八女とみんなとはんてんと② 空き家の再生＝人が集う場所
うなぎの寝床の荻野です。旧寺崎邸（八女）とららぽーと福岡店では、「はんてんてん2023」が開催中です。
八女に移り住んで2年半。暮らしている人の姿や会話の中に、この町のおもしろさを感じる瞬間があります。そしてその一つ一つがこの町の雰囲気をつくっているような気がしました。冬まっしぐらなこの季節、八女の様々な人に「はんてん」を着てもらいながら、しごとや活動、町の営みについてお話を伺いました。
今日のはんてんはこちら「泡雪ロングポンチョ」と「袢天 飛びスラブ」。
ロングポンチョは襟幅が広く首まであたたかく、袖がないので家事炊事などに便利。飛びスラブはゆったりとしたシルエットで、太さにムラのある糸を織り混ぜた生地の表情が特徴です。
朝日屋酒店の高橋さんは、八女福島で最大規模の木造建築「旧八女郡役所」の一角で酒屋さんを営んでいます。また、八女福島の町並み保存にも長く関わり、旧八女郡役所の再生・活用の管理もされています。毎月この場所で夜な夜な行われる音楽の会、映画の会、本の会などでは、地域内外の人が集い、好きなものごとを語り合う、風通しのいい時間が流れています。
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時代と共に変化してきた巨大木造建築
建物の良さに寄り添った、寄りかからない再生
旧八女郡役所に訪れると、そこには立派な柱と剥き出しの梁と土間の空間が広がっています。外でも中でもない、何とも言えない空気感が残るこの建物は、元々は明治20年ごろに役所として建てられました。その後、製蝋工場や銃弾製造工場、住宅、飼料店として、時代と共に役割を変えながら使われてきましたが、1990年代から20数年の間空き家に。雨風にさらされ、土壁が剥げ、瓦が落ちて屋根に穴が開くなど、激しい傷みがあったそうです。
高橋さんとNPO法人八女空き家再生スイッチ（当時はNPO法人八女文化振興機構）の仲間は、この建物の言葉にならない空気感に惹かれ、保存と改修のために立ち上がりました。とはいえ改修には莫大な費用がかかります。郡役所は特に大きな木造建築で、すべて改修するのにざっと見積もって１億円以上かかるとのことでした。行政の補助制度はあるもののそれだけでは資金は足りず、そもそも建物が持つ良さを損なうような修理にもなりかねないケースもあります。
この建物が積み上げてきた時間と風合い、人々の思い出。それらに寄り添いながら、あるものを活かせないか？なるべく予算をかけずに、自分たちでできることは何か？
そこでまずは安全が確保できるよう「応急処置」としての改修を行い、建物の活用をしながら修理していく方向を選びます。改修はワークショップを開催し、参加したボランティアの方々の手も借りながら、7年ほどかけてようやく活用できるまでに修繕が進みました。
空き家の再生＝人が集う場所
旧八女郡役所では、音楽イベントやマルシェ、個展など、様々な催しを通して有機的な人の出会いが生み出されています。
「なにかしたいを形にできたり、人と伝え合える機会を増やせるといい。そうしたことが建物や町を大切にしてくれる人の輪を広げることに繋がるんじゃないかな」
旧八女郡役所の再生・活用の経験を経て、たくさんの方々と関わり、出会うことで町が面白く、元気になっていく実感があったそうです。町家が軒を連ねているように、そこには人々の生活が軒を連ねています。そうした営みの連なりが、自然とまちづくりに繋がっているのかも知れないと、高橋さんと話をしていて思います。
郡役所の改修はこれからも続きますが、最近では他の空き家の再生活動も始まりつつあります。それぞれの営みが自然とまちづくりに繋がるような拠点が少しつづ増えていきそうです。「楽しくしたいね〜」と高橋さん。自分も楽しみです。
これからの空き家の再生活動について詳しくはこちら↓
－長屋から始まるまちづくり－ 八女福島 長屋再生プロジェクト
（ふるさと納税での支援もお受けしています）
朝日屋酒店
営業時間：月~土 10:00-19:00 / 日 10:00-17:00
定休 ：第1、第3火曜（+不定休）
住所 ：福岡県八女市本町2-105 旧八女郡役所内（アクセス）
駐車場有り
Instagram：@asahiya_yame1 / @gunyakusyo
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うなぎの寝床 ららぽーと福岡店
2023年 11/23（木）〜12/11（月）
営業 10:00〜21:00
休み 施設休業日に準ずる
住所 福岡市博多区那珂6丁目23-1 1F（会場アクセス）
うなぎの寝床 旧寺崎邸
2023年 11/30（木）〜12/18（月）
営業 11:00〜17:00
休み 火、水（祝日営業）
住所 福岡県八女市本町327（会場アクセス）
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