相対共感覚
仕事で行った駅の女子トイレでず~~~~~~~~っと幻想即興曲が流れていて、
「クラシックを流すことでオシャレで落ち着く空間を演出ってか?
だとしたら選曲を誤り過ぎだぜ」
などと思っていたのだけれど、
家に帰って
「わざと不安になる曲を流すことで個室に長居させない作戦」
だと気づいた。
実際かなり大きなターミナル駅ということもあって朝から女子トイレは長蛇の列だったけど、
回転率はかなり良く、5分も待たないうちにすぐ用を足すことができた。
(それすら待ちきれないせっかちなおばさんが「まさか個室でメイクでもしてるんじゃあないでしょうね!?」「いやあねえ」などとこれ見よがしに大声で会話していたが、まあそれはそれ)
ショパンの話。
よく「音に色がついて見える」なんていういわゆる「共感覚」といわれる能力の話を耳にするけれど、
私の場合は(というより子供の頃音楽を習っていた人のほとんどが)完全に刷り込みによる共感覚を身に着けている。
私の通っていた教室の場合は
ド:赤
レ:黄
ミ:緑
ファ:橙
ソ:青
ラ:紫
シ:白
だったので、ショパンと言えば私の中で「紫」と「オレンジ」のイメージが強い。
中学までは周りにピアノを習っている子はあまりいなくて、それゆえにこの色分けは世界のスタンダードだと思い込んでいたので、
入学した先のお嬢様校でかなりのカルチャーショックを受けた。
なんか「ソ:紫」とか習った人もいた。
私が習った色分けは一応「ソは空色」みたいに頭文字等で関連付けられるような分け方だったので、「ソ:紫」はあまりに理に反しすぎていていまだに受け入れ切れていない。
こういう相対共感覚めいた偽物ではなく、
本物の共感覚の人々の間にもあるのだろうか。
いや、個人の感じ方の違いなので当然あるのだろうけど。
例えば冬の乾いた空気のにおいを嗅ぐと脳裏に真っ赤なイメージが浮かぶ人がいて、
その人が「赤い感じだ」と言ったらそれを聞いていた
「赤いイメージ」と「地震」が結びついている人が勝手に勘違いして大騒ぎし始めるみたいな食い違いがあったら大変だろうな
決められた言葉で会話せずに感覚だけで会話するのは漫画の中だけでしか成立しないことがよくわかる。
関係ないけど、目をつぶっている状態で太陽の方に顔を向けると「赤い」と思うのは共感覚なんだろうか?