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【EDH】統率者戦ブラケットを使ってみた。【初学者との対戦】

先日、統率者戦フォーマット委員会からブラケットのベータテストの発表がありました。今回はEDH初学者との対戦前のレベル調整(いわゆるレベル0)でブラケットを使ってみて「とても楽しい対戦ができた!」という話になります。

経緯

個人的な友人を統率者戦に誘ったら、なんと自分でデッキを組んでくれました!そこでメンバーを集め、オンラインの対戦会を楽しむことになりましたっ。その際に「ブラケットが発表され、対戦の事前調整に組み込んだ」というのが経緯です。


メンバー

初学者Gy:2回目の統率者戦。TCGの経験は豊富なので、初心者ではなく初学者とした。ティミー寄りのプレイヤーで対戦の楽しさを重視している。ハムスター大好き。
識者Gl:統率者戦の猛者。周りと温度感を合わせられるくらい成熟した上級者。いつも楽しく揉んでいただいて頂いて、頭が上がらない。
弟者:この記事の作者の弟。兄によりTCGを教え込まれて早30年くらい。統率者戦も嗜むが経験自体は多くない。最近はデュエマに熱が入る。
うもん:この記事の作者。30年くらいいろんなTCGを転々と遊んでいる。デッキビルドが大好き。統率者戦に最後のユートピアを見た。

対戦準備の話

デッキ構築について初学者Gyから相談を受け、3か月間くらいかけてGyがデッキを組み立てました。Gyはその最中でパックを向き、運よく「一つの指輪」を引いたりしました(スゲェ!)。
統率者は「悪名高い残虐爪」。フェレットな見た目とガチャ要素が楽しい、かわかっこいいナイスガイ。ちなみにEDHRecや既存デッキを参考に情報収集して進めました(最近はよいサイトが増えましたね)

その後、デッキ構築が終わり、善は急げでメンバーを集め、予定ができたところで、衝撃のブラケット発表がありました。

ファーストインプレッション
「これって……けっこう良いのでは!?」
早速、識者Glにブラケット2での対戦を持ち掛け、合意を得ました。そのさい初学者Gyの「一つの指輪をOK」にするかを相談。

結論として
① 本人が使いたいならOKにする
② 初戦はブラケット2
③ 2戦目以降は、雰囲気をみてブラケット3を試すのもありかも?
という感じ。
(ここには「ブラケット2の楽しさ」と「ブラケット3の速度感」を体感して欲しいという気持ちがありました)

その後、初学者Gyと弟者にこれを伝え、合意。Gyが快く合意してくれたので、初戦は「ゲームチェンジャーなし」となり、Gyは「一つの指輪」と「ボーラスの城塞」を外してゲームに参加してくれました。またゲームスピードについてもブラケット2の資料を使って説明し、ゲーム感を事前共有しやすかったと感じました。

初戦:ブラケット2

1戦目は、9~11ターンくらいのロングゲームで2時間半くらいでした。
概要はこんな感じ。

統率者

初学者Gy: 悪名高い残虐爪(赤黒)
識者Gl: 華やかな支配者、テイサ(白黒)
弟者: レオナルド・ダ・ヴィンチ(青単)
うもん: 去りし栄光、ザフール(白黒)

1戦目のコマンダーたち

「悪名高い残虐爪」は、山札の上からランダムに呪文を踏み倒すコマンダー。全体的に似たようなガチャカードが採用され、ガチャでガチャを回し、最終的にファッティで攻めあがるのが狙い。

「華やかな支配者、テイサ」は、毎ターン手がかりとスピリットトークンを生成するコマンダー。単体でアドバンテージを埋める効果で、スピリットを壁に生存能力にも長ける。

「レオナルド・ダ・ヴィンチ」は、アーティファクトのマナ踏み倒しとフィニッシュのための攻撃力上昇効果を内蔵した強力なコマンダー。高コストのアーティファクト踏み倒し、パワーで戦場を掌握する。

