赤外線対策フィルターまとめ
日本製のカメラはなぜ IR 汚染が起きないのか? 映像の “色” にこだわるなら覚えておきたい光学ローパスフィルター(OLPF)、赤外線対策フィルターに関する情報をまとめていきます。
1. 光学ローパスフィルター OLPF とは?
デジタルカメラ、とりわけ動画用カメラの CMOS イメージセンサーの前には、光学ローパスフィルター(OLPF)というフィルターが取り付けられています。このフィルターは別名 Anti Aliasing Filter、Blur Filter とも呼ばれており、映像をあえてボカす機能がありますが、一体何のために必要なのか?
そのおもな役割は、以下の3つとされています。
❶ モアレを防ぐ
ストライプの服など、映像のなかで細かい線が密集すると “うねうねしたしま模様” が発生することがあります。その現象を モアレ(Moire)と呼びますが、OLPF にはこのモアレの原因となる高周波成分を緩和する役割があります。
❷ 擬色を防ぐ
OLPF のもうひとつの役割に 偽色(False Color)を防ぐ、というものもあります。偽色というのはモアレと同じく、細かい模様に対して発生する “虹色など本来あるはずのない色” のことを意味します。これはストライプ柄など模様の細かさが、イメージセンサーの画素の並びより細かい場合に起こるとされており、OLPF により緩和できるとされています。
❸ 赤外線、紫外線をカットする
カメラによっては、OLPF 自体に赤外線や紫外線をカットするコーティングがされていたり、OLPF の前に独立した機構として IR・UV カットフィルターが取り付けられている場合もあるようです。
そもそも IR 汚染の問題は、デジタルシネマ・カメラの誕生により、カメラの ISO 感度が高くなり、これまでにない濃い ND フィルターが使われるようになった 2008 年頃に表面化しはじめた問題です。
とりわけ初期の RED Digital Cinema のカメラは IR 対策が弱く、IR 汚染を避けるために、屋外撮影では外付けの IRND フィルターの使用がマストでしたが、RED はその後、この問題を光学ローパスフィルターで解決していきます。
2. RED Digital Cinema 社の OLPF まとめ
RED Digital Cinema は撮影環境に応じて、自由に取り替えられる光学ローパスフィルターをリリースしていますが、DSMC2 センサー用のものをリスト化すると、以下のようになります。
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