感情記録
家出した。
僕の感情が家出した。
置手紙もしないなんて薄情な奴だよね。
「心が疲れたので旅に出ます」くらい言ってくんないと分からないよ。
あーあ。
ぽっかり空いちゃったじゃんか。
事前に言ってくれれば…なんてタラれば言ってもしょうがないから今日も今日の僕を一生懸命生きようとする。
空っぽの状態で動くのは腰が重いったらありゃしない。
よっこいせとさあやるかと動くのは悪くないけど、それが心地良く感じるのは心の休憩所を確保してるからできるんだよ。
いなくなっちゃったらそれもできないから休憩所すら見つけに行けないじゃないか。
そんなこんな堂々巡りしながら動くけど記憶があまりないのは、感情と一緒に記録できていないからなんだろうなとか思ったり。
早く帰ってこないかなあって思いながら今日も待つ。
絶対に迎えにはいかないんだよ。
だって自分で出ていったんだから、自分で戻ってくるって決めなきゃ納得もしないだろうし収まることもしないだろうから。
だから、待つんだよ。
戻ってくるって信じているしね。
何日も待つんだ。
帰ってきたらおかえりって抱きしめるの。
そうしたら、外で何があったのかとかどんなふうに感じたのかとかたくさんお話しするんだ。
たくさんのことを共有してリンクさせていくんだ。
そうしたらさ、絶対楽しい。
一人で楽しいよりずっと幸せ感じれちゃうよね。
温かいお布団を用意して。
ふーかふーかなお布団を用意して。