ANDY PAWLAKというシンガーの話
ANDY PAWLAK
北部イングランド出身のシンガーソングライター。
1989年に出たアルバム Shoebox Full Of Secrets を今でも時々聴く。
今は無いWAVE(渋谷だか六本木だかは失念)で輸入盤を見つけて買った記憶がある。
当時、巷では「一人プリファブ・スプラウト」なんて言われていた。ナイーブな歌声が少し似ている。
聴くと「あの頃の空気感」が甦ってきて甘酸っぱい気持ちになる。「ネオアコ」なんて言葉が出始めの頃。
アルバム1枚で姿を消してしまい、いわゆるOne-hit wonder(一発屋)だと思っていたのだが、調べてみると2008年にインディーズレーベルから2ndアルバム「Tales From The Monkeyshed」を出していた。
サウンドはちょっとオルタナっぽくなっているけど、歌声は変わっていない。
1stの Shoebox Full Of Secrets や この Tales From The Monkeyshed は Amazon や iTunes でダウンロード販売されているのだけれど、彼のオフィシャルサイトでは多くの未発表曲までも含めて無料でダウンロードできる。
大丈夫なのかな? 本人がやってるんだからいいのか。
オフィシャルサイトのバイオグラフィーによると、1stアルバムリリース後の契約が取れずサンフランシスコでヘリコプターと飛行機の操縦ライセンスを取って飛行教官として働いていたそうだ。(マイケル・ジャクソンのネバーランドに2回飛んで行ったそうな。凄いなネバーランド。エアポートがあるんだ!)
その後再びイギリスに戻りアイランドレコードと契約してレコーディングするも、アイランドがアメリカのユニバーサルレコードに買収され作品のリリースを認められなかった、と。
音源の無料公開はそんなビジネス上のゴタゴタした大人の事情に嫌気がさしたから、なのかもしれない。
勝手な推測だけど。
ちなみに、1stアルバムタイトルの「Shoebox Full Of Secrets」とは、「イギリスの若者がラブレターなど秘密のものを靴の空き箱に隠してベッドの下にしまう習慣をあらわしたもの」らしい。(出典)
やはり青春の甘酸っぱい空気が漂うタイトルだった。
最近この言葉の意味を知ったのだが、最初に思い浮かんだのが「中坊がベッドの下にエロ本隠す、みたいな事?」だった。下卑た発想で申し訳ない。
【1989年の私的考察】-----------
Andy がデビューした1989年は Prefab Sprout が「From Langley Park to Memphis ('88)」と「Jordan: The Comeback ('90)」をリリースした間の時期。
※ '89に「Protest Songs」が出ているが、あれは1985年のレコーディング作でサウンド的には「当時の音」では無い。
1989年のUKというと、The Style Council はもう一時期の勢いは無く、入れ替わるように Blur 等のブリットポップ勢が元気になり始めた頃。
UKチャートに上がったアルバムは
Paul McCartney の「Flowers In the Dirt」、
Queen の「The Miracle」、
Simply Red の「A NEW FLAME」、
Tears For Fears の「The Seeds Of Love」(「かーちゃーん、許してー」の空耳でおなじみ Sowing The Seeds Of Love 収録)
等々。
アメリカのbillboardアルバムヒットチャートはこんな感じ。
んー、あまり思い入れがあるアルバムが無い。年末の Phil Collins の ...But Seriously 位か。
日本国内だとフリッパーズ・ギターが1stアルバム「three cheers for our side〜海へ行くつもりじゃなかった」を出して、ピチカート・ファイヴは「女王陛下のピチカート・ファイヴ」を出した、そんな年。
いわゆる「渋谷系」と呼ばれるシーンが芽吹き始めた頃。
日本国内の年間アルバム売上チャート1位はユーミンのDelight Slight Light Kiss。
ZABADAKは4枚目のアルバム「飛行夢(そら とぶ ゆめ)」をリリース。
山下達郎はライブアルバム「JOY」をリリース。
そして
坂本龍一は「ラストエンペラー」のサントラでグラミー賞を取って、アホアホマンだった頃です。
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