2023.10.21.土
今日は夢をほぼ忘れてしまった。欲しい服が目前に現れては消え、手を伸ばしても触れない幻覚は見た気がするが。寝る前、ブランドファッション欲が爆発して公式オンラインショップを3時頃まで見ていたからだろう。あれも欲しいこれも欲しい、欲しいものは全部高い、金は無いと夜は狂いそうになったが、朝になると気分が落ち着き全く平気になっていた。おかしなものだ。
眼球に何かが刺さり、ゼリーのように潰れてじわりと視力を失うという妄想に囚われることがたまにある。昨日の検査で視力が低下していたことと、朝起きたら低下していた側の目をゴシゴシ掻いていたことが一層恐怖に落とす。いつも同じ目が痒くて寝てる間に掻いてしまう。
JとのLINEが億劫で自分から返信を疎かにしていたにも関わらず、向こうからの返信速度が低くなったらなったでいつ来るのか気になってスマホをつい見てしまう。まだ私はあの男が好きなのか?いや、性対象として見られている状態が虚しいと同時に女としての自尊心を高めてくれるから手放すのが勿体ないだけなのだ。また、一度だけで終わらせるべきだったが、若いのに欲求を発散できないのも可哀想と同情してしまった。私の負けだ。だが、高校を卒業してから一度も恋愛経験のない友人と比較して謎の優越感に浸ることはできた。優っている点など殆どないということは承知の上である。
マイナポイントを申し込んだ9月29日から朝起きるたびに口座を見るが、振り込まれない。いつになったら振り込まれるのか。待つのがこの世で一番嫌いだ。LINEの返信だって、結局待つ側に立つのが不愉快なだけなのかもしれない。
ベッドから這い出て食卓へ行くと誰もいない。朝食は出してくれていたので見ると昨晩の焼きそばだった。目玉焼きも乗せている。夕飯の時の祖母との会話をふと思い出す。
「焼きそばはね、お肉をまず炒めるでしょう。それをどかして、また野菜を焼く。そのあと麺を焼いてから混ぜるとね、カリッとして味もしっかりつくのよ。ね。」
「たしかに美味しいね。屋台の焼きそばみたい。」
「そうでしょう!嬉しい。この作り方が、良いのよ。今度からそうしない。」
だが、私は普段母が調理してくれる焼きそばの方が好きだ。屋台のものは味が濃くてパサついていてそんな量いらないなと思うのに対して、母の焼きそばは食べ慣れているしジューシーだしもっと食べたいと思える味なのだ。祖母は人から聞いた話を疑うことなく信じてしまうし、一度信じるとそれだけが正しいと思い込んでしまう。肩こりがすると言った時も、肌に浸透するマッサージジェルをつけてあげると言われてゾッとした。説明書を見せられたが、内容物はエマルションとしか書かれていなかった。そもそも何かの物質が強力に肌に浸透するのが事実であれば肌に何かしらの悪影響を与えるだろうし、肩こりを簡単に治せるならマッサージ師の存在を否定することになるだろう。美容成分だけ都合よく体に染み込ませて肩こりまで治す物質など存在するはずがない。勉強をしていない、情報収集能力がないということは、どんなに地頭がよくても怪しい話を信じてしまうことに繋がる。父方の祖母も、飲むだけで健康になり乾燥させたらふりかけにもなるとかいう茶葉を売りつけられている。まあ、防御できない彼女らよりも、彼女らのような田舎の弱者を金儲けの手段にしている人間が悪いのは明白な事実で、あまり責めることもできない。二人とも旦那に先立たれ、自由に楽しく生きて欲しい気持ちもあるから両親は放任しているのだろう。
昼に生協のパンを食べ、祖母を置いて買い物に行った。古着屋で2着ほど購入。埃の匂いで気持ち悪くなる。明日父がガトーショコラを作ってくれるようなのでその材料を富澤で買った。その後マツキヨで歯磨き粉を買った。その際JPEポイントが17000ポイントほど溜まっていることに気がついた。もしかすると定期購入の際のポイントが付いていた可能性があり嬉しくなった。立派なポイ活だ。手洗いに行く。下痢が軟便になり体の回復を感じる。
車に乗り宇多田ヒカルのautomaticを聴く。途中以前住んでいた辺りを走っていると雲の隙間から光が差し込み、神々しかった。途中で警察を見かける。
母は前から創価学会員のママ友2人ばかしからしつこく誘われており、選挙の時期になると明らかに愛想がよくなる彼女らに私は嫌悪感を抱いていた。母は専業主婦でパートを少ししているだけで、得意分野も地元に知り合いもおらずただ旦那に扶養される奥さんであるため、騙され易そうだと思われやすい。また社交的でないしおべっかが上手だとか何かに造詣が深いとかも無い。だから普通の奥さんから見ると利用価値が低く八王子での友人関係が定着しない。娘からするととても良い母で、他人からも褒められるべき人だが、個人として見ると友人として関わる価値を感じずらいのだと私は推測している。その厄介なママ友だが、漸く距離ができたようで、母は切なそうにしていたが喜ばしいことだ。着物を着ることが趣味だからその関係の人と関わっている方が対等な関係を築ける筈。もう少し周りの人間を疑うということを覚えて欲しいものだ。
祖母を拾いパペルブルグという喫茶店へ行った。駐車場は空いていたが三組待機しておりしばらく待たされた。その間赤と黒の上巻を読み切った。私らの前に待っていたグループだが、美しい女と男、そして凡庸な女の3人で凡庸な女が美しい男の写真を何枚も撮っていた。初めは美しい女が見当たらなかったので歪なカップルだなと興味を抱きチラチラ見ていた。それが3人組と分かり、その平凡な女には恐らく見た目以外の何かしらの高い能力があり、利用価値があるのだろうと勝手に推量した。
店員の女性に呼ばれて席に座り、暫く会話していたら父から電話が来て母が迎えに行った。5人席だったため、父も喫茶店に来てもらうことにした。父はゴルフのコンペから帰ったばかりで土産菓子を持ってきてくれていた。私はミルフィーユとカフェモカを頼んだ。ミルフィーユをてっきりミルクレープと思い込んでおり、パイ生地のそれが現れた時に勘違いに気が付いた。姉はスコーンとブレンドコーヒー、祖母と母はミルクチョコレート、父はカフェラテ。姉はブレンドを何故か紅茶と勘違いしていて、コーヒーが来た時に困惑していた。2人して呆けている。祖母は父にも謎の水素ジェルとやらを勧めて脚に塗ったようで
「運動神経も高めるからゴルフもうまく行く筈。土産話が楽しみ。」
とか言っていた。嘘くさいが、父に聞くと実際にスコアは良かったようで思い込みを助長させてしまった。
帰宅するとスタンダールの恋愛論が届いていた。赤と黒でスタンダールの魅力に囚われた過去の私の贈り物だ。買った服も着てみた。可愛すぎる、早く着て出掛けたい。夕飯に祖母と母がポテトサラダと唐揚げを作っている。読書をしていたら色々手伝いに駆り出された。ポテトサラダはレタスが多すぎてポテトソース掛けサラダのようなものになっている。甘いものを摂取しすぎてお腹が空かない。姉が買ってきた花が萎れてきた。花瓶に活けた花は徐々に死へと近付いていく。気が付けば初めの溌剌とした生が損なわれ、色を無くし完全に沈黙する。極めて人間らしい趣味だと感じる。道徳心を養うSDGS的な考え方と芸術、美は相対するもので両立は不可能ではないかと考えたりするなど。