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「没後300年英一蝶―風流才子、浮き世を写す―」後期も行ってきました

前期がとてもよかったので大幅入れ替えされた後期にも行ってきた。

やっぱりよかった。

多賀朝湖時代の雑画帳は全とっかえ。
この雑画帳、技量の高さが伺えてすごい。
あらゆる画風を取り入れててなんでも描けるんだって思う。

風俗画が多いけど、狩野派らしい細部まで描きこまれた作品や
水墨画のようなタッチも作品もあるし一言で言うとうまいんだよね。
素人の私が言うのもなんだけど。



後期の圧巻は阿弥陀来迎図。
阿弥陀さまの衣の細かい金糸模様で描かれてて25人の天女が
背景にびっしりと一人一人精緻に描かれて色彩も鮮やか。
ほんとに素晴らしかった。

琴棋書画図屏風は中国由来の画題をやまと絵風に描いてて
全体的にゆったりとした構図なんだけど場面ごとの登場人物や建物や草木は
とても丁寧に描かれてて古典主題への回帰の本気度が伺える作品。

四季風俗図(四民図)屏風は六曲一双の超大作。
とにかく大きいのだけど構図配置が巧みなので圧迫感がない。
狩野派の技巧を持ちながら風俗画を手掛け
三宅島で材料が限られた中でもそれを感じさせない工夫をして
江戸に戻ってきてからは再度古典主題に挑むという
すべての経験が凝縮されたような屏風絵で
素晴らしかった。
(この作品は従来は2代英一蝶作と紹介されてたようなんだけど技量の高さから初代英一蝶作と推定して展示しているそう)

一言で言い表せない多彩さが魅力の絵師だなぁと改めて思った。


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