2023.11.2.木
どうしようもない恋する思いがふっと振り切れた。帰り道に見かけてももっと話したい、ご飯に誘いたいという気持ちが湧かず、赤と黒の続きが読みたいが勝った。扁桃炎はほぼ完治した。
帰りがけに母と高倉珈琲店で夕飯を食べた。ロイヤルミルクティーを飲みすぎてお腹がタプタプだ。その後ドライブをしたら一本道の先の空に出たばかりの大きくて赤い半月が見えてかなり情緒的だった。絵で再現できる能力があれば描いたのになあ。
その後大学時代のバイト先である酒屋に行った。お世話になった社員のSがいて、色々話すことができた。日本酒やワインを勉強し始めたこともあり彼との会話に花が咲いてもうとんでもなく楽しかった。
購入したのはブルゴーニュのアリゴテという品種の2018年ヴィンテージの白だ。アリゴテとは、ピノノワール・シャルドネの次にメインに使用される品種の一つ(もう一つはガメイ)で、かなり酸味が強いらしい。昔はそのせいであまり売れず、赤と黒の舞台でもあるディジョンの市長がこれとカシスを混ぜて食前酒を作り出し、人気を博した。そのカクテルは市長の名前からキールと呼ばれるようになったとか。Sに聞いた話をさらに自分で調べて知った。こういう話をするのが楽しくてたまらない。
アリゴテの白だが、たしかに酸味が感じられた。レモンのような強い香り。口に含むと予想より甘く、さっぱりした味わいだった。改めてテイスティングの内容は次のノートにまとめたい。
父の仙台出張の土産であるずんだ餅も美味しかった。段々酔っ払ってきて記憶が曖昧だ。楽しく音楽を聴いていたような気もする。姉の日本酒も飲んだはず。日本の高貴とされる香りは赤ちゃんの涎の匂いがする。その日本酒も、松茸も、雛人形の防虫剤もそんな感じだ。日本人は人体から発される本来の匂いというものに神秘を感じるようにできているのだろうか。