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【インタビュー】「できた」が生み出すチャレンジの連鎖

今回お話を聞いたのは、中谷さんと梶谷さん。
二人は雲南市の『光プロジェクト株式会社』で子ども向けプログラミング教室のスタッフとして長期の実践型インターンシップを経験しました。インターン終了後も、二人はアルバイトとして引き続き就業しています。
そんなお二人が体験したインターンとは一体どのようなものだったのでしょうか。

中谷さん(左)と梶谷さん(右)

今回インタビューした大学生

■中谷 遥翔
所属:島根大学 生物資源科学部 農林生産学科 2回生
出身:島根県松江市
雲南の好きな場所:峯寺遊山荘にある喫茶店

■梶谷 知世
所属:島根大学 生物資源科学部 農林生産学科 3回生(休学中)地域人材育成コース
出身:島根県雲南市
雲南の好きな場所:赤川沿いの土手

今回のインターンの概要

受入先 : 光プロジェクト株式会社
テーマ : プログラミング教育現場支援とイベント企画運営
実践期間: 令和4年7月下旬〜令和4年12月中旬
      ※毎週1~2日のインターンを半年弱にわたり実施

子どもたちの「できた!」がやりがい

━━プログラミング教室の運営とのことですが、実際やってみていかがでしたか

中谷)『Minecraft』(マインクラフト)を使ったプログラミングを子どもたちに教えているんですが、子どもに教えるのって難しいけど超楽しいな!って思います。どんどん吸収してできるようになる子はすごいなぁ、って思うし、「うわぁやだよっ」ってなる子を見ると自分の昔の頃を思い出すし。

梶谷)私はプログラミングが全然できないし、あんまり子どもと接するのが得意じゃないので、始まる前はすごく緊張してたんですけど意外とできたかなって。言っても小学生向けの教材なので、大人だったら初見でもなんとなくわかるし、子どもたちも思ってたより騒いだりしなくて、苦手意識があっただけだったと気づきました。今まであまり交流してこなかったから「知らなくて怖い」だけだったと思います。教えるのも最近は楽しくなってきたし、子どもと会うのも悪くないな、って思えるようになりました。

実際の画面

━━子どもと接する上で、気を付けていること、工夫していることはありますか

梶谷)話したがる子もいるけど、大人しくて、わからなくても声を上げられない子の方が多いので、後ろから見て止まっていたり、違う画面をかまっていたりしたら「どうした?どうした?」ってこっちから積極的に声をかけるようにしています。

中谷)僕は、パソコンだけ見ていても難しいから、PowerPointで上から見た図や資料を作りました。「すごい分かりやすい!」ってみんなが使ってくれてめっちゃ嬉しかったです!なので、他にも難しいポイントに対してヒントになる資料を作っています。
どういうものを作ればわかりやすいかって考えて資料を作るのは難しいけど、子どもが「できた!」って笑顔で、次に進むところを見ると本当に嬉しくて、教えるのが楽しいし、やりがいを感じます。

起業は「できた!」を実現する一つの方法にすぎない

━━インターンシップをやってみて、やる前のイメージと違いがありましたか

中谷)ありますあります!オフィスでパソコンカタカタ決められた作業をする、っていう堅苦しいイメージを想像していたんですけど、全然違いました。初めにやりたいことを聞いてくれて、「起業してみたいです」って答えたら、「じゃあこの仕事はどうだろうか?こういうところが役立つよ」って考えてくれ、僕のやりたいことに合わせた仕事を提案してくれるんです。インターンで通う毎週二日が楽しさとかパワーを充電できる時間になるので、毎週末行くのが楽しみになっています。仕事以外にも、遊びに連れて行ってくれたり、僕のやりたいことに合わせて色んな経験させてもらえて、ものすごく充実した日々を過ごしています。

━━実際にいろいろ体験して起業の夢は変化しましたか?

