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2020/07/27の創作日記(〆切まで96日)

オーウェルの「1984年」を読む。オーディオブックなので正しくは聴くだが、まぁそれはいいとして。

1984年はわざわざ僕が言い出すまでもなく名作だが、エンタメではない。少なくとも、今日僕らがエンターテイメント小説、マンガ、アニメ、映画と呼ぶものとは異なる文法で書かれていることは間違いない。
面白いが、エンタメとは違う。

ならエンタメって一体何だよと考えた時「一瞬たりとも消費者を退屈させないコンテンツ」なのではないかと思い至る。
一瞬、というのは少し言葉が強すぎるきらいがあるが、それぐらいの気概で作るのがエンタメなのではなかろうか。

1984年は確かに面白いが、同時に退屈でもある。序盤は本当に何も起こらなくてひたすらに眠くなる。
とはいえ序盤の仕込みが最後になってきいてくるのだけど、これがエンタメであったなら多少テーマ性が薄れようとも序盤も刺激的な内容になっているはずだ。
これは良し悪しの問題ではない。カテゴリーの問題なのだ。

読んでいる最中、1984年をエンタメナイズしたらどうなるかぼんやりと考えていた。
ウィンストンはもっと若くイケメンになるだろうか。ジューリアは口だけ達者な処女になるだろうか。オブライエンは謎めいた美少年になるだろうか――ここまで来るとサブカルナイズだが、作品の持つ意味もテーマも随分と変質するように感じる。

エンタメには避けられない宿命がある。それは見栄えをよくすること。少なくとも消費者に嫌悪感を抱かせないためのフィルター加工は必要不可欠だろう。

今一度自作がどこを向いているか考えてみる。その本質は何か。サブカルナイズした結果そうなったのか。最初からそうだったのか。考えながら物語のコアを探していく。

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