『fondale marino-海底-』

僕の中から音が消えて
無くなったことに凪いだこの気持ち
ただひたすらに音を待っている
空のまま

どこかに置いてきてしまった
どこに置いてきたのか
握りしめていたはずなのに
ずっと繋いでいたはずなのに

いつの間にか千切れた
その心は
もう戻ることはないんだろうな

聴いてよ
一番近くにいるのに聴こえないふり
耳を塞いだまま目を瞑った

知らないよ
馬鹿みたいじゃない
疲れたんださよなら


忘れた言の葉を
いつまでも手放したまま
救い上げることもなく
ただただ沈んでいく

気泡が浮かんでいくのがみえる
その度に重さは増して
いつの間にかそこまできたんだ

伝えたいことは響きもしないのに
余計なことは入ってくる
消えてしまえさよなら


何も知らず呼吸ができたのなら
浮いていられたのかな


いつの日か僕の音が戻ってくるまでは
僕は僕を守り抜けるかな

その時までには僕は僕に泣けるかな

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