誰にも言えない恋愛古典落語
数週間前から急速に接近して、LINEが続いて、びっくりするほど気が合って、話していて楽しくなる。
電話とかもしちゃう。こんなの恋人?ってたまに思う。
二人で飲もうよ、と誘われる。
二人っきりか、と内心ドキドキして、受け入れていいものか迷いながら、平然を装っていいよという。
よく考えたら二人っきりになれるのはうれしい。無心で楽しもうと決める。
当日はおしゃれしすぎないで、香水とかベースメイクとか主張しすぎない部分で女性らしさを出す。
相手は、いつも通りの恰好に髪型。なんだ、そういう会じゃないよね。
飲み放題のお店に行く。私はお酒が弱いのに、別の店を提案出来ずに流される。
緊張を崩したい、一緒にお酒を楽しみたい、そんな気持ちで相手に合わせてハイペースでお酒を飲む。
楽しい。会話がめちゃくちゃ盛り上がる。
高揚した相手の顔がいつも以上にかっこよく見える。
こんな空間に二人でいれるなんて幸せすぎて、饒舌になる。
舌が回らなくなってくる。
でもお酒が止まらない。
トイレとオーダーを何度か挟んでいるうちに時間経過がわからなくなる。
意識ももうろうとする。
手を握ったり肩に触れたり少しずつボディータッチが始まる。
相手の顔が迫ってくる。あれ?キスだ。わぁ好き。
ーーー
素面に戻る。
壊れた関係が二度と元に戻らないと悟る。
虚無。
死にたいです。
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