ネタバレ御免の作品語り②

このnoteの内容はタイトルの通りです。
今回は、『溺愛アルファの完璧なる巣作り』及び『騎士は愛を束ね、運命のオメガへと跪く』(章題『二人の王子』まで)のネタバレ解説みたいな感じになりますので、未読の方はお気をつけください。
『溺愛アルファ~』はサイト掲載分以外で出した『溺愛アルファと緑の湖』の内容も含まれるかもしれないので、そちらも未読の方はお気をつけください。

さて、前回はマシュマロでいただいた質問にお答えしていたら語りたいことを忘れてしまうという悲劇が起こりましたが、その後ちゃんと内容を思い出したので改めてこちらでお話させてもらおうかなと思います!

このnoteを読んでくださってる方は、『騎士愛~』の章題・『二人の王子』まで読破済みかつ『溺愛~』の最終話まで(プラス『溺愛アルファと緑の湖』も)読んでいる方であること(もしくは読んでないけどネタバレ全然大丈夫だよという方)を前提にお話させてもらいますね。
作者によるグダグダな解説読みたいよ、という方のみお進みくださいませ。

早速ですが作品語りいきます!


「オメガの不便はすべて、アルファのためにある」

騎士愛~の中でクラウスがエミールに向けて言ったこの言葉なんですが、実はこのセリフは、『溺愛アルファ~』を書き始めた当初から私の頭の中にあったものなんですね。
エブリスタさんで、作品タイトルの下に表示される一行紹介文みたいなやつあるじゃないですか。
私、あらすじも一行紹介文みたいなやつも(ついでにタイトルも)、壊滅的に考えるのが苦手で、読者様を呼び込むようなキャッチーでセンスある文章を考えられた試しがないんですが、『溺愛アルファ~』を登録したときの一行紹介文として、この、「オメガの不便はすべて、アルファのためにあるんだ」って言葉を書こうとしてました。
当初は、ユーリがリヒトに向けて言う予定でした。

でも蓋を開けてみたらリヒトは不便のかたまりで、それってべつにオメガとはまったく関係のないところでの不便だったので、ユーリがこのセリフを言う必然性がなくなっちゃったんですよね。

だけど、私的には決め台詞だったこの「オメガの不便はすべて~」をなかったことにするのは惜しい。
なのでどうにかこれを使えないか、使う機会をユーリに与えられないか、と人知れず私は奮闘しました。
しかし待てど暮らせどユーリとリヒトがベッドインしない。いつギシギシに辿りつくのか。よもや辿りつかないなんてことはないだろうな。
戦々恐々しながら話を進めること40万字(知らんけど。たぶんそれぐらい)。
ようやくギシギシの機会が訪れたんですよね!

よし、ユーリに言わせよう。ついでだから、
「これはクラウス兄上の受け売りだけどね」
という言葉を付け加えよう。そしたらべつに不自然じゃない。

ヒートになったリヒトを目前にして、私はようやくこのセリフを書けると胸と指を躍らせた……のですが、なんということでしょう。
リヒトがちょっとピュアすぎて、ヒートを不便だと思う思考回路をまだ持ち合わせていなかったのです!!(涙)

こりゃダメだ。
リヒト自身が、オメガの諸々を不便だと感じていないのに、ユーリがそれを不便だと称するわけがない。そんなこと言うユーリはもはやユーリじゃない。

というわけで私はこのセリフをユーリに言わせるのを諦めました。
そして思ったのです。
一行紹介文をこのセリフにしなくて良かった、と!!!

そんなこんなで当時諦めたこのセリフを、今回クラウス×エミール編を書くに当たって再利用しましたとさ。

元々ユーリも「兄上の受け売りだけど」と(私の脳内で)言ってたので、クラウスならば言ってくれるだろうと期待していました。
言ってくれて良かった!!

オメガバースのオメガと言えば、華奢で小柄で筋肉がつきにくい体質でチン○も小さい、ってのが通説だと私は思ってるので、溺愛アルファ~の世界観でもそのように書いてます。
小説では伝わりにくいんですが、体格差カプが好物なので、ユーリ×リヒトはもちろんのことながら、クラウス×エミールも結構ガタイが違うと思ってます。

前回の作品語り①で、クラエミのスピンオフをいつ書こうと思ったのか、的なご質問をいただいておりましたが、溺愛アルファ~を書いてるときにこの次兄カプについても断片的にキャラの背景を考えておりました。
エミールの生い立ち(両親が居ない)とか、孤児院の慰問をしてて子ども好き、とか、そういうのをふわっと。

最近Xの方で、プロット云々についてのポストを見かけたりもしてちょろっと話したりもしたんですが、私はプロットなるものを作ったことがなく、大体がふわっとしたまんま話を書き始めます。

これもどっかで言ったことあるような気がするんですが、溺愛アルファ~をスタートした時も、
・攻めが受けをどろどろに甘やかしてる話
・食事もお風呂も生活のなにもかもを攻めに手伝ってもらってる受け
というところから妄想を膨らませて、なんで受けは自分で食事を食べることもお風呂に入ることもできないんだ? そうだ、五感が弱いという設定はどうだろうか、とふわっと決めて、ふわっとした設定だけで突き進んでいった結果、50万字オーバーの作品が出来上がりましたとさ、めでたしめでたし。
みたいな感じだったんですよね。

でもまぁ書いてる内に不思議とカチッと設定がハマる瞬間があるんです。
たぶん無意識で色々つじつま合わせてるんでしょうね。
でも自分で意識してやってるわけじゃないので、自分でも「えっ、そうだったの?」みたいな感覚になるんです。
なのでこれは単なる自画自賛なんですが、『溺愛アルファと緑の湖』でのリヒトの妊娠にまつわるあれこれなんかは、本編の設定が上手くハマったな~と思いました!

『騎士愛~』でもそういうシーンはあって、ああこの設定はここで活きるのか~、と自分でビックリしたりしてます。
ただ、私の書き方って自己満以外のなにものでもないので、読者様にそれが伝わってるかどうか不明だし、へったくそだなぁって思ってるひとも居ると思います。

あと全然関係ないんですが、「オメガの不便はすべて~」の台詞を決め台詞だと言った私ですが、自分で思う決め台詞や、ここぞというシーンは、意外と読者様に全然ハマってなくて、逆になにげないシーンを拾って「好き」と言ってもらえることも多かったりします。
え、そこ? みたいな(笑)

渾身のシーンに反応が薄かったりすると、ドラマチックに書ききれなかった自分の表現力の弱さが歯がゆかったりするんですが、そういう私と読み手の皆さまとのギャップもちょっと興味深かったりします。
逆に、ここぞというシーンを拾ってくれる方とはたぶん好みが被ってるんだろうな~と思えたりもして、お相手の性癖をちょっと覗けた気分にもなります。ぐふふ。

これまた関係ないんですが、自分の作品で一番タイトルがハマってるなと思うのが、
『泥の舟は沈む』
『泥の舟と沈む』
なんですが、この『舟は』と『舟と』の一文字違いの部分を感想で拾ってもらったことがあって、全力で握手したくなりました。私としてもこの一文字がとても大きい作品だと思ってます。
また泥舟みたいな、どうしようもなくさびしい作品を書きたい気持ちはあるんですが、とりあえず今は『騎士愛~』を完結まで頑張ろうと思ってます!!

あともう一個語りたいことがあったんですが、『騎士愛~』でそこをまだ書けてないので、そのシーンがどこかで披露できて、かつ覚えてたらまたここで語らせていただこうと思います!

なんか話が逸れたのか逸れてないのかよくわからない語りになっちゃいましたが、『騎士愛~』もわりと佳境に近づいてきた感があるので、書けるときにモリモリ書いていこうと思います。
いつもお付き合いくださる皆様、本当にありがとうございます!!

感謝を込めて!
ぐだぐだなまま強引に終わる夕凪より!


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