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鬼怒川の楽しみ方は温泉だけはなかった

旅行ガイドにのならい旅の楽しみ方はないかを、鬼怒川温泉で探してみた。

都心から近いことと、実家からのアクセスが良いため
小さい頃から鬼怒川温泉へ行くことが多かった。
昔の記憶の中では、きらびやかネオンと賑やかな遊び場、
飲食店が沢山あり、ホテルでは豪華な食事が出る、
それが自分の中で鬼怒川温泉のイメージだった。

大人になり、鬼怒川温泉も様子が変わっている。
自分なりにどう楽しむのか、自然観察の視点で探ってみようと思った。

利用しやすい電車と駅

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浅草から鬼怒川温泉まで東武鉄道が運行しているスペーシアが出ている。
この電車の最も良い点は、個室があるということ。
家族で行く場合、4人で1室を利用すると安心できる。

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スペーシアは、行きも帰りも同じホームを利用する。
改札に近く、バリアフリー。
改札周りも綺麗になっていて、観光案内はタッチパネルになっていた。

駅前の足湯「鬼怒太の湯」

広い駅前広場の左には、蒸気機関車の転車台があり、

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正面ちょい右には、自由に入れる足湯がある。

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右には、石板でできた機関車のパネルがある。

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観光センター

駅を出て正面には、観光センターがある。
ここでは、御朱印やタクシー割引券、各種テーマパーク案内、
「本日入れる日帰り温泉」案内などなど
あらゆる情報がある。まずは、定番の地図をもらった。

渓谷と橋めぐり

鬼怒川って、何が特徴かな?を改めて考えてみる。
今回は、充実しているアミューズメントパークではなく、
自然にフォーカスしてみる。

岩石・・・地質・・・谷・・・川・・・
そうだ!渓谷!!
紅葉は、まだかな?標高が低いし。
鬼怒川を主役にして、橋からの景色を見に行くことにした。

橋と景色

■立岩橋

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駅からすぐに歩いて来れる橋。対岸の温泉宿とを結んでいる。
川や周りの岩が綺麗な色を見せる。
これだったら、他の橋からの景色も期待できそう!と思った。

■鬼怒楯岩大吊橋

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吊橋なので、ゆれるゆれる。アトラクションのようにワクワクする。

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ここまで来てよかった!と思わせる景観がある。

■ふれあい橋

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連立しているホテルが見える景色。階段には、大きな鬼が描かれている。

■くろがね橋 鬼怒子の湯

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足湯があり、川を見ながらゆっくりできる。
近くの宿に泊ったときには、一休みするのにちょうどよい。

■滝見橋
人気がある橋。何人か、滝見橋へ行く散策路に入っていく姿があった。
私は、鬼怒川温泉駅周辺散策をして、さらに次の駅まで歩いたので、
散策路の階段を降りる元気がなかった。
次回は、鬼怒川公園駅から歩いて行こうと思った。

■鬼怒岩橋

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鬼怒川公園駅の近くにある大きな橋。
鬼怒川温泉から上流方面にある橋なので、景観が期待できた。
見に行くと、川幅がせまく、複雑な流れがたくさんできて美しい景観。
上流方面に目をむけると、なだらかな裾野がひろがる綺麗が山が見えた。
その山の向こうは、那須塩原。
目に映るものは、建造物より圧倒的に山々の自然が多い。とても静か。

日本の伝統的なホスピタリティ

今回は、鬼怒川公園駅に近い宿に宿泊することにした。
自然が多く、静かな場所に泊まりたかったから。
選んだ宿は、「花の宿 松や」。

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部屋に入って驚いた。
部屋の窓からは、森と鬼怒川しか見えない。人工物が一切ない。

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電線ですら窓の景色の中にはない。うっとり。
樹種はざっと数えて20種はある。落葉樹だから紅葉が綺麗だろうなあ。
下を見ると、自然が織りなす流紋岩の美しい風景や川の不思議な流れ。
ずっと見ていても飽きない。

