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紹介:実践型グリーン・リスキリング講座(欧州の脱炭素・ESG関連規制から学ぶ、日本の産業強化編)

あけましておめでとうございます。本年も何卒よろしくお願いいたします。
早速ですが、私も登壇させていただくセミナー「実践型グリーン・リスキリング講座」を紹介させて下さい。

講座の概要

この講座では4回に分けて、EUの産業界が注目するサステナビリティやSDGs関連のトピックとして以下を取り上げます。

  • フードテック

  • ファッションと素材産業

  • スマートシティ

  • サプライチェーン

これらに関連してEU内で起こりつつある変化はどのようなものでしょうか?
スタートアップのエコシステム、公器としての都市インフラ、産業を強化する政策の観点から多角的に掘り下げていきます。
この講座では、スタートアップとの協業や彼らへの投資を目指す民間の方だけでなく、スタートアップを招致して、地域の持続可能性を向上させたい自治体の方にもその方法論をお伝えします。

EUは14兆5000億ユーロ(2210兆円)の非常に大きな市場です。さらに人口4億4000万人を抱えており、その人口は少なくとも2030年頃までは増える見込みとなっています。

https://ec.europa.eu/eurostat/statistics-explained/index.php?oldid=497115#Population_projections

EU市場の魅力は、成熟した消費者と旺盛な購買力がミックスされていることです。他方で、高齢化も進み、日本と同じような社会課題を抱えている地域でもあります。

EUは環境政策「グリーンディール」などで、世界の持続可能性や脱炭素への取り組みをリードする役割を自任する一方で、これらの規制を巧みにEU域内産業と経済の強化に活かそうとしています。
例えばドイツは、サーキュラーエコノミーとインダストリー4.0(高度にデジタル化された製造業)を戦略的に組み合わせつつ、域内のサプライチェーンを再構築しようとしています。さらに、これらの取り組みはEUのエネルギー安全保障にも関わっており、重要性は増しつつあります。
EUが先導するサーキュラーエコノミーは、2030年までに世界で4.5兆ドル(アクセンチュア調べ)、EUだけでも1兆8000億ユーロに成長すると言われます(マッキンゼー調べ)。
サーキュラーエコノミーは直訳すると循環型社会となりますが、原材料をリサイクルするにとどまらない、サブスクリプションなどの幅広いビジネス機会を提供します。
それだけではなく、EUの規制を意識せずに商売することはビジネス機会を逃すだけでなく、現在の顧客を失うリスクすらあります。今回の連続講座でとりあげるトピックは、中でもホットで変化が激しい分野とされるものです。

講座紹介

講師紹介

講師は前半2回をCrossbieの山本さんが、後半2回をUmwerlinの西村が務めます。

山本さんは、日本では自治体のスタートアップ国際展開支援プログラムを数多く支援しており、ベルリンではベルリン発スタートアップのアジア進出の中心的人材で、非常に幅広いネットワークを持っています。今回はその中からフードテックとアパレルを取り上げていただきます。

西村は、エネルギーを中心に10年以上、ドイツ、EUの制度をつぶさに見てきました。今回はスマートシティとサプライチェーン管理についてEUの将来像をお話します。

講座内容

講座は全4回で、基本的には毎回1つの産業と、1つのビジネステーマを取り上げます。

第1回は、フードテックと、欧州スタートアップシーンにおけるパートナーシップの重要性をお話します。スタートアップの成功には現地のコミュニティやネットワークに参観することが欠かせません。では、具体的にどのような方法で現地に溶け込むことができるのでしょうか。

第2回は、ファッションと資金調達を取り上げます。ファッションはカーボンフットプリントが大きく、リニアな製造業として近年批判的な観点から転換が求められる産業です。しかし、製造業中心の構造から、どうしても多額の初期投資が必要になりがちで、スタートアップにとっては難しい業界でもあります。そこで、EUではスタートアップにどのような資金調達の機会があるのかをお伝えします。

第3回は、スマートシティと公共インフラをとりあげます。少子高齢化に直面する欧州では、効率的な都市運営が欠かせません。そこでスマートシティが注目されています。しかし、その実践者がGAFAなどに限定されては貴重な資源である資金や情報がアメリカの大企業に握られてしまう懸念があります。そこで、EUではこのような課題にどのように対応しようとしているのか。公共の福祉の担い手であるインフラを中心に取り上げます。

第4回はサプライチェーンと域内競争力の強化です。EUはこの数年サプライチェーンにかかわる規制を改革しながら、域内サプライチェーンの強化だけでなく、規制を通じて世界のサプライチェーンに影響力を行使しようとしています。これは、非現実的な行き過ぎた環境主義と見ていればよいのでしょうか?今回はこのようなサプライチェーン規制を競争力強化の観点から見つめ直してみます。

期待される成果

今回のセミナーは4回が1つの流れを作っています。

現地に溶け込む→現地で資金を獲得しビジネス基盤を構築する→社会貢献とビジネスを両立する→規制を理解しビジネス機会を拡大する

この4つの流れを理解することは、EUの2210兆円市場を知るだけでなく、世界のビジネスシーンを先取りすることにも繋がります。
公共団体の皆さんにとっては、どのような政策が地域を持続可能で効率的な社会に変えていく原動力になるのかを理解する手助けとなるでしょう。
民間で働く方にとっては、自社のビジネスモデルを棚卸しし、効率的に新しいビジネスモデルを検討し、スタートアップとの協業について考える手助けになると考えます。

このように、SDGsの取り組みを単なる負担増ではなく、競争力向上へつなげるヒントを獲得していただくことが、この連続講座の目的です。

また、自社の取り組みを、EUにいる消費者や投資家に刺さる形にするにはどのようなイメージの構築が必要かについてのヒントも得られると思います。

例えば、ドイツのシュタットベルケにはこのエネルギー危機において、再エネへの投資を通じてしたたかに稼ぎながら、地域を担うインフラ企業としての投資を実行し、収益を確保しながら地域貢献を高めている企業もあります。
エネルギーを電力、熱、交通のより大きなシステムとして見つめ直すと地域はどう映るのか?具体的なシュタットベルケの事例を通じてお伝えします。

セミナーはすべてオンライン開催となりますが、講師も参加する形での懇親会も検討しています。興味関心を同じくする方たちのネットワーク構築をぜひここで行って下さい。

講座詳細

講座は1月25日から隔週で4回、最後は3月3日になります。
開催時間は前半2回が夕方17時から、後半2回が16時からとなっています。
参加料金は全4回分で10万円(税別)となっており、4回連続参加が可能な方を対象としています(見逃し配信も期間限定で行う予定です)。

申込み方法の詳細は以下の申込みフォームからご確認下さい。

最後に

日本では欧米と一括りされがちですし、昨今ではいわゆる「西側」という1つの価値観でまとまっているような印象を持たれがちですが、政治制度や生活様式、市場構造はアメリカと欧州は異なり、またEUの加盟国間でも大きく異なります。
今回は、EU独自の視点、市場構造、消費者意識を理解していただくことが目的です。
グリーンタレントハブには、アメリカの専門家による講座もありますが、アメリカとヨーロッパは似て非なるものです。
ぜひEUを理解し、制度を活かしてビジネス機会を拡大するという独特の思考方法に触れてみて下さい。

最後に講座紹介の動画です。こちらもぜひご覧下さい。


ありがとうございます!