suono-音-

心つく時には もう遅かった
君も僕も
目についたそれはいつまでも
手を離せないだろう

思い心と一緒に包まって
深く呼吸をする
沈みながら 今日も抱いたまま
目を瞑る

街の音、人の声、目に見えない物たちが頭に響く
ガラスのような光が消えた
言の葉と一緒に溶けたんだった

今日も僕は、僕の音を探している

いたずらにやってきたそいつは
僕の言葉を消した
響くものがなければ
宝も必要ないだろう

のんでしまった音は
色を魅せることもなく
響かずに弧を漂うんだ

二度と戻せないその時を手放さず
馬鹿みたいに悲劇のヒロインぶる

生きるのに向かない僕は何を思う?

一生続く宝探し
僕だけの音を追いながら

また今日も抱いたまま目を瞑る

光に刺させ焦がれながら手を伸ばす
「あいたかった」
いつしか見失っていた僕の音
そう言える日が来ると信じて

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