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【日記】もうすぐクリスマス

 もうすぐ、クリスマス。そう思うのはまだ早いのかもしれないものの、私は思ってしまうのだ。クリスマスには、ささやかにケーキと自分へのプレゼントを買うと決めている。わくわく。

 今年のクリスマスプレゼントは、もう決めてある。「組曲「トルネコの大冒険」~音楽の化学~」というCDを購入する予定だ。トルネコの大冒険というゲームを私は冒険したことはないのだけれど、時々、YouTubeで観ているのだ。その時に、とても素敵な音楽ばかりが流れて来たので、これはもうサントラを買いたい! と思い、購入を決めた。クリスマスが待ち遠しい。

 クリスマスは、冬の寒空の下を歩く日々の中での大切なイベントだ。少なくとも私にとっては。十二月は寒くて、それでも外出をしなければならなくて、心も小さくなってしまいそうな、そんな季節で。そんな折、お店や街がクリスマスの飾り付けをしてくれて、イルミネーションもあったりして。私は、そういったものを見ると心があたたかくなるのだ。

 しかし、実は数年前まではそんなことはなかった。クリスマスにささやかなケーキと自分へのプレゼントは買っていたものの、クリスマスの飾り付けやイルミネーションを見ても、心があたたかくなることはなかった。むしろ、冷たくなってしまっていたのだ。皆、幸せそうで良いなと思ってしまい、そして、私はひとりぼっちで毎日がつらいと、そう思ってしまっていた。実際は、日々に楽しいことも沢山あった。けれど、つらいなという気持ちが強すぎる日々だった為、楽しかったことや嬉しかったことが起きても記憶や心から薄れやすかったのだと思う。そして、つらいなという気持ちに戻って行ってしまう。

 クリスマスなんて、と当時の私は思っていた。それでもクリスマスに街に出掛けていたことは覚えている。ケーキやプレゼントを買いに行きたいという気持ちと、少しでも楽しかったりするのかなという期待があった。けれど、実際はあまり楽しくない思いを抱えて家に帰って来ていた。ケーキはおいしかったし、プレゼントを買えたことも嬉しかったけれども。ひとりぼっち、そう思っていた。友だちがいたはずなのに、孤独感を覚えていた。その孤独感がクリスマスや、年末年始にはひどく強まってしまって気持ちが不安定になっていたことを覚えている。

 今年のクリスマスと、年末年始はどんな気持ちになるのだろうと、私は少しの期待と少しの不安で心を埋めている。きっと毎年にしているように、ささやかにケーキを買いに行くだろう。トルネコの大冒険のCDも注文すると思う。友だちに、メリークリスマスのメッセージを書くかもしれない。楽しい日になるかもしれない。でも、もしかしたら例年のように、ちょっとつらいなという気持ちを抱えてしまうのかもしれない。それは、当日になってみないと分からない。

 ただ、いまの自分の気持ちはとても穏やかだ。数年前のように、つらさでいっぱいの自分ではない。その現実と事実が、私を安心させてくれる。自分自身、どうしてこのように気持ちが変化したのかは分からない。寛解かんかいに近付いているのかもしれないし、他になにか要因があるのかもしれない。分からないが、いまの自分の穏やかさは嬉しく、そして不思議な感じだ。

 いつか自分のことを振り返って、一冊の本にまとめられるくらいのエッセイを書きたいと思っている。だが、気持ちの落ち込みやつらさといったものを、他者の目に触れる媒体に文章で書き残すことは、とても難しいことだと思っている。私は、私の文章を読んだひとにげんきをなくしてほしくないと考えている。全部が全部、そのように書けているかは分からない。ただ、私の気持ちの落ち込みやつらさに視点を置いたエッセイなどを書いた場合は、引き摺られてしまうひともいる可能性を恐れている。私自身、そういった側面が少なからずあるからだ。こういったものを書く場合は、慎重にならねばならない。私個人に限った話では、そう考えている。

 少し、お話が逸れてしまった。

 今年のクリスマスを考えるにはまだ早いかもしれないが、全てのひとが幸せな冬を過ごしてほしいと思っている。


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