中谷)微妙です。 最近思うのは「起業」っていう型にはめてる感じがあったなと。僕がやりたいのは 子どもたちの「できた!」って笑顔を見ることで、それは起業してもできるけど、しなくてもできること。「起業」にとらわれず色んなことを経験して、具体的にやりたいことを見つけて、それが自分の仕事になったらいいなって思っています。やりたいことを実現する上で「起業」が必要なら起業するし、しなくてもできるならしない。起業することが大事なんじゃなく、起業はやりたいことを実現する一つの方法だってことに気づいたんです。

「できない」のは自分の勝手なハードルのせい

━━梶谷さんは大学で一回インターシップ経験しているとのことですが、二回目のインターンシップは一回目とは違いがありましたか

梶谷)インターンは自分が社会で働く上で足りてないスキルが絶対あるから、それを見つけることを目的にしてたんです。一回目は見つけるよりその日一日をどう生き抜くか必死、って感じで、結局自分の課題点が分からず終いでした。なので、今回こそは実際に社会の中で働く方に近い経験をして、見つけていきたいと思って参加しました。

━━実際に今回のインターンをこなしてみて、足りていないところが見つかりましたか

梶谷)はい。モヤモヤしてた部分がはっきりしました。元々、「話す」以外のコミュニケーション能力が足りてないな、っていうのを感じてて(話すのもそんなに得意ではないですけど)、ただ、具体的にどういった能力が足りなくて、何が問題なのかっていうのがわからなかったんです。教室運営をこなしていくことで、教室全体の雰囲気づくりをしたり、教室を円滑に運営していくためのコミュニケーションが不足していることに気づいて、その原因が自分から人にアクションを起こすのが苦手だからなんだな、と実感できました。

━━解決の糸口はどうですか

梶谷)それこそ始めたばかりの時は自分から生徒さんに声をかけられなくて。「この子は今すごく集中しているんじゃないか」「声かけたら迷惑なんじゃないか」って思ってしまって声をかけるタイミングがつかめなかったんです。他の講師の方に質問があるときも、今忙しいから迷惑なんじゃないかって考えちゃたり。でも、だんだん自分の思い込みだってことに気づいたんです。「今、全然関係ない画面をかまってるってことは大丈夫、ちょっと 集中できてないんだな」っていう風に、子どもたちの様子を見て声をかけるタイミングをつかめるようになりました。自分の中で勝手に話しかけることに高いハードルを作っていることに気づいてからは、少しずつハードルを低くできるようになってきたかなって思います。

「やりたい」×「できた」を実現できる場所

━━光プロジェクト株式会社でのインターンの魅力ってどんなところですか

中谷)ただ、言われた作業をやるって感じじゃなくて、自分で考えて作業を行うところです。めっちゃワクワクして楽しい。僕を「労働力」として見ているのではなく、「人」として見てくれていて、意見を聞かれたり、やったことを見せたら「めっちゃいいじゃん!!」ってちゃんとレスポンスがかえってくる。自分の気づいてなかった長所を教えてもらったり、逆にダメなところを指摘されたり、やっぱりここにきて間違ってなかった、ただ時間を無駄にする場所じゃないって思える。やりたいこと言えるし、しかもそれを言った後に任せてもらえて、挑戦した結果のレスポンスももらえるところがいいなって思えるポイントです。

梶谷)やって良かったって思った瞬間は、自分の課題が見えてきたとこ。あとは、経営者のお二人がやりたいことをすごい聞いてくださって、「こういうことがやりたいです」って 言ったら「よしじゃあこれやって」って任せてもらえるところです。仕事だけじゃなく、今度こういう集まりがあって勉強になると思うから行こうよっ、て提案してくださることもあります。その、めっちゃやりたいことを叶えようとしてくださるお二人に出会えて、いろんなことやらせてもらってるので入って良かったって思えました。

安心して力いっぱいチャレンジができる

━━インターン終了後もアルバイトとして就業しているのはどういったきっかけですか

中谷)インターンが終わりそうになった頃に、起業したいならマネジメント能力が必要だから雲南教室の組織運営をやらないかって提案いただいたからです。失敗しても全部責任取るからチャレンジしてみないか、って言っていただいて、そんなチャンスってきっと他のインターン行っても、バイトでも絶対できないと思って、やりたい!って言いました。