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ハクセキレイが岩にとまり、何羽かで鬼ごっこのように渡っている。
空には優雅に風にのっているハヤブサ、
壁の近くには、ツマグロキチョウ、ツマグロヒョウモンが飛んでいる。
もっと沢山生きものがいるのに、遠くて見えない。
「なんで双眼鏡を持ってこなかったんだろう・・・」と悔やんだ。

川の音を聞きたくて、TVをつけないまま時間がすぎる。
鬼怒川は、15時半になると暗くなってくる。
できるだけ長く見ていたかった。

スタッフの丁寧な言葉づかいの中に、気持ちとぬくもりがあった。
食事をしていても、気さくに声をかけてくれて、丁寧にかえしてくれる。
マニュアル的な言い回しではない、心のかよう会話。

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見た目・繊細な味・食感と音・匂い・箸でさわった感覚・・・
料理の1品1品が、五感で感じることができる。
海外からの友人にもおすすめしようと思った。

いよいよ本命の龍王峡!

調べによると、鬼怒川公園から上流にむかって
岩石の様子がかわっていくらしい。
その変化が散策とともに見られるのが、龍王峡。
渓谷の美しさを見るには、もってこいな場所。

ここのすごいところは、各駅停車が止まる龍王峡駅の前に
散策路の入り口があり、大きな駐車場や食事処が沢山あるところ。

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散策路は、人通りが多く安心して歩ける。
散策路の階段を降りると、エメラルドグリーンの川が見えてくる。

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滝も迫力がある。

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橋に到着すると、岩石の白や灰色とエメラルドグリーンの川。

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本当に美しい風景があった。紅葉が進んだら、緑・白・赤・オレンジ。
上高地に匹敵する美しさだなと思った。

もみじライン

今回は、日光市がやっているキャンペーン(2/28まで)で
タクシー3時間貸し切りで、9,000円のチケットを購入しておいた。

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鬼怒川タクシーの運転手さんから日光東照宮に行く?と聞かれたけれど
そこは、電車でも行くことができる。

連日のように「奥日光の紅葉は見頃をむかえています」とTVで流れ、
次に秋に内地へ来るのは、10年先かもしれない。
そう思うと、少しでもいいから紅葉がみたいと欲が出てきた。

鬼怒川周辺では標高が低いため、まだ黄緑色になるくらい。
標高が1000mを超えたら、少しは赤いかな?
今日の風は南よりだから、紅葉は進んでいないだろうなあと思いつつ、
土地勘がないので、運転手さんに聞いてみると、
「もみじラインで上のほうに行けば見れるかも」とのこと。
「行きたいです!」と一言で出発した。

入り口は、まだ木々の葉は緑。その中でも少しは黄色やオレンジがある。
進んでいくと、黄緑色の葉が多くなった。
藪から何かが出てきた!オスのキジだった。羽を広げて道路を渡っていた。
野生のキジを見るのは、17年ぶりくらい。

山の中の茶屋

葉の色が、黄緑ー黄色ーオレンジー濃いオレンジと
どんどん色が変わっていく。太陽の光に輝いて見える。
運転手さん言うには、「一番綺麗なのは、早朝だよ。
赤い葉に夜つゆがついて、それに太陽の光があたった時」
と言っていた。なるほど~と運転手さんのセンスに感動。
早起きしてその瞬間を見たくなった。

「ここの紅葉が毎年、きれいなんです」と言って止まったのは、
白滝が見られる峠の茶屋。

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茶屋の隣に美し滝を見ることができた!

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周りの木々は、黄色の葉をつけているのもあるけれど、真っ赤!

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日照の関係か、ここだけ特別に、様々な木々が、様々に赤い。
すごい綺麗!

