【SW2.5】魔神の夏休み【シナリオ】
シナリオスペック
推奨レベル:5〜6
推奨人数:4〜5
舞台:浜辺なら何処でも
サプリメント:モンストラスロア、エピックトレジャリー
備考:サプリメントは無くても大丈夫です。
トレーラー
リゾート予定地の浜辺に奈落の魔域が出現した! このままでは地元の観光産業に支障を来たしてしまう! そのような依頼が冒険者ギルドに寄せられた。通常の報酬に加えて当該リゾート地の永年フリーパスも贈与されるとのことで、各地から腕利きの冒険者たちが集まったが、誰一人として帰って来る者はいなかった。一体どれほど恐ろしい場所なのか。単なる数値上の脅威度だけでない何かが待ち構えているに違いない!
全然関係ないですが、浜辺と言ったらスイカ割りやビーチフラッグスが想起されますね。関係ないですが。
導入
PC達はとあるリゾート予定地に来ています。冒険者ギルドからの依頼を受けて、奈落の魔域の処理にやってきたのです。事前情報によると脅威度は7(魔物の最大レベルが7)とのことです。中堅の冒険者が挑む奈落の魔域としては適正な脅威度です。しかし、これまでに5〜6レベルの冒険者達が累計30名以上挑み、誰一人として帰還していません。
冒険者ギルドから提示された一人当たりの報酬は、1,000Gとリゾート地の永年フリーパスです。奈落の魔域が消滅しリゾート地が完成した暁には、この永年フリーパスによってリゾート地に自由に出入りできるようになります。
報酬について
プレイヤーから報酬が少ないと言われた場合は、不足分は奈落の魔域内の宝で補填されるということを正直に伝えましょう。
魔神のリゾート地
PC達が奈落の魔域に突入すると、視界が歪んで美しいビーチの光景が消滅し、その後直ちに同じような美しいビーチが目の前に現れます。元の世界と大きく異なる点は、涼しげな小屋やテントが並び立つ賑やかな施設が十数メートル前方に建っていることです。これが話に聞くリゾート地というものなのだと、PC達は直感します。
リゾート地めいた施設からアビスミニオンズ(Ⅲ426頁)が現れます。アビスミニオンズはPC達に敵意が無いどころか、PCを歓迎します。基本的に魔神語で話しかけてきますが、PCに魔神語話者がいない場合は、特別に交易共通語を話せる個体であるものとしてください。
アビスミニオンズ「ようこそ、ラクシアの皆さん! ここは株式会社魔界観光開発が誇る体験型リゾート施設『デーモンのわくわくサマーパーク』です! このところ立て続けにゲストにお越し頂いて何とも嬉しい限りです!」
アビスミニオンズ「この奈落の魔域の全てが『デーモンのわくわくサマーパーク』になっています。ゲストの皆さんがお探しの〈奈落の核〉は『デーモンのわくわくサマーパーク』の景品になっています。『デーモンのわくわくサマーパーク』のアトラクションに挑戦し、クリアすることができれば、〈奈落の核〉を入手するチャンスを得ることができますよ! 挑戦しますか? しますよね? 然もなくばこの浜辺で餓死が関の山ですよ!」
アビスミニオンズ「さて、施設の概要についてご理解頂いたところで、契約といきましょう。お互い気持ちよく施設を利用するために必須の契約です。この契約書に署名して頂かなければ、アトラクションに挑戦することはできませんよ!」
株式会社
ここの魔神達は「それっぽさ」を演出するために魔動機文明時代の組織形態の一種である「株式会社」を名乗っています。魔界に株式の概念があるかどうかは全く関係ありません。PC達から「株式会社って何だ?」という反応があった場合は、「あれ、人族社会に倣ってみたのですが……ああ、300年前に滅んでましたね!」と嘲笑ってやりましょう。
未帰還の冒険者達
未帰還の冒険者はアトラクションに敗北し、魔神達の遊び道具になっています。PCから未帰還の冒険者について聞かれたら、砂浜に首から下を埋められた冒険者達を魔神が囲んで棒で叩いている様子を描写して下さい。魔界スイカ割りです。死なない程度に叩いて、死にそうになったら回復しています。
強行突破について
リゾート施設内では数十体の魔神がバカンスを楽しんでいるので、強行突破は即ち死です。
魔神との契約