梶谷)私も中谷くんと同じで、やりたいことにチャレンジさせてもらえるからです。
私はウェブマーケティングにすごく興味があって、自分で勉強もしてて、実践で習ったことがどれだけ役に立つのか試してみたいっていうのを話したら、教室のSNSの運用を任せてもらえることになったんです。どのような投稿をしたら閲覧数が増えるか、とか、フォロワーを増やすにはどういったアクションがいいのか、とか難しいし、うまくいかないこともあるけど、試行錯誤しながら頑張っています。自分のやりたいことをやれて、しかも「責任は全部大人がとる」って言っていただけるので、安心して力いっぱいチャレンジができています。新しいことに社会人を相手にチャレンジできる環境、めっちゃいいなってのが続けてる理由です 。

━━今回のインターンの経験を踏まえ、この先やりたいことはありますか

中谷)「いろんな人と関わりたい」っていう目標があって、今までいろんなイベントに参加してきたんです。めっちゃ勉強になるイベントもあれば、労働だったなとか、怪しいカルト的なものに引き込まれそうになったこともあって、思い返すとあんまりいいものに出会える効率が良くなかったんです。自分のやってることって、本屋に行って背表紙をみて気になる本を買ってる感じなんですよね。それだといい本に出会える確率が低いじゃないですか。でも自分が尊敬する人がオススメしている本ならいい本の確率が上がるから、今は信頼できる人がおススメする人やイベントに行って、人の輪をどんどん広げていきたいなって思っています。きっと副産物で得るものがたくさんあるだろうし、そんな感じで今年はいく予定です。

梶谷)最近思ってるのは「できること」と「できないこと」だけじゃなく、「好きなこと」と「嫌いなこと」の4つをちゃんと区別できるようになりたいと思っています。今回のインターンで、自分で勝手にハードルを作っていて、食わず嫌いじゃないですけど、自分がすごい偏見やハードルを持っていることに気づいたんです。やってみたら違うってこともたくさんあるなと。かといって、ハードル下げてやりたいことが生まれても、多すぎたらやっぱりできないから自分のキャパも知らなきゃだし。なので自分の「好き」「嫌い」「できる」「できない」の分類とそのキャパをちゃんと把握できるようになりたいなと思っています。

自分の居場所を見つけた

━━インターンをやろうか迷っている人、もしくは、当時迷っていた自分にアドバイスはありますか

梶谷)私は、インターンの説明を聞いた時はやらないつもりでした。プログラミング未経験でも大丈夫っていう説明を受けたんですが、自分は子どもが苦手だし、プログラミングもやったことなかったので。そこからまた時間が経って、たまたま光プロジェクト株式会社の方とお会いする機会があって、話しているうちに、家からも近いし、あわよくば自分がプログラミングも学べるかもなぁって下心もあって、じゃあやろうかなと。よく、一歩踏み出す勇気が大事って言うと思うんですけど、逆に一歩引いてみて「やらない」という判断をするのは全然ありだと思います。光プロジェクト株式会社でのインターンは私にとってかけがえのない経験になりましたけど、それは二回目にお会いして、お話して、っていうのがあったからで、お会いする機会がなかったらやってないと思う。もちろんやった方が学びが多いとは思うけど、人との相性もあるし自分の気持ちに無理しないで次の機会を待つのがいいと思います。

中谷)僕の一番始めのきっかけは大学が企画したバスツアーで、しかも参加理由が「おいしいお昼ご飯が食べれる」っていうだけで参加したんです。そこでumiの山下さんと出会って、いろいろやりたいこととか話しているうちに、インターンを紹介してもらって、なんか楽しそう!じゃあやりまーす!ってインターンすることになったんです。

インターンを始めてからは、雲南市に知り合いがたくさん増えて、やりたいこと相談できる人がいて、実践できるフィールドもあって。だって、雲南市に行ったら「やってみなよ」ってすぐなるんですよ。色んな事に長けている人がいて、その中にいると自分のやりたいことが簡単に実現するし、進化していくんです。今は自分のオフィスが雲南に欲しいって思っています。インターン始める前は、どこでもいいから自分の居場所が欲しいって思ってたんですけど、気づいたら叶っているんですよね。別に叶えるために始めたわけじゃないのに。なので、あの時の自分に言いたいのは、このインターンをやったらあの時の僕が求めてるものが手に入るよ、ってこと。インターンを通して僕と同じように自分の居場所を見つけてくれたら嬉しいなって思います。

◆umiの実践型インターンは一部休眠預金を利用して実施しております◆

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