「去りし栄光、ザフール」は、小規模なサクリ台とゾンビトークンの生成を内蔵したコマンダー。墓地経由でクリーチャーを往復させることで横並びに展開する。

序盤

ダヴィンチが強カードを踏み倒し連打、暴れようとするのをザフールが牽制。残虐爪はマナ加速を繰り返し、ビッグマナ域に到達。

中盤

テイサが盤を整え、他3人がライフレースで若干不利に。盤面の量でダヴィンチが押し込まれつつ、残虐爪はアドを生むファッティや置物を複数展開。その後、ザフールが大量のライフドレイン、テイサが削られ、ダヴィンチと残虐爪がライフが危険域に到達。

終盤

テイサが全除去を放ち、盤が崩れる。全員が盤の再構築を試み、マナと手札の多い残虐爪が物量を展開。その後、連続攻撃カードで残虐爪がダヴィンチとザフールを撃破するが、ダメージ軽減呪文でテイサが生存する。返しのターンで装備品の大火力でテイサが残虐爪を陥落。テイサの勝利。

試合の感想

対戦の速度感は想定通りで、おおむねブラケット2に相当する対戦が楽しめましたと思います。試合中にゲームチェンジャー・リストのカードが飛んでこない事は慣れたプレイヤーにとっても一定の安心感があり、素直に楽しいゲーム体験ができた印象です。慣れたプレイヤーですらこの体感なので、不安の多い初心者にとってブラケット2ルール(ゲームチェンジャーの排除・土地の全否定付加・追加ターンのチェーン取得付加)の適用は大きな安心感となりそうです。

初学者Gyも、惜しくも勝利を逃しましたが、デッキ内に多く採用したガチャカード(ランダム性の高い踏み倒しカード)を有効に使って勝利に食らいつくことができて、満足感のある試合ができた雰囲気でした。加えて、自分の構築したデッキがちゃんと戦えたことも喜んでいて、かなり好評な印象でした。

2戦目:ブラケット3

2戦目は、ブラケット3で、7~8ターンの早めのミドルゲーム(1時間くらい)の対戦でした。ブラケット3を提案したのは以下の理由から。
① 残り時間が少なかったので、試合を短くしたかった
② 初学者Gyが手に入れた、ゲームチェンジャー(一つの指輪やボーラスの城塞)を使わせてあげたかった
③ 初学者Gyにブラケット3のゲームスピードを味わってほしかった

統率者

初学者Gy: 悪名高い残虐爪(赤黒)
識者Gl: 華やかな支配者、テイサ(白黒)
弟者: 光明の不可思議、タヤム(白黒緑)
うもん: 眠れぬ亡霊、ミレシント(青白)

2戦目のコマンダーたち

「悪名高い残虐爪」と「華やかな支配者、テイサ」はそのままなので、一部のゲームチェンジャーが採用されたこと以外はブラケット2相当です。

「光明の不可思議、タヤム」は、3マナ以下のパーマネントを墓地からリアニメイトする能力。置物除去を多く採用し、コントロール的な動きを強めた構築。

「眠れぬ亡霊、ミレシント」は、スピリットが攻撃を通すごとにスピリットを生成できるスピリットのロード。往年のスピリットデッキをコマンダーで使いたかったうもんが丹精込めて作ったので、モダンやパイオニアのスピリットに近しい挙動で戦っていく。

序盤

1/1スピリットに好奇心をつけて、2ターン目からドローを開始。4ターン目にタッサの二股槍をプレイし、さらにドロー加速。その後、タヤムが沈黙のオーラを場に落とし、アーティファクト・エンチャントに課税。
テイサは、イーオスのレインジャーからオセロットの大群などを展開し、トークン生成を開始しつつ、ミレシントの好奇心付きスピリットを除去してドローを牽制。
残虐爪はコマンダーに二段攻撃を付けてガチャ。背くもの、エインシャントカッパードラゴンが同時に着地する上振れを見せ、戦国時代へ突入。

