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ショートケーキと矛盾の話

わたしの中には、年相応の女性とやんちゃ坊主が共存している。

……と言うのは一種のたとえ話だ。

出来れば変化なく
このまま穏やかな暮らしをしたいと願う一方で
つまらない現状を変えたくてそわそわした一面も見え隠れしている。

並べてみると、強烈な矛盾としかおもえないだろう。
けれど、どちらもわたしであることには違いない。

わたしは 関わる人々によって、かなりキャラが変わる。
ひたすら聞き役に徹して、穏やかに雅な女性になれる(と自分で言っては世話がない)。
一方で、敢えて空気を読まない、最高にふざけたキャラにもなれる。
他にも別の顔がある。

けれど決して、わたしだけが特別ということではなく
誰しもが、何かしら相反する想いを抱えているのではないか。

遊びたい。けれど仕事しなきゃ。
ダイエット。クリームたっぷりショートケーキ食べたい。
と言う具合に。

きっと人それぞれに、違う一面は存在しているだろう。
種類は違えども。

なのに、認められなくて
やみくもに自分を責める人はかなり多い。
中でも目につくのが
怠け心を抑え込む努力をしてしまう人。
客観的に見ていて感じる。
たぶん先に、怠けたい気持ちを認めないと
あとから自分自身が苦しくなってしまうのに。

しかしながら
わたしも遥か昔を思い返しては
「やってしまったあの時の過ちが云々」
とのたうち回ることがあるので
あまり人のことは言えない。
故に、その心情はわずかながらも理解出来ているつもりだ。

たとえば
「あの時食べてしまったショートケーキ、せめていちごだけにしておけば」
なんて口にすれば、たいていの人たちは
「大差ないじゃん!」
と言うかもしれない。
当事者からしたら
その後の人生を揺るがす大問題なのに。

深刻に捉えるか
取るに足らないことと受け流すか

人それぞれ考え方が違う以上、正しい答えはない。
自身の中ですら、考えることはばらばらなのに
日本だけでも約1億2千万人いるという皆々様の答えなど
到底一致させることは出来ないだろう。

ただ、凝り固まった思い込みを手放すことで
新しいことに気がつくことがあるかもしれない
とは感じる。

人それぞれ、最適なタイミングで気がつく日が来るのだろう。

わたしもかつて悩んでいたことがあるから
つい、教えたくなることがある。
「苦しんでたって仕方がないからさ」
なんて、先輩ぶってしまいたい気持ちもある。

けれども忘れてはいけない。

今現在、迷って悩み、苦しんでいる時間こそ
当人がすすんで選択した道かもしれないということ。

苦しまずに済むならばそれに越したことはないけれど
今は納得する為に
敢えて無意識に、苦しい道を選んでいるのかもしれないということ。

だから、ひとまずの荒波を越えてきたわたしに出来ることと言えば
たぶん、苦しみから這い出てきた人たちを、笑顔で迎え入れること。

両手を広げつつ
「おつかれ」
などと労うことなのかもしれない。

もちろん、その時は
忘れずに美味しいケーキも用意しないとね。

#コラム #エッセイ #ささやかな主張

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画像出典
http://weheartit.com/s/Q9J0n9Oz

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