ひとさまのエモを言語化する企画《エモソムリエ07 オリエンタルラジオ》
こんにちは。カニ @uminosachi_uni です。
《エモソムリエ》は、みなさまから「言葉にできないけどエモい!」ものを教えていただき、カニが代わりに「なぜエモいのか?」を考えてみる企画です。
本企画は今回で終わりとさせていただきます!
最終回の第7弾は《オリエンタルラジオ》です。