中盤

ミレシントが3体のスピリットを抱えた状態でコマンダーを着地させ、スピリットトークンの増殖&ロードでの強化で戦闘態勢に突入。残虐爪は背くものでミレシントへ攻撃を連打してスピリットトークンを減らしつつ、エインシャント・カッパー・ドラゴンで空が通るタヤムを攻撃して宝物を増やす。残虐爪は下振れ気味で、盤に影響なし。テイサは二股槍を破壊し、残虐爪を通すプレイングなどで共同戦線を試みる。タヤムも場にカードを展開するが、思うように除去が引けずもどかしい状況。

終盤

残虐爪から峰の恐怖が着地。火力でミレシントのドラグスコルの隊長の破壊をここり見るが、場の狂信的な献身で捌かれる。その後、ミレシントがエンドに密教の天啓で4体のスピリットトークンを生成、メインでサイクロンの裂け目を超過コストでプレイ、スピリット全軍で残虐爪とテイサを攻撃。テイサがダメージ軽減呪文を唱えるが、ミレシントが激情の貢献でカウンターし、テイサと残虐爪が脱落。
残るタヤムも返すターンで陥落。ミレシントの勝利。

試合の感想

対戦の速度感はおおむね想定通りで、ブラケット3かつ比較的はやめに決着した試合という印象でした。試合を決定付けたのはゲームチェンジャー・リストの2枚(サイクロンの裂け目と激情の貢献)であり、やはりゲームチェンジャーの枚数が制限されることには大きな価値があるように感じましたね。

初学者Gyもブラケット3のスピード感を体感して楽しみつつ、一方で自分のデッキレベルがブラケット2に合っているように体感できた様子でした。

感想:対戦調整の場にて、ブラケットはたいへん有効に機能した。

実際にブラケットを使って対戦調整した結果、いくつかの発見がありました。

① ゲームスピード感やキルターンのイメージを共有できた

事前にゲームスピードやキルターンのイメージを共有できたことで、自分のデッキが「ブラケット2に入るデッキ」か「ブラケット3のデッキ」かを持ち主が事前判断できました。これにより初学者との対戦に使われるデッキが一段階マイルドになり、これまでレベル5~6で行われた対戦についても総合的な満足感が上がった印象でした。
これはデッキを複数持っているようなプレイヤーが対戦する際に、全体で楽しみたい対戦レベルを調整するのに役立つように実感しました。

② 試合のゲームスピードについて調整するのに便利だった

今回、ブラケット2の試合とブラケット3の試合を楽しみましたが、2戦目でゲームスピードが速くなることを伝えるのに「ブラケット3」という名前があるのが大変便利でした。
今回のように初学者に一段上のブラケットに参加してもらう際に、「背伸びしてる事を伝えること」や「ゲームチェンジャーというパワーカードがONになるレベル」と伝えるのがとてもスムーズになり、これはブラケットシステムが効果を発揮したと感じました。

③ ゲームチェンジャーが飛んでこない安心感がすごい

1戦目のブラケット2の対戦にて「ゲームチェンジャーが飛んでこない」という事に強い安心感を感じました。統率者戦に慣れた人間がこれを感じるので、初学者に対するゲームチェンジャーの存在感は相当大きいと思いました。
そういう意味でゲームチェンジャーを管理するブラケットシステムは初学者の心理的な救済として機能しそうに感じます。

④ ゲーム時間を調整するのにブラケットシステムは便利だった

1戦目では、ブラケット2での対戦で2時間半の時間を使ってしまい、2戦目を同じように進めるのは難しく感じました。そこで2戦目をブラケット3にすることで、早期にゲームが決着し、全員が快適かつ満足を得ることができました。
つまり、ブラケットを使うことで対戦時間を事前に調整できて、この点がとても便利だなと感じました。

⑤ 初学者が自分にあったブラケットを見つけることができた

今回、たった2戦の対戦で初学者が「ブラケット2が自分に適切である」と感じることができました。これは他の場での対戦や、大会への参加のために大きな意味を持つように感じます。

〆「ブラケットを使った対戦…良かったよ!」

ブラケットを使った対戦が良かったよ!と、実体験の感想を述べることに意義を感じたので記事を作成してみました。統率者戦を楽しむ人の試金石にこの記事がなれば幸いです♪ 以上!

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