アイヒマン裁判と「虎に翼」ーたまたま同じ日に聴いたり見たりしたので
今日はコテンラジオ更新日。
ジャンヌ・ダルクシリーズの#6
ジャンヌが自分が特別な人間だと知ってもらうために
女性なのに騎士の恰好するというのがしてるっていうのが面白いなと。
服装によって人を分類するのは判断するための認知コストを下げるためって
確かにそうだなと。
就活でリクルートスーツ着たりとかもその一環ていうのしっくりくる。
ジャンヌダルク回はまたシリーズ進んだらまたおいおい書くかも。
で、シンドラーシリーズの続き。今日はアドルフ・アイヒマン回。
ナチスの親衛隊の幹部でホロコーストの実務を担った一人。
第二次世界大戦直後にドイツからアルゼンチンに逃げてて実際に裁判が行われたのは1962年だったらしい。
今回はその裁判を傍聴したハンナ・アーレントの本を中心に
なぜホロコーストは起こったのかを考える回だった。
アイヒマンはただ命令と法に従っただけ。ユダヤ人を殺したいと思っていたわけではないと主張する。
彼自身全く悪びれることもなく淡々としたものだったらしい。
当時のドイツにおいてユダヤ人を合法的に虐殺できる決定をしたナチスに反対意見を述べられる人がどれだけいたのだろう
と思う。
それを裏付けるようなミルグラム実験という心理実験も行われたりしたらしい。
ある権威の下に命令されると人は残忍な行為も行ってしまうという結論が導かれたものらしいが
近年この実験結果も果たして正しかったのかと言われたりもしてるみたい。
このように結局人間の善性や悪性って簡単に結論が出るようなものじゃないよねっていう
結論にならない結論。
そうなんだよなぁ。社会学って瞬間瞬間で正解を出すものじゃなくて
この条件のときはこうだし、別の条件だったらまた違う見方ができるし…
立場と状況によっても変わるし、正解があるものじゃないんだよね。
いまみたいに科学的に正しくないものはダメっていうのもきっと違う。
だから常に考え続けるしかないんだなぁと毎度のごとくの感想でした。
で、今日の「虎に翼」(また無理やり)
寅子は優三の死を受け入れ河原で新聞紙に包まれた焼き鳥をほおばる。
その新聞には「日本国憲法」の全文が記載されているのが目に入る。
この場面はドラマ冒頭のシーン。
その時は法の下の平等が憲法で認められたことに感無量となっている
と思ってたら実は戦死した夫を思っての場面だった。
今週の寅子は今までは「スン」てなることに否定的だったのに
スンってならざるを得ない状況を理解し、
正しいことだけが全てじゃないことが身に染みたと思う。
これを知った彼女は法を守るだけじゃなく法とは常に見直されて書き換える必要があるもの、時代や社会情勢とともに変わりゆくものと認識し
裁判官として判決を下していく人になるんだろうな。
アイヒマンはナチスが決めた法に従いユダヤ人を殺し続けた
戦後はその罪を問われて死刑になった。
法律は誰が何のために定めるかによっても変わっていくもの。
その土台となる憲法をどう解釈するか。
物語の核心はそちらなんだろうなぁ。残り4か月あるからね。
この後寅子は桂場さんが団子を食べるのを邪魔しに行くんだろう。
※5月31日追記:団子じゃなくてふかし芋でした。
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