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八女とみんなとはんてんと① 町並み再生のキーマン

うなぎの寝床の荻野です。旧寺崎邸(八女)とららぽーと福岡店では、「はんてんてん2023」が開催中です。
八女に移り住んで2年半。暮らしている人の姿や会話の中に、この町のおもしろさを感じる瞬間があります。そしてその一つ一つがこの町の雰囲気をつくっているような気がしました。冬まっしぐらなこの季節、八女の様々な人に「はんてん」を着てもらいながら、しごとや活動、町の営みについてお話を伺いました。

今日のはんてんはこちら藍調袢天 黒茶縞。昔ながらのゆったりとしたシルエットで布団に包まれるような着心地です。昔ながらといいつつ、中わたは材質と適切な配合にこだわった宮田織物オリジナルのわたなので軽く、ふんわりあたたかです。

北島さんは、八女に残る町並みの再生活動に30年以上尽力されてきたキーマンの一人。うなぎの寝床の八女の店舗も、北島さんの活動の上に成り立ってきた場所です。自分自身、ちゃんとお話した機会は今回が初めてだったのですが、実は自分が今住んでいる家も北島さんづてに繋げて頂いたご縁でもありました。

この町並みの風景を残すこと、続いていくことについて、長年町並み再生に携わる北島さんにお話を伺いました。

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八女福島の風景を後世に
町並み保存のキーパーソン

伝統的な白壁の町家が軒を連ねている福岡県八女市の福島地区。私たちの店舗(旧寺崎邸・旧丸林本家・Craft inn 手 [té] )も、そんな八女福島の伝統的建造物の1つです。

しかし、この町並みは決して自然と残ったわけではありません。「後世に残さなければ...」という並々ならぬ思いを持った人々が、何十年も活動してこられたからこそ残っているのです。北島さんは、この八女福島の町並みを見守り続け、町家の保存活動に尽力されてきたキーパーソンの一人です。

Photo | Koichiro Fujimoto

八女福島ってどんな町?
城下町から「商人・職人」の町へ

うなぎの寝床がある八女福島地域は、もともと城下町として栄えました。1601(慶長6)年に初代筑後国主・田中吉政が柳河城の支城として福島城を大修築し城下町を整備。1620(元和6)年に久留米藩主有馬氏の支配下となり福島城は廃城となったものの、町人を住まわせた地域は残り、交通の要衝の地であることから商いやものづくりを営む人々は増え、商家町として歩むことになりました。

近世以降の八女地方は、和紙、ハゼ蝋、提灯、仏壇、石工品、茶、久留米絣など、さまざまなものづくりが行われてきています。周辺地域の豊かな自然資源。ものをつくる職人。流通を担う商人。それらが集う形で八女福島は地域経済の中心地として発展してきました。

失われる風景
誰かがやらねば残らない

こうして発展してきた八女福島の町並みですが、戦後から始まる車社会の到来、ライフスタイルの変化、1991(平成3)年の大型台風による被害など、続いてきた町の風景が段々と変化していくこととなります。

増える空き家と空き地。町並みが歯抜け状態になるのをみて危機感を感じた有志の市民によって、まちづくり活動が活発化しました。また、1993年には町並み保存を公約に掲げた市長が当選し、市役所職員だった北島さんはその担当部署に人事異動。町並み保存を持続させていくには「伝統建築技術の育成」と「空き家の再生活用」が重要と悟りつつ、自分自身がその先頭に立たないとまちづくりは進まない現実に直面します。そうした中で、在職中に自らNPO法人を立ち上げ、退職した後も町並み保存の活動に尽力されています。

「だれかがやらなければ残らないから、やる」

空き家所有者と借り手のマッチング、修繕、技術者の育成、資金調達。ときには何千万の融資を銀行から自ら借金をして受けることもあるそうです。

中古で買った車のローンで頭を抱えている自分からすると、到底想像もつかない金額を肩代わりすることに身が震えるような気持ちになりました。いま眺めている八女の風景は、残したいという想いと腹を決めた覚悟があるからこそであると、北島さんのお話から感じます。

Photo | Koichiro Fujimoto

町家再生と観光資源
訪れてはじまる、きっかけをつくる

近頃は、国の「滞在型の文化観光まちづくり」の推進もあり、町家を再生活用した分散型宿泊事業にも力を注がれています。NIPPONIA八女福島商家町Craft inn 手 [té]RITA八女福島もこうした事業とともに作り上げることができています。最近では、八女福島で最初の居蔵(いぐら)*とされる市指定文化財「今里家住宅」の再生に取組まれています。修復後は町家ホテル・レストランとして活用予定。

町家を残し、人が滞在できる体制を整えていくこと。人が行き交い、地域と触れ合う機会を増やしていくこと。そうしたきっかけが、町が後世につづくことに繋がればとお話しいただきました。

*居蔵 … 瓦屋根の土蔵造りの町家のこと。八女福島の町家は草葺きの屋根が多かったが、江戸時代後期になると、集積した経済力を背景として防火の備えからこのつくりの町家が徐々に増えていった。

「今里家住宅」の改修には、ふるさと納税での支援も受け付けております。ぜひ一度ご覧ください。
詳細はこちら↓
【ふるさと納税】天保の居蔵 令和再生プロジェクト

藍調袢天 黒茶縞

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八女・福岡 2拠点で開催中!

うなぎの寝床 ららぽーと福岡店
2023年 11/23(木)〜12/11(月)
営業 10:00〜21:00
休み 施設休業日に準ずる
住所 福岡市博多区那珂6丁目23-1 1F(会場アクセス

うなぎの寝床 旧寺崎邸
2023年 11/30(木)〜12/18(月)
営業 11:00〜17:00
休み 火、水(祝日営業)
住所 福岡県八女市本町327(会場アクセス

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【続き】八女とみんなとはんてんと② 空き家の再生=人が集う場所


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