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その人となりを見たければ、相手の書く言葉を見よ

どんな人にオススメできる?-本の周辺情報

【おすすめできる人】

  • 坂本龍馬や伊東甲子太郎が好きな人

  • 一般的に知られる坂本龍馬以外の一面を知りたい人

  • 和歌が好きな人

  • 古文書を読むのが好きな人/勉強してる人

【あんまりオススメしない人】
新選組重度の信奉者

【難易度】
★★★★☆(かなり難しい)

【本書を読むきっかけ】
坂本龍馬の生き様を知りたく、坂本龍馬関係の本を探していた時に見つけました。目次を見たところ伊東甲子太郎の文字があり、『坂本龍馬とどんな関係が?』と興味をもったことがきっかけです。

Book Review


純粋に面白かったです。
坂本龍馬が筆マメで、しかもかなり教養に溢れた人物だったということを、和歌やら手紙やらで解説してくれます。

さまざまな文献をもとに書いておられるので、嘘ではないだろうという安心感もありました。

また、坂本龍馬と元新選組で御陵衛士の伊東甲子太郎を本書でまとめるのも面白いです。教養のある2人として取り上げてまとめていらっしゃいますが、他にも共通点がありました。私は知りませんでしたので、今回学べて良かったところです。

激動の時代を走り抜けた二人から「自分の信念」を生きることを学ぶ

幕末と今の世の中って、かなり似ていると私は思っています。
形はちがえども、世の中が着実に変化の中にあるということは、今を生きる皆さんも感覚的にわかっているのはないでしょうか。

幕末を生き抜いた幕末志士たちは「どうしてこの世に自分が生まれたのか」を考え、自分の信念をそれぞれの形で貫こうとしました。

そういう意味で、私たちも同じだと思うのです。
終身雇用制度が終わりを迎え、日本は人手不足が著しく、かつての栄光は見る影もありません。

そんな中、私たちは「どうやったら自分らしく生きられるだろうか」と模索しています。まさしく、幕末志士と同じ、と感じえずにはいられません。

そんな多くの幕末志士の中でも抜きんでていたのが、坂本竜馬。
そして、意外と知られていない、元新選組の伊東甲子太郎なのかもしれないです。

二人に共通しているのは、見る視点がほかの志士たちとはけた違いであったところだと私は思います。
このあたりについては、ぜひ本書を手に取って読んでいただきたいですね。

ただ、この著者は、本書の2人については手放しで誉めているものの、反対に教養がないと判断した人物へはかなり辛辣です。
そのあたり、新選組信奉者は読んでいてつらいかも、と思いました。中学生の私が読んだら大いに傷つくと思います(笑)

また、本書は漢詩や和歌、手紙を原文ママに近い状態で書き連ねているものも多いため、読むのがしんどかったです。
特に甲子太郎の歌集について、歴史的に素晴らしい偉業を成し遂げていることは理解しつつも、いかんせん和歌に疎い私はスルーしてしまいました……
体力のいる本だと思います。

しかしながら、全部真面目に読めなくても、
もっと知りたい、もっと学びたい
という学習欲を掻き立ててくれる良書だと思います。

坂本龍馬や伊東甲子太郎の人柄に触れて、「自分の信念を軸に生きること」を見つめなおしたい人はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

※本レビューは、Umi本人がブクログに掲載したものに加筆・修正を行ったものを投稿しています。

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