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ハンターマウンテン

本当に来てよかったと思った。すると、運転手さんが
スキー場の芝生が綺麗ですよと教えてくれた。
どう綺麗かわからないけれど、おまかせした。

到着すると、視界が一気に広がった。背景の空もいい感じ。

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なんて表現して良いか、わからないけれど、綺麗な景色だった。

スキー場なのに、人工的な作られた感じがしない。
それはなんでだろ?といろいろ考えて、出た結論が
このスキー場は、自然を大切にしているから。
山が削られたような、可愛そうな景色ではなく、
ゲレンデには、芝生が敷き詰められ、自然の木々が綺麗に残るように
コースが作られているんだなと思った。

冬以外は、山歩きや植物を観察しやすいように
ゴンドラが山頂まで人を運び、散策路まで作られている。

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ゴンドラに乗らなくても、その景色を下から見上げることができるように
パラソルとデッキチェアがある。素晴らしい!
入るだけなら無料なんて申し訳なく、売店で軽食を買ってデッキで食べた。

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とっても優雅な気持ちになった。
今度、ゆっくりしに来たいな。ゴンドラで頂上へ行きたいと思った。

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https://www.hunter.co.jp/aki/

鬼怒川タクシー

タクシーの運転手さんは、3時間で沢山の希望を叶えてくれた。
とにかく、今の鬼怒川温泉を知りたい!と伝え、
自然を感じられる場所と橋がいいですと、わがままいっぱいでも
とても丁寧に案内をしてくれた。次回また会えたらいいなと思った。
自然を見る眼差しや捉え方が素敵だった。

3Hでタクシーの楽しみ方は、いろいろあると言っていた。例えば
・鬼怒川から日光東照宮に行く
・川治温泉のダムの景色を見に行く

中禅寺湖は時間がかかるので、難しいとのこと。
紅葉の時期は、いろは坂を登って中禅寺湖まで行くのに
4時間もかかる場合があるという。え???片道で4時間???
私は鬼怒川がいいと思った。

http://www.kinugawataxi.com/

足湯

帰りのスペーシアは、夕方の時刻を予約した。あと2時間ある。
小腹が満たせて、ゆっくり読書ができる場所がないかな?と
鬼怒川温泉界隈を歩いた。どこももう閉まっている。

ホテル三日月に電話をして聞いてみた。
「どうぞ、いらしてください。軽食をご用意できます。」とのこと。
ホテル三日月は、どんな時も期待を裏切らない安心感がある。
さっそくうかがった。

軽食をいただける場所は、足湯とテラスがあるカフェだった。

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室内の席もゆったりしているけれど、外のテラスを選んだ。

なんとも贅沢な時間。
とちおとめのサンドイッチとコーヒー。
トラベラーズノートを記入して、足湯に入り、
BluetoothイヤホンでSpotifyの曲を楽しむ。
持ってきた30cm四方の銀マットが温かい。ずっと座れる。

ホテル三日月さん、ありがとうの気持ちをこめて、
GoToキャンペーンでもらった地域クーポン全てを使って
カフェ代とお土産を購入して駅へ向かった。

安全対策

鬼怒川温泉は、完璧だった。
パン屋さんには、アルコールと熱探知用のタブレットがあり、
宿も要所要所にアルコールと、体温測定。スキー場も同じ。

ソーシャルディスタンスについては、
カフェやパン屋さんで席の間隔が2m近くあいていたり、
立つ位置が決められていたりする。

吊橋や散策路もお互いに近づかないように、利用者同士が配慮している。
(若干、吊橋では怖くて動かない人もいたけれど・・・)

極めつけは、各駅停車の電車。

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なんと!窓が空いている。窓が開けられる電車を久しぶりに見た。
東武鉄道はこのまま変わらないでいてほしい。切実に思う。
新しい車両にならなくていい。個室もこのままにしてほしい。

鬼怒川がもっと好きになった。
電車が使いやすいし、安全対策が考えられている。それに、
温泉街の楽しさに加え、自然を楽しむことができることがわかった。
事前のネット調べでは得られなかった情報が沢山あることに気がついた。
近いうちにまた行こうと思った。

https://www.tobu.co.jp/odekake/special/nikko2020/





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