アビスミニオンズは懐から契約書を取り出します。契約書の内容は次の通りです。「〇〇〇〇」にはPC達のパーティ名を入れて下さい。契約書は一部を除き魔法文明語で書かれています。魔法文明語を読めるPCがいない場合は交易共通語で書かれていることにして下さい。
施設利用契約書
冒険者パーティ〇〇〇〇を甲として、株式会社魔界観光開発を乙として、次の通り契約を締結する。
第1条
本契約は、甲が乙の提供する「デーモンのわくわくサマーパーク」(以降、本施設という。)を利用する際のルールを取り決めるものである。本契約は、甲が本施設内に滞在する限りにおいて甲と乙に適用される。
第2条
本施設内の個別のアトラクションに関する取り決めは、アトラクションごとのルールに従う。
第3条
甲が本施設を利用するには1名あたり3,000Gの入場料を乙に支払わなければならない。入場前の支払いが不可の場合、退場時まで支払いを滞納することができる。
第4条
アトラクションが行われている間はアトラクションの安全性と公平性の観点から、甲のうちアトラクションの参加者でない者は、アトラクションの参加者及びアトラクションの会場に干渉してはならない。アトラクションごとのルールで許可されている行為については、この限りではない。
第5条
甲は乙の内アトラクションの参加者ではない者に対して干渉してはならない。また、乙は甲の内アトラクションの参加者ではない者に対して第8条に定める行為を除いて干渉してはならない。
第6条
甲がアトラクションに成功した場合、乙は甲に対してメダルを1枚授与する。メダル1枚辺りの価値は甲が所属する文明において広く流通しており一定の信頼が担保されているところのガメル通貨に換算して約2.000Gであり、メダル1枚をアポカリプティック・チャレンジ挑戦権1回分と引き換えることができ、更に、アポカリプティック・チャレンジ挑戦権と引き換えない場合は本施設の外部に持ち出すことができる。加えて、メダル2枚につきアポカリプティック・チャレンジ挑戦権2回分と引き換えることができる。メダル1枚辺りの価値が甲が所属する文明においてどの程度の信用と価値を持つものであるかについては本契約締結時点の情報に基づくため、将来に渡ってこれを保証しない。甲がメダルを1枚も獲得できない場合、及び、甲がアポカリプティック・チャレンジにおいて〈奈落の核〉を入手できない場合、本施設が営業している限り甲は乙に隷属しなければならない。
第7条
甲のアトラクション参加者がアトラクションに失敗した場合は、乙は甲に対してメダルを授与せず、甲のアトラクション参加者は乙に対して最大HPの10%を支払い、乙は甲に対してメダルを授与しない。
第8条
アトラクションにおいて甲が負傷を負った場合、負傷の深刻度に関わらず乙の魔界医療スタッフによる医療行為を行う。甲の生命の観点から、乙は医療行為を必ず実行する。甲が当該医療行為を妨げることは、これを禁ずる。魔界医療スタッフによる医療行為が行われた場合、甲は乙に感謝の言葉を述べること。
第9条(神紀文明語で書かれている)
饭前一定要洗手和漱口。 为了提高整个社会对疾病的免疫力,每个社会成员都必须牢记这一点。 就算有极少数有才华的药剂师和神父,也无法拯救所有的病人。 人手不够。 因此,公共卫生理念很重要。 提高社会卫生水平可以减少疾病的流行。 即使在个人层面,您也可以通过洗手、清洁家庭、在指定日期处理垃圾等基本努力为社会做出贡献,您可以保持自己的健康。
第10条
甲が第3条〜第8条に違反した場合、甲の代表者1名の最大HPの10%を乙に支払う。
第11条
シーライフに危害を加えた者は「当該シーライフの最大HPの10%」点の確定ダメージを受ける。
施設利用契約書は魔神が用意したものである為、多分に欺瞞が含まれています。PCは契約書を読み込んで欺瞞を見破って下さい。PCは条文を4個まで選んで無効にすることができます。契約書は現実時間で10分以内に読み解かなければなりません。(フレーバーとしては、署名しないまま10分経つと記載内容が変わって初めから読み直しになってしまいます。)
PCは「セージ技能レベル+知力ボーナス」または「デーモンルーラー技能レベル+知力ボーナス」を基準値として、「契約書の致命的な欺瞞」を見破る判定に挑戦できます。目標値は16です。成功すると「契約書の致命的な欺瞞」が公開されます。なお、「プレイヤーが判定なしで自力で見抜いた場合も「契約書の致命的な欺瞞」は公開されます。
契約書の致命的な欺瞞
第4条で乙がアトラクションの参加者に干渉することが禁じられていない。この事実に気づいた場合、第4条を無効にする代わりに以下の内容に変更できる。
第4条(変更後)
乙のうちアトラクションの参加者でない者は、アトラクションの参加者に干渉してはならない。
第9条の訳
食事の前には必ず手洗いとうがいをすること。病気に対する社会全体の免疫力を高めるためには、社会構成員一人一人の心がけが重要なのです。例え一握りの優秀な薬師や神官がいたとしても、彼らだけで全ての病人を救うことはできません。マンパワーが足りないのです。そこで重要になるのが公衆衛生の考え方です。社会の衛生水準を上げることで病気の罹患率を下げるのです。個人レベルでも、うがい手洗い、家庭内の清掃、指定日のゴミ捨てといった基本的な取り組みで社会に貢献でき、自らも健康を維持することができるのです。
第5条の医療行為
ケッククバック(ML195頁)が傷口を塞ぐ名目で【ファイアボルト】を1回使用する。
プレイヤーからの質問について
プレイヤーから質問があった場合、「契約書の致命的な欺瞞」に触れない範囲で可能な限り回答して下さい。以下は想定質問とその回答です。
Q1.第2条について、このタイミングでアトラクションのルールを確認できるか?
A1.アトラクションのルールはまだ確認できない。アトラクションのルールについての検査は、ルールの説明時に行えるので一旦無視して欲しい。
Q2.第6条について、「約2.000G」は「約2,000」の誤植か?
A2.誤植ではない。
Q3.第4条と第5条の「干渉してはならない」とは、視認や声かけなども含まれるのか。
A3.禁止されるのは、直接触れることとゲーム的な効果を及ぼすことのみ。視認と会話は可能。
Q4.第7条や第10条の「最大HPの10%を支払う」とは何か?
A4.最大HPの10%が減少させるという意味。「支払う」という表現からわかる通り、能動的な行動として定義されているため、契約内容を度外視すれば拒否可能。
Q5.第11条の「シーライフ」とは何か。
Q5.海棲生物全般を指す。シーライフに危害を加える可能性のある局面では、対象がシーライフであるか否か確認する術が用意されている。
アトラクションの説明
契約書へのサインが完了すると、アビスミニオンズがアトラクションの説明をします。アトラクションには次の4種目があります。A〜Cは好きな順番で挑戦することができます。クリアしたか否かに関わらず、A〜Cを全て終えると、Dに挑めるようになります。Dの内容はその時まで秘密です。各アトラクションには1回ずつ挑戦できます。
A. スイカ割り:スイカを割る
B. 障害物ビーチフラッグス:ビーチでフラッグを取り合う競走
C. ウミガメのスープ:水平思考クイズ三本勝負
D. 秘密
アトラクションA. スイカ割り
スイカ割りの会場は浜辺です。広いフィールドにスイカがポツンと置かれています。観客の魔神達は美味しそうにスイカを食べています。スイカはPCにも振る舞われます。薬学判定が可能なPCであれば、スイカが無害であることが自動でわかります。
ルール
・30m×30mの平面(以降、フィールドと呼ぶ)のどこかにスイカが配置されているスイカを一撃で割ることができればクリア。
・スイカ割りに挑戦するPCを1名選ぶ。このPCを参加者と呼ぶ。
・参加者の初期位置はフィールド内で、スイカから10m以上離れたランダムな位置となる。
・参加者は自分の位置とスイカの位置を把握することができない。
・参加者は3回だけ移動することができる。
・参加者は1回の移動で、東西南北の何れかの方向に0m〜10mの範囲で移動することができる。0mは移動しないこと意味する。移動中にフィールドの端に到達した場合は、移動が終了する。
・参加者は3回の移動が終了したら、スイカの位置を特定できるかどうか、基準値「冒険者レベル+知力ボーナス」で判定する。これをスイカ座標察知判定と呼ぶ。目標値は「13」。
・スイカ座標察知判定には「参加者とスイカの距離[m]÷2(小数点以下切り上げ)」のペナルティ修正が付く。
・スイカ座標察知判定に成功したら参加者はスイカを割ることができる。どの程度勢いよくスイカを割れるのか、持っている武器の近接攻撃のダメージを算出する。特技の宣言は可能。自動失敗の場合は成功するまで振り直して良い。通常のスイカはHPが1、防護点が0なので、ダメージ算出はほぼフレーバーである。
・参加者以外のPCは参加者に対し、数値を伴わない表現でスイカとの距離と方角を伝えることができる。良い例:スイカはめっちゃ北北東。悪い例:スイカは右10m、上15mの位置。
魔神の悪戯
・契約書の第4条が訂正されていない場合、スイカ座標察知判定の直前にグルネルが参加者に真言魔法【ナップ】を行使する。
・挑戦前にPCがスイカを検めなかった場合、スイカが通常のスイカではなく重装爆裂メロンとなる。重装爆裂メロンはHP10点、防護点10点であり、HPが0以下になるとシャバライめいた赤い飛沫が参加者に飛び散る。赤い飛沫の効果は次の通り。
赤い飛沫/8(15)/生命抵抗力/半減
参加者に「2d+15」点の毒属性の魔法ダメージを与える。参加者は1日の間、生命抵抗力判定と生死判定に-1のペナルティ修正を受ける。
アトラクションB. 障害物ビーチフラッグス
障害物ビーチフラッグスの会場は浜辺です。万国旗(但し全て未知の図案)が掲げられた賑やかなレース場となっています。
ルール
・PC1名と魔神1体が参加する。それぞれ参加者PCと参加者魔神と呼ぶ。
・うつ伏せ後ろ向きの状態でスタートし、20m先の旗を先に獲得した方が勝利。
・参加者はどれだけ早く走れたかを基準値「冒険者レベル+敏捷ボーナス」で行う。これを競走判定と呼ぶ。参加者魔神の競走判定では、基準値に回避力判定の基準値を使用する。
・参加者は競走判定を3回行い、達成値の合計を算出する。競走判定の達成値の合計が大きい方が勝者となる。
・障害物ビーチフラッグスなので、当然のように障害物が2個存在する。
・障害物に適切に対処できない場合、障害物1個につき、競走判定にペナルティ修正が付く。
・参加者魔神はアザービースト(Ⅰ469頁)。
障害物1:大量のウニ、カニ、ヒトデ、ナマコ
大量のウニ、カニ、ヒトデ、ナマコ。無視して走り抜けるなら競走判定にペナルティ修正がつかない代わりに、「2d+冒険者レベル」点の確定ダメージを受け、1日の間精神抵抗力判定に-1のペナルティ修正を受ける。更に、契約書第8条が有効な場合は、追加で「1」点の確定ダメージを受ける。
踏まないように避けるなら競走判定に-5のペナルティ修正。
障害物2:マネキン
ライフセービング訓練用のマネキン。これを担いだ状態でなければ旗を取っても勝者と看做されない。基準値「冒険者レベル+筋力ボーナス」で目標値「冒険者レベル+8」の判定を行う。失敗すると競走判定に-5のペナルティ修正。
魔神の悪戯
・契約書の第3条が訂正されていない場合、障害物2の判定の直前にグルネルが参加者に真言魔法【ナップ】を行使する。
・障害物3が出現する。事前の回避は不可。
・挑戦前にPCがコースを検めなかった場合、障害物4が出現する。
障害物3:ジャイアントギャドフライ
コースの外からジャイアントギャドフライ(Ⅰ450頁)が2体飛来し参加者PCを妨害する。参加者PC以外のPCが1ラウンド以内にジャイアントギャドフライを無力化しなければ、競走判定に-5のペナルティ修正。
障害物4:落とし穴
「2d+冒険者レベル」点の物理ダメージを受け、更に競走判定に-5のペナルティ修正。受け身判定は可能。
アトラクションC. ウミガメのスープ
ウミガメのスープの会場は薄暗いテントの内部です。ウミガメめいたシルエットがスクリーンの奥に浮かび上がります。どうやらこの影の主が出題者のようです。
ルール
・出題者が不可解な状況を提示する。参加者は出題者に対して「はい」か「いいえ」で回答可能な質問をすることができる。参加者は質問を何度も繰り返して状況を絞り込み、どのような状況であったのか言い当てることができれば正解となる。
・PC全員が参加者となる。
・出題者への質問は誰が何回しても良い。
・問題は3問用意されている。
・制限時間は3問合わせて30分。1問でも正解すればクリア。
・正解数と同じ数だけメダルを獲得できる。最大3枚。
問題1:強烈な一撃
問題
女は魔物から強烈な一撃を受けたが気絶せずに持ち堪えた。その後、女は死んだ。何故か?
解答
女は7レベル以上のレンジャーだった。女は魔物からの強烈な一撃でHPが0以下になったが、生死判定に成功して《不屈》が発動したので気絶しなかった。しかし回復手段がなかったため2回目の生死判定を行うことになり、その判定で失敗してしまったのだった。
問題2:名誉なき名誉
問題
男はドレイクバロンを討伐したが、そのことについて誰からも報酬は与えられなかった。何故か?
解答
男は仲間とともに魔剣の迷宮を探索した。その際、迷宮が生成したドレイクバロンを打ち倒したのだった。当然、魔剣の迷宮が生成する魔物に対する討伐依頼は出ていなかったので、ドレイクバロン討伐についての報酬は得られなかったのである。
問題3:俺何かやっちゃいました?
問題
男は魔物の大群に囲まれた為、魔法で魔物を一掃した。しかし仲間からは賞賛されるどころか酷く責め立てられてしまった。何故か?
解答
男はレベル5以上のプリーストであり、仲間とともに遺跡を探索していた。男たちは遺跡内でゴーストと出会った。ゴーストが言うには未練を成就する手伝いをしてくれれば財宝のありかを教えてくれるとのことだったので、男たちはゴーストを同行させることにした。そんな折、男たちは大量のゾンビに囲まれてしまった。そこで男は【ホーリーライト】でゾンビを一掃したが、《魔法制御》を習得していなかったので同行しているゴーストも倒してしまった。財宝を得るチャンスを佚してしまった為、男は仲間から責め立てられることになってしまったのだ。
魔神の悪戯
特にない。肝煎りの企画なので正々堂々やりたいらしい。メタ的にはGMがウミガメのスープを出しながら並行して何らかの妨害をするのは無理なのが理由。
アトラクションD. 武装殺戮ホッケー
PC達がアトラクションA〜Cに全て挑戦し終えると、アトラクションDの名前と詳細が公開され、PC達は挑戦できるようになります。武装殺戮ホッケーの会場はホッケー競技場(本当のホッケー競技場に比べると小さい)です。ウミガメめいた魔神とリクガメめいた魔神のコンビがホッケーのスティックを携えて現れます。ウミガメめいた魔神はウミガメのスープの出題者その人(魔神)のようです。
ルール
・ホッケー競技場で、PC陣営と魔神陣営で戦闘を行う。
・基本戦闘ルールまたは上級戦闘ルールとする。
・戦闘に参加するキャラクターを参加者と呼ぶ。
・相手陣営を全滅させた方が勝ち。
・PC陣営は何人でも参加して良い。
・魔神陣営は「PC人数+1」体の魔神が参加する。内2体はホンチェロとテスチュマカという名の魔人である。
・戦闘開始時のPC陣営と魔神陣営の最短距離は10m。最短距離が10mでさえあれば、どのような陣形でも良い。それぞれの陣営の後方10mの位置にはホッケーのゴールが設置されている。ゴールより後ろには移動できない。
・スポーツデーモンシップに則り、ホンチェロの特殊能力「▶スナップショット」とテスチュマカ特殊能力「▶スラップショット」は魔物知識判定に失敗しても公開される。
・このアトラクションのみ、クリアするとPCにメダルが2枚授与される。
GM向け情報
・魔神陣営の参加者は次の通り:
・ホンチェロ(キャラシへのリンク)×1体
・テスチュマカ(キャラシへのリンク)×1体
・ザルバード(Ⅲ428頁)×1体
・エルビレア・ホッケイスト(キャラシへのリンク)×「PC人数-2」体
・ホンチェロとテスチュマカには剣の欠片が4個ずつ入っています。データは剣の欠片の補正を適用した後のものです。
・ホンチェロ、テスチュマカ、エルビレア・ホッケイストの初期位置はPC陣営との距離が10mの位置、ザルバードの初期位置はホンチェロ達の5m後方。
・ホンチェロとエルビレア・ホッケイストはシーライフとして扱われる為、これらの魔物にダメージや不利な効果を与えたキャラクターには直ちに契約書第11条が適用されます。
・ホンチェロとテスチュマカは1ラウンド毎に交互に「▶スナップショット」または「▶スラップショット」を使用します。
・ザルバードはラーリス信仰です。神聖魔法で味方の魔神を支援します。【ヴァイス・ウェポン】、【ヴァイス・シールド】、【デフネス】辺りを使用すると良いでしょう。MPが尽きたら乱戦エリアに入り近接攻撃や「炎の息吹」で攻撃します。
・エルビレア・ホッケイストは回避力が低いPCを集中的に狙って攻撃します。
魔神の悪戯
・契約書の第3条が訂正されていない場合、魔神陣営の手番の最初に場外からグルネルがランダムなPCに真言魔法【ナップ】を行使する。射程と遮蔽はなんやかんやで克服しているので考慮しない。
サタニック・スラム
全てのアトラクションをクリアすると賞品としてPCにメダルが追加で2枚授与されます。
アポカリプティック・チャレンジ
全てのアトラクションを終えたPC達に対し、アビスミニオンズは問いかけます。
アビスミニオンズ「お疲れ様でした。全てのアトラクションを終えましたね。楽しんでいただけましたか? これまでに手に入れたメダルを使ってアポカリプティック・チャレンジに挑戦することができます。勿論、アポカリプティック・チャレンジに使わずメダルのまま元の世界に持ち帰っていただいても構いません。さあ、どうしますか?」
ルール
・メダル1個につき1回のルーレットに挑戦できる。
・ルーレットはA、G、Tの3種類が存在する。1回ごとにどのルーレットに挑戦するか選択できる。
・ルーレットの出目に対して、[剣の加護/運命変転]を使用できる。
ルーレットA
2d6を振って4以上が出れば〈奈落の核〉を入手、3以下が出ればハズレ。1回でもアビスコアを入手したら、このルーレットには挑戦できなくなる。このルーレットだけは、メダルの代わりに2,000Gを支払うことでも挑戦できる。お金が足りない場合は魔神から借金できる。この借金は〈奈落の核〉を破壊して元の世界に帰還しても踏み倒せず、不思議な力で収入から天引きされる。
ルーレットG
300Gの銀貨袋を2d6個入手。
ルーレットT
ET62頁のトレジャードロップ表Bを使用する。エピックトレジャリー未所持の場合は、2,000G相当のアイテムをGMが適当に選ぶ。
エンディング
〈奈落の核〉を破壊すると〈奈落のかけら〉×7個を入手できます。PC達が元の世界に帰還しようとすると、アビスミニオンズをはじめとした「デーモンのわくわくサマーパーク」のキャスト達が見送ってくれます。
アビスミニオンズ「当リゾートがゲストの皆さんの世界と再び繋がることがあれば、またお越しくださいね!」
元の世界に帰還すると美しい浜辺が目の前に広がっています。“奈落の魔域”は完全に消滅しています。PC達より先に“奈落の魔域”に挑み行方不明となっていた冒険者たちは砂に埋まったり、海水に浸かったり、木にぶら下がったりしています。助けてあげれば今夜の夕食くらいは奢ってくれるかもしれませんね。
経験点と報酬
経験点:1,000点+倒した魔物ぶん+1ゾロ
報酬:1,000G+アポカリプティック・チャンス+魔物からの戦利品
〈剣の欠片〉:8個
〈奈落のかけら〉:7個
※障害物ビーチフラッグスをクリアしている場合、アザービースト×1とジャイアントギャドフライ×2は倒した扱いとする。
あとがき
以前からやりたいなあ、と思っていた要素を全部突っ込んだ結果このようなシナリオができました。
やってみたかったこと
・ソード・ワールド2.5世界ならではのウミガメのスープ
・罠だらけの魔神との契約
・某フレンドパークⅡ
プレイヤーたちも契約書の穴を突いてあれこれ悪辣な提案をしてくると思います。プレイヤーの方がGMより鬼や悪魔に近い思考回路を持っていますからね。それらの提案は極力採用しましょう。だって契約書に書かれていないのですから。
ちなみに本シナリオは「鰻卓クソシナリオ Advent Calendar 2020」で予告していたシナリオです。
以上
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