけど。
同じマンションに住むちょっとおかしな言動をするおばさんに返事しちゃだめと親に言われているのに
返事をしてしまったり家に訪ねてきても無視するようにと言われたのに
おばさんに呼ばれるがままに家に行ってしまったり。
その後そのおばさんが屋上から飛び降りたらその現場を見に行って
何か痕跡が残ってないか探したり。
子どもってそういうやっちゃだめって言われてても言うこときかなかったりするしまして人が亡くなった現場に興味津々だったりする。
好奇心旺盛というラベリングだったけど、それによって何か大きな事件を起こすわけではない。
高校生のときに付き合ってた男子が急に学校に来なくなって連絡したけど既読にならない。
家に行っても両親はどこかへ行ってしまったとか言わない。
結局そのまま卒業し、どうなったかわからないまま数年がたって急に連絡が来て会うことになったけど
待ち合わせ場所に彼は来なかった。実はヤバいバイトをしていて少年院に入っていたとか。
そんなこんながあって穴に入ることにしたという経緯で
これまで登場した人物の中で一番エピソードが弱い。
ただ一番リアリティがあった。
人の行動って全てに明確な理由なんてないんだよなぁって。
何となく思い付きで穴に入ることにしたんだろうな。
これに限らず何でこんなことが起きたんだろうという事件だったりって意外と深い意味のない行動の集合体だったりするんだろう。
だからいちいち目くじらたてるのも無駄だとも思うし
逆にもうちょっと考えて行動しないととんでもないことが起きちゃうよ
とも思うね。気をつけよ。