ARRI シネレンズの基礎知識
45 年前のレンズが世界 2 位?クラシックレンズの流行で評価が高まる Super Speed、Ultra Prime から LF 対応の最新モデル Signature Prime まで、数々の名作が並ぶ ARRI のレンズの基礎知識を紹介していきます。
1. ARRI のレンズ開発のはじまり
映画情報サイト IndieWire による、ここ数年間のおもな国際映画際の上映作品で使用されたレンズの統計を見てみると、ランキングの上位に ARRI 社のレンズが数多く並んでいることが分かります。
ARRI のレンズは、なんでそんなに人気があるのか? この記事では、ARRI 社の 100 年の歴史を辿りながら、そのおもなモデルを紹介していきたいと思います。
ARRI のシネレンズは、世界最大のレンズメーカー Carl Zeiss と共同で開発されていますが、その歴史は ARRI のフィルム・カメラ Arriflex 35 が開発された 1937 年からはじまります。
2. Standard Speed Prime
ARRI / ZEISS が製造した初期のモデルとして有名なのが、1964 年頃に開発された Standard Speed シリーズです。
この Standard Speed は、開放値が T2.1 で、10mm から 300mm まで 15 本の豊富なラインナップがあります。また製造時期により、ARRI-S マウントを採用した初期型の MK-I、PL マウントを採用した MK-II の 2 種類のモデルがあり、一部のレンズでは絞り羽根の構造により、ボケが三角形になる ものもあります。
3. Super Speed Prime
世界で最も有名で、業界標準のシネレンズとして知られているのが、1975 年に誕生した Super Speed シリーズです。
ここから先は
¥ 250 (数量限定:残り 9 / 10)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?