免疫(17)-補体-
免疫のテーマを探していて、困った、ない・・・と思っていたらそんなことはなかった。
補体についてまた勉強し直すなんて、授業を受けていたときには思いもしなかった。
参考:大隅浩一 血液凝固系と補体系のクロストーク 血栓止血誌 22(4);171-185:2011
補体系の活性化には3経路ある
1.古典経路
2.レクチン経路
3.代替経路
それぞれの経路には初期反応に特徴がある
C3/C5の活性化、最終産物であるterminal complement complex(TCC:C5b-9)が形成される点は共通
●古典経路
免疫複合体(IgGやIgM)とC1qの結合がトリガー
活性化されたC1r/C1sがC4やC2を活性化して、C3 convertase (C4b2a) を形成
C3 convertaseによって生じたC3bはC5 convertase (C4b2a3b)を形成し、C5が活性化されてC5bを生じる
C6、C7、C8が順に結合してC5b-8複合体となる。
最後にC9が結合することで、膜障害活性を有するTCCを形成する。
●レクチン経路
mannose binding lectin (MBL)やフィコリンが感染菌外膜の糖鎖と結合することによって開始
活性型となったMBL-associated serine protease(MASP)がC4およびC2を活性化する
以下同じ。
●代替経路
C3分子内のチオエステル結合が自発的に水解されることにより活性化されてFactor Bと結合する。
ここにFactor Dが作用してC3(H2O)Bbが生じ、C3がC3aとC3bに分解される。
C3bは、感染菌の表面上でFactor Bと結合し、Factor Dの作用を受けてC3 convertase (C3bBb)を形成し、さらにこれによって生じたC3bと結合してC5 convertase (C3bBb3b)を形成する。
C5が活性されてC5bを生じる。
以下同じ
され、どのように膜障害活性を生じるのか。
これはC9の複合体を形成して、細胞壁に穴をあける(埋め込む)という話である。
穴があけば、そりゃ・・・壊れるよね。