分光スペクトルを極める
光の色のよしあしを判断するには? LED ライトを評価する上で重要なポイントとなる、分光スペクトルの基礎知識をまとめていきます。
1. 演色性を理解するためのポイントは?
どれだけ色を忠実に再現できるか?光の色を評価する用語に “演色性” というものがありますが、この演色性を理解する上で、押さえておきたいポイントが3つあります。
この記事では、演色性の説明でたびたび登場する、黒体放射、相関色温度など基礎用語の解説をしたあとに、メインテーマとなる 分光スペクトル に関して掘り下げていきたいと思います。
2. 黒体放射
演色性の話でよく出てくる用語に 黒体放射(blackbody radiation)というものがあります。
たとえば白熱電球のように、物質は温度が上がると熱放射により光を放ちます。その光の色は、温度が上がるとどんどん変化していきますが、その色を数値化したものを 色温度 と呼びます。単位は K(ケルビン)で、撮影ではホワイトバランスの数値などで使われるものになります。
この熱放射の現象を数値化すべく、物理学的には想像上の物質 X(黒体)というものを仮定して計算をすることから、黒体が熱放射で生み出す光のことを 黒体放射 と呼ぶようです。すこし難解な感じがしますが、撮影用語としては、ざっくり “自然現象による発光” を意味するものと理解しておくのがよさそうです。
3. 相関色温度
相関色温度(Correlative Color Temprature)というのもよく出てくる用語ですが、一般的な色温度とは何がどう違うのか?
黒体放射の説明で “色温度” というキーワードがありましたが、この色温度は厳密には、黒体放射(自然現象)による光の色のことを指します。
一方、最近では LED など物質が高温になることなく発光する光もありますが、そういった人工的な光の色を意味する用語としてあるのが、この 相関色温度(CCT)というものです。この CCT の数値には、黒体放射の色温度に最も近いものが当てられます。
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