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IRND はなぜ必要なのか? デジタルカメラの赤外線汚染のしくみ

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赤外線をカットしないと、映像にどんな変化が起こるのか?この記事では、デジタルカメラで起こる色かぶり「赤外線汚染(IR Pollution)」のしくみと、それを理解するための基礎知識を紹介していきます。


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1. 赤外線汚染  IR Pollution

赤外線汚染(IR Pollution)というのは「赤外線の影響によりデジタルカメラの映像で起こる色ずれ」を意味する用語で、具体的には黒など映像のシャドウ部に赤みが発生するものです。IR contamination とも表現されますが、この動画では Aputure 代表のテッド・シム氏が、その問題点をわかりやすく解説しています。

スクリーンショット 2021-03-17 21.59.54
Why Filmmakers Should Worry About Inrared Light - Indy Mogul

最近のデジタルシネマカメラのほとんどは、この赤外線をカットするフィルターを内蔵(built-in)していますが、動画内ではその対応機種に関して以下のように紹介しています。

〇 内蔵 IR フィルターのある機種
ARRI Alexa Mini
RED DRAGON
Canon EOS6D Mark II

✖️ 内蔵 IR フィルターのない機種
BMPCC 6K
RED EPIC(2011)

また他の動画では、可変 ND との組み合わせによる赤外線汚染のテストを紹介してるものもあります。YouTube 動画の投稿を見るかぎり、BMPCC や初期の RED Digital Cinema のカメラに関するものが多い印象です。


2. 赤外線とは?紫外線とは?

この世界には、人間の目に見える光と見えない光があります。目に見える光のことを 可視光線Visible Light)と呼びます。光の色はその波長により変わりますが、可視光線の波長の帯域は 380nm〜780nm とされています。

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最も波長が長いのが赤色(625〜780nm)で、その外側には 赤外線IR)という電磁波があります。また最も波長が短いのが紫色(380〜450nm)で、その外側には 紫外線UV)という電磁波が存在します。この赤外線や紫外線は、どんな光に含まれているのか?

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