夕凪、はじめてのおてつだい
去る9/23(月)、大都会トーキョーにて腐女子の祭典が大盛況のうちに幕を閉じたことは周知のことかと思う。
さて、そんな801の民が集まるJ.GARDEN56に、私こと夕凪も参加してきた。今回はサークル参加ではなくお手伝いとして、とってもお気楽に参加してきた。
しかしイトミミズ夕凪のメインイベントは、J庭参加ではなく、前日の飲み会であった。
というわけで話はイベントの前日に遡る。
9/22(日)雨のち曇り。
電車にガタゴト揺られて地元関西の空港に到着。さて、お土産も買ったし休憩がてらちょっとなにか食べようか、と思いフードコートエリアへ行ったところ、右を見ても左を見ても前を見ても後ろを見ても、周りの人間がビールを飲んでいた。
さすが日曜日。さすが連休。老いも若きも昼間っからやっちまってる。
私も飲みたい。しかし私はいまから、今回のサークル主である宵先生と飲みに行くのである。飲みに行くのにその前に空港で一杯ひっかけるわけにもいくまい。
ビールの誘惑に耐えながらX(旧Twitter)を開くとそこには宵先生のポストが。
なんということだ。宵先生も新幹線の中でアイス片手にビールの誘惑に耐えていた!!
ここで私だけが悪魔のささやきに屈するわけにはいかない。私もなんとか耐えた。そんな私の横で、缶ビールを軽快に開ける音が聞こえてくる。軽く殺意が湧いた。
そんなこんなで早く飲みたいという気持ちを抱えたまま、いざトーキョーへ。
羽田に到着したら、宵先生から「カフェベローチェに居るよ」との連絡が入っていた。はいはい、カフェベローチェね。
知ってる。知ってる。だって私、ビッグサイトに行くの四回目だもん!
そんなツウを気取って了解の返事をし、ホテルに到着後荷物を預けていざカフェベローチェへ!
…………。
カフェベローチェってどこやねん!!
あっという間に途方に暮れた私に、宵先生が親切にもグーグルマップを送ってくださる。それを見ながら歩いて……あれ? 反対か??
やばい。このままでは永遠に辿りつかない。ベローチェに行けないとその先にある飲み会も遠ざかってしまう!!
そんな窮地に陥った私の目の前に、警備員のおじさまが!!
「すみません、カフェベローチェってどこですか?」
へどもどと尋ねた私に、警備員さんはやさしい笑顔で道の向かいのビルを指さした。
なんということだ。道を渡ればすぐにあった!! 恥ずかしい!!
警備員さんにお礼を言って、いそいそとカフェベローチェへ行き、無事に宵先生と合流。
その後予約してたお店に行き、まずは駆けつけ一杯。ビールで乾杯。
この最初の一杯で私は確信した。
宵先生、かなりの酒豪である。ビールを空けるペースが私より早い。むむ。やりおるな。
その後は泡。スパークリングワイン! 飲み放題でこれがあるからこの店にしたのである。つまり我々のお目当て!
BLの話をしながらワインを飲む。一人が喋る。一人が飲む。一人が喋る。一人が飲む。
そんなことをしていたら、なんということでしょう、夕方から始まった飲み会で二人でフルボトル二本空けてしまったではないですか!!
因みに宵先生とのBL語りは大変面白かったです。色々ためになるお話も聞けたし、色々勉強になった!!
そんな中宵先生より、「なんでイトミミズなの?」という質問が発された。
なんで? え? なんだったっけ?
トリ頭ゆえに記憶がもう薄い。
性格診断? あなたの自信の度合い?? 気の小ささ?? なんだっけ? なんかの診断系でイトミミズだったんです、とまったくわからない返しをしてしまうイトミミズ夕凪。
説明になってないのに宵先生は納得されていた。そう、二人とも酔っている。酔いながらBLの諸々を話したが、ちゃんと覚えているかはもはや怪しい。
次に書く話のネタだけは覚えていると信じたい。
そんなこんなで、しこたま飲んだわりには二日酔いにもならずに、イベント当日の朝を迎える。宵先生も大丈夫だった。肝臓に感謝!!
さて、いよいよお手伝いとしての私の真価を発揮するときがきた。
宵先生の本来のお手伝い、Hさんと入り口付近で合流。Hさんは関西の方ということで、大都会で感じる西の風はひとしおである。ちょっとした地元トークで盛り上がり、主役の宵先生がほったらかしになってしまった。申し訳ない。
とりとめのない話をしつつ、ここに集う全員がBL好きなのか~と周囲を見渡していたら、あっという間に開場時間になりいよいよ設営タイム。
やっぱり広い。島と島の間も広い。前に来たときよりも広がってるように感じる。
さぁ、自らお手伝いに立候補したのだから、ここで役に立たねば!!
そう思いつつ設営に取りかかるも……本来のお手伝いHさんが有能すぎて、夕凪、一歩も動けず!!
アカンで工藤! これは下手に手を出したら逆に邪魔になるパターンや!!
脳内の服部がささやいた。
やることのない夕凪はとりあえず、
サークル受付行ってきましょうか?
と場を離脱することを選んだ。
せやで工藤! 邪魔になる前にさっさと離れた方がええ! 脳内の服部も賛同していた。
宵先生のめちゃくちゃ可愛い新刊を手に、いそいそと本部へ。
……あれ? よく考えたら私、これが初めてのサークル受付じゃない???
おかしい。過去三回サークル参加をしたはずなのに、これが初めてだなんて。
そう考えて思い出す。そうだ、これまで自サークルの時はすべて、女神Eさんがサークル受付をしてくれていたのだ!
そんなプチ初体験を経て、サークル受付が無事に終了。ついでにゴミ箱を探す旅に出る夕凪。
受付のお姉さんが、恐らく出口付近にゴミ捨て場があると思う、と教えてくれたので、設営中の島を渡り歩きゴミ捨て場を探す。
途中、肌色のアハンなポスターが目に入る。二輪挿し!!と大きな字で書いてあって興味を惹かれたが、いまはゴミ箱が優先である。
肌色ポスターに別れを告げててくてく歩くと、ゴミ捨て場が会場の端っこの方にあった!
私は意気揚々と宵先生のスペースに戻り、ゴミ箱発見の報告を行った。そのときすでに設営のほとんどが終了していた。お手伝いHさん! 恐ろしい子!!
やることのないイトミミズ夕凪はスペースのゴミをせっせと集めて、ゴミ捨て場へ運搬をした。私がしたことと言えばそれぐらいであった……。
さて、有能なお手伝いHさんの活躍と、手慣れた宵先生の動きで早くも設営が完了した。
すごい。一般開場前に余裕で設営が終わるなんてことがあるのか……。
しかも足元も整理されており、椅子に座れる。座れる!!
自サークルと比べるとなんという差か!!
ひそかに驚嘆していると、お手伝いHさんが早々にご自身の戦場へと旅立って行かれた。宵先生が教えてくれたことには、お手伝いさんにはいち早く壁サーさんに並べるというメリットがあるのだ、とのことだ。
私は戦慄を覚えた。
ちょっと待て。振り返ってみろ。イベント当日にひたすらカバー巻きをしていたおのれの所業を! 始発の新幹線で手伝いに来てくれたKさんに、私は一度でもそんなメリットを与えることができただろうか(いや、ない)(反語)!
なんなら一般開場後もひたすらあわあわしている私を心配して、ずっと寄り添っていてくれたKさん。
お手伝いHさんを見送りながら私は、Kさんに思いを馳せた。
次からは 早めに解放 してあげたい
(夕凪 こころの俳句)
そうだ。次こそKさんにメリットを享受していただくべく、早めにカバー巻きを終わらせよう!!(開場でカバー巻きするのをやめましょう)
ひとり打ちひしがれていたところに、一般開場のアナウンスが流れてきた。
過去三回はこのアナウンスを絶望の中で聞いたが、今回はひたすらに余裕だった。優雅に拍手までできた。設営が早く終わるってすばらしい!!
イベント開始時から椅子に座っているという初体験を味わいながら、目の前に並ぶ宵先生の可愛い新刊、美麗な既刊を愛でる余裕もあった。
壁サーさんにはあっという間に行列ができていた。
時折風が吹き込んでくる。向かいの島のアハンな肌色ポスターが風に押し倒されていた。宵先生はちゃんとポスターが倒れないように足元をダン箱に噛ませていた。なにもかもが完璧だった。
壁サーさんを眺めている内に、宵先生の新刊目当てのお客さんも来始めた。設営でなんの活躍もできていない夕凪。そろそろここらでお役に立たねばなんのために居るのかわからなくなってしまう。
武勲を上げるべく張り切って接客に挑んだ。
今回は先着順で宵先生が色々おまけを用意されていた。
新刊のSSペーパー(装飾が可愛かった)、既刊のポストカードや、数種類から選べるしおりなどなど。
新刊を購入されたお客様に、ジャパ○ットのごとく、これも付きます、あれも付きます、と渡していく。
そして宵先生のご厚意で委託で置かせてもらった夕凪の無料配布本も、最後にそっと、「いま無料でこれもお渡ししてます」と、さも宵先生の小冊子かのように押し付ける。
そう。宵先生にしか興味のない読者様がうっかり間違って夕凪の本も読んでくれれば重畳、さらにはその読者様がうっかり夕凪の作品を気に入ってくだされば、kindleの既刊が売れるのではないか!
そんな下心を、しろ様の超美麗和風表紙で覆い隠し、そっとお客様に手渡していく私の隣で、宵先生が、
「夕凪さんの無料配布本です」
と、ご丁寧に私の名前を出して手渡してくれているではないか!!
なんというご配慮!
宵先生が書いたかのように装った姑息な私とは人間の器が違う……!!
恥じ入った私はその後ちゃんと、
「宵さんの書いたものじゃないんですが」
と(小声で)正直に申告して配布していったのであった。
それはともかく、宵先生の新刊を買うついでに夕凪の無料配布本を貰いにきてくれた方もいらっしゃり、あまつさえお手紙や差し入れまでいただいたりして感動した。
遊びに来てくれた皆さま、本当にありがとうございました!!
そんな中になんだか見覚えのあるお嬢さんが近づいてきた。目が合った。このひと、前回もぶれの良さを長文の手紙にしたためてくれたあのもぶれの御方じゃないか……??
もぶれのひとですか、と声を掛けようとした私の耳に、
アカンで工藤! ここはおまえのスペースとちゃうで!! 宵さんのスペースやで! 人違いやったらおまえ、相手にも宵さんにも迷惑がかかる上に、初対面の人間に「もぶれのひとですか」って話しかける変態になってまうで!!
と制止する服部の声が響いた。
一瞬躊躇する夕凪。お嬢さんが口を開く。
「宵先生は……」
セーフ!!!!!
あぶない! やっぱり宵先生のお客さんだった!!!
焦りながら「宵先生はこっちです!」と御大を指さす無礼をかます夕凪。
ふぅ。冷汗が出た。と思ってたら、宵先生と話し終えたお嬢さんがこちらへ来て、
「もぶれの者です」
と言ったではないか!!!
当たってた! やっぱりもぶれ大好きお嬢さんだった!! イトミミズの記憶力も捨てたもんじゃなかった!
可愛らしいお嬢さんは今回も爆弾を落としていった。
「夕凪先生の作品で、チンにシリコンボール入れる良さに目覚めました」(意訳)
チンにシリコンボール。はいはい、あのシーンね。入れてたね、確かに。
ごりごりのもぶれシーンでの一幕をしっかり記憶しているとは……このお嬢さん、さすがもぶれの女!!!
そんな再開を楽しみつつ、接客しながらまったりイベントの空気を楽しむ夕凪。お手伝いの気楽さもあって、会場アナウンスの声も楽しむ余裕が。こんなにちゃんとアナウンス聞いたの初めてぇぇぇぇ。
気づけば宵先生が用意したSSペーパーやしおりなどもきれいになくなり、同じ頃に夕凪の無配本も終了。
もらってくれた(押し付けた)方々に感謝!!
そして閉会の時間を勘違いして帰りの飛行機を取ってしまったおバカな夕凪に付き合って、離席してまで一緒に食事を付き合ってくれた(そしてその間も巨根について語ってくれた)宵先生、本当にありがとうございました!!
撤収も手伝えないダメダメなお手伝いさんですみませんでした!!!
はい、というわけで真面目に締めのご挨拶をば!
今回も色んな方にお会いできて本当に楽しかったし、カバー巻きをしないイベントがこんなにバタバタしないとは!!とたくさんの初体験を宵さんのおかげで経験できたことに感謝です!!
クラエミ(騎士愛~)は本になりますか、とか、続編待ってます、とかお声掛けくださった読者様、本当にありがとうございました!!
来年3月の春庭は参加予定なので、騎士愛~はそこで出そうかなと考えております!
あと、騎士愛~のこぼれ話やリュゼくんのお話などはまたアルポリさんかエブさんで掲載していこうと思ってます。
無料配布本については、同内容のものをBOOTHで無料配信しております。
良かったら読んでやってください!
こちらの本は、表紙絵になっているしろ様作のイラストを見て書き下ろしたお話になってます。
絵が本当にうつくしくて、この世界観をなんとか文章で表現したい!!と奮闘したんですが見事撃沈しました。
そんなところも楽しんで(?)いただければ幸いです。
皆様いつも本当にありがとうございます。
そして宵さん、本当にありがとうございました!!
感謝を込めて。
職場にほど近いクロネコヤマトさんに仕事関係のひとがお勤めしているということがわかり、もうあそこのクロネコヤマトに行けない!!!と絶望に打ち震えている、イトミミズ夕凪 より。