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課題解決の共創をイメージする大切さ

序章


04,10,2022 18:30~
SHIBAURAHOUSEの5F バードルーム|BIRD ROOMと呼ばれるガラス張りの天井の高い空間に、約20名の方が集いました。

まるで宙に浮いているかのような心フワフワしつつ居心地の良い感覚。
トワイライトタイムの空の色は、夕焼けから夜空へと変化する。
少しづつ入場する参加者、徐々にこの空間のチカラによってオープンマインドな雰囲気が醸成されているのが感じます。
日常の暮らしの中で、非日常な空間に包まれた、出会いと語り合いは、新しい思考や感覚を引き出すのではとワクワクしてきます。

バードルーム|BIRD ROOMと呼ばれるガラス張りの天井の高い空間


4人の登壇者のプロフィールをご紹介します。
伊東 勝 (いとう まさる)
株式会社SHIBAURA HOUSE代表取締役
2011年、父親から引き継いだ製版会社の社屋を建て替え、SHIBAURA HOUSEとしてリニューアル。建築家の妹島和世さんによってデザインされた社屋の一部を開放し、地域に暮らす人達のコミュニティスペースとしても運営しています。
忠鉢 和則(ちゅうばち かずのり)
NPO法人 なぎさの会 
品川区在住27年 子どもの成長をきっかけに地域の活動に参加し、小学校の父親の会、町会、地域団体の行事に精力的にかかわっています。ライフワークとして「子ども達のふるさと創り」をテーマに活動中。生業は、IT系コンサルティングからイベント企画などを行うシステム会社(株式会社ワッツアップ)代表取締役

松岡久美子(まつおか くみこ)
一般社団法人エリアマネジメントTENNNOZ
2014年に天王洲アイルのまちづくり会社へ携わり、情報発信や公開空地に賑わいをもたらすイベントを誘致・企画し活性化を図り、また官民連携して公共空間の問題から解決、そして自立できるエリアとなるよう取組んでいます。自主的には天王洲で暮らし向上のためのマルシェなども主宰しています。
生業は、天王洲リテールマネジメント株式会社 代表取締役

齋藤敦子(さいとう あつこ)
コクヨ株式会社 働き方と場のアドバイザー
品川港南口の企業に勤務し、異なる個人が共創する場づくりとそのベースにある働き方、学び方の研究とコンサルを行っています。社会共創をライフワークとし、多様性を育むまちをどうコ・デザインしていくのかに取組んでいます。

思考の整理と理解を深めるのために、話題提供者を「暮らし・仕事」「土の人・風の人」のマトリックスで分類、それぞれの視座からのまちへのアプローチが見えてくるのでは無いでしょうか。

話題提供者のまちとのかかわり方マトリックス


開催趣旨と品川一里の特徴と地域資源


続いて、発起人の旅するうなぎのねどこから開催趣旨と品川一里の特徴と地域資源を共有がありました。(ひとつ前の記事にまとめています)
・圏域人口約20万人/12.5K㎡
・交通結節点12駅(品川駅乗降客数約100万人/日)
・コンパクトにまとまる職住隣接と都市インフラ(住宅街から業務、工場、供給施設まで)
・知的集積地7大学
・江戸時代からの埋め立てによる海岸線の変遷
・歴史的な出来事の集積
など、さまざまな切り口でこのエリアを見ることができること

東京都区部土地利用現況図(H28)の一里

 最近の品川駅周辺のエリアマネジメントブームの背景には、リニア発着駅のできる品川駅へのインパクトの影響があり、東京都が推進する品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン2020などを垣間見ると、再開発に「住民をコマ」として利用されていると感じている方々も少なからずいらっしゃること。
 一方で、私たちが住民が、品川一里の地域資源をどんどん再発見し、大切にし、活かすことができれば、もしかしたら、ココでなければ、ココだからこそのまちづくりができるのかもしれない。
 各コミュニティの活動を知り合り、相互に共有することで、社会的課題解決の糸口や、次世代の学びや活動につながり、イノベーション的な21世紀型の再開発の姿につながるのではないかとの投げかけがありました。

旅するうなぎのねどこ 田邊寛子 からの開催趣旨説明


どんな人が参加したの?

参加者のロケット他己紹介、数人のグループになり5分間で自己紹介後、代表の方がどんな方がいらしたか発表します。


品川一里に関係のある、地元企業にお勤めの方、研究者、コミュニティづくりの方、教育関係者、学生、行政職員など多様な方が集まりました。
みなさん、活動されている方なのでご自身の説明をするのも時間がかかり、「まだ足りない」のお声もありました。笑

そしていよいよトーカーの話題提供に入ります。

伊東勝さんのお話

伊東 勝 (いとう まさる)株式会社SHIBAURA HOUSE代表取締役


ご自身は他区にお住まいのことから「風の人」では?とのご指摘もありつつ、親の代からの芝浦での事業継承にあたって、土地をどう活用するか、悩まれ、新しい視点で地域を捉え直し、人と地域を繋ぐ場を創造したいと考え、このSHIBAURA HOUSEの建設に着手。
2011年に文化事業をスタート。
妹島和世さんに設計を依頼した軽やかなガラス張りの建物は、芝浦の灯台のように光をともします。
主力に取り組むオランダ大使館との協働事業では、共に水辺の町である共通点を持つだけでなく、循環型社会を目指すアムステルダム市が採用したドーナツエコノミーという概念を、港区で展開するとどのように物事が見えてくるのか、ヒアリングを元にしたリサーチをすすめ、検討、アクションプラン、実行する取り組みをお話くださいました。

今後展開するオランダのデザイナーとのプログラムや、水辺研究の第一人者陣内先生との水辺探訪のリサーチのご予定も。

「旦那マインド」を持つオーナー企業、地場の企業が核となる街へのアプローチが印象的でした。


忠鉢和則さんのお話

忠鉢 和則(ちゅうばち かずのり) NPO法人 なぎさの会 


 土の人、住民代表としてお話くださいました。
新しくタワーマンションなどに入居した自分達親世代は田舎を持っているけれど、この地で育つ子供たちは、ここが「ふるさと」である。
 ならば、その子たちが巣立った時に、いつでも帰って来られ、幼馴染と旧友を温める何かキッカケが地域にあればと、活動を進めています。
 町会、PTA、親父の会など地の縁特有のコミュニティに包まれながらも、それに関わりの無い人たちも受け入れ、行政とも信頼関係を築きながら活動する「NPO法人なぎさの会」の活動のお話は、寛容で、革新的。
柔軟な組織運営のあり方や、様々なスキルを持った住民という地域資源を最大限活かせていること、予算に合った行動計画、無理をしないなど、継続活動するヒントが多くありました。

何より、ふるさとをつくるというビジョンを共有する大切さを感じました。
「NPO法人なぎさの会」の動画もおすすめです。


松岡久美子さんのお話

松岡久美子(まつおか くみこ) 一般社団法人エリアマネジメントTENNNOZ


 天王洲の再開発が始まったのは1985年。
 倉庫街から働く場へとシフトするため不動産オーナーマインドで、ビジョンを描き、憲章を掲げ、前衛的なまちづくりがすすめられた。
しかし2000年前後からは、段々とファンド系に所有が移り、まちの将来像の共有が困難に。
一方でマンション建設による住宅地としての土地活用により、住民が増加することで、暮らしの場としての街の機能が求められるようになったこと。
 ユーザーと住民目線の賑わい交流イベントの取り組み、水辺や公共空間の活用視点での新しい街への再編集の取り組み、そして10月10日にオープンする東京都清掃工場跡地のアイルしながわなどお話くださいました。
オーナーマインドに頼るだけでなく、ユーザーや風の人の関わり方を積極的にデザインすることの大切さを感じしました。

齋藤敦子さんのお話

齋藤敦子(さいとう あつこ) コクヨ株式会社 働き方と場のアドバイザー


  40年余り港南に自社ビルを持ち、工業地帯から業務と居住エリアへと変容する開発の変遷を目撃してきたコクヨ。
3.11時に品川駅が閉鎖され、帰宅困難者に溢れ各企業が、緊急時の各企業ビルの開放が必要ではないかと課題を持ったが、なかなか連携して進めるのが困難。
一方で、各企業が取り組む新しいマーケティング手法として、さまざまな関係者と中長期的な課題解決を目指すフューチャーセンター、外部共創によるイノベーションパーク、実際の生活の場で実証実験するリビングラボの概要と取り組み。
実は、その場が港南に立地する企業社内に多くあるが、オープンにされておらず、今後、地域住民と良好な関係の上で、もっと地域と連携することができるのではないか。
という投げかけは、 「共創の場 ・問いを立てる ・解決策を共創する ・日常の文脈の中で試す 」という企業マーケティングが、品川一里内で実現できるのではないか、リアルな実証実験、チャレンジのあるまちになるのではと夢が馳せました。
また、コクヨ株式会社の自社ビルを改装し働き方の実験場としてオープンした「THE CAMPUS」(2021年2月)のご紹介と地域へと開かれた場の取り組みのご説明もしてくださいました。

会場全体情報共有・感想・キーワード


その後、会場全員で輪になって質問や意見、感想などの情報共有は、終始朗らかな雰囲気の中でとても深まる時間でした。

・ふるさとづくりというモチベーション
・地域資源としての企業(フューチャーセンター・イノベーションパーク・リビングラボ)
・オーナーシップ&ユーザーシップ
・実証実験実験、チャレンジ
などのキーワード

多種多様な方がいらして、それぞれが汗をかき、活動と発信している。
そんな方々がゆるやかにつながることが、課題共創につながるかもしれないと改めて感じました。

なぎさの会の忠鉢さんへの港区サイドからのラブコール
質問、感想、自薦・他薦


参加の皆さまの感想(一文字)
最後は共有タイム
ポストイットにあげられた質問事項などでトークセッション
話題提供者も参加者も一緒に

年4回、品川一里めぐります

次回は、12月頃を目指して企画していきます。
次のテーマは何にしようか?
企画者もワクワクしながら、仲間を募りながら進めます。

予定は未定です。笑

参加費の使い方

収入 参加費:10,000円(トーカーご招待が多かったため)
経費合計 29,000円
 飲み物代 :2,500円
 SNS広告費:7,500円
 WS備品費:0円(SHIBAURAHOUSEさんボード貸し出し)
 WS消耗品費:2,000円
 撮影:17,000円
 会場使用料:nl/minato フレンドシッププログラム採択のため、無償提供
残金▲24,000円

今回は、WS設備費・会場使用料の無償提供がありました。
初期費用やご招待の方も多かったので、収入が少なく赤字です。
今後は黒字化し地域還元していくことを目指しています。  

参加費を地域還元していくイメージ


SpecialThanks
会場:SHIBAURA HOUSE 
応援:品川塾(多摩大学院紺野登教授と仲間たち)
撮影:https://m.facebook.com/photoisgroove/

■ファシリテーター
・田邊寛子(たなべ ひろこ)
旅するうなぎのねどこ 主宰。
品川宿を中心に、幸せの源である「自己実現」と「人とのつながり」づくりを趣味と知的好奇心をベースに育くむ活動をしています。
自分の故郷品川区で心地よい暮らしを創るのがモチベーションです。
生業は、建築設計・まちを磨く景観デザイン・住民参画型のまちづくりコンサル
(T.C.G.Co. , Ltd.まちひとこと総合計画室 取締役)

旅するうなぎのねどこの趣旨説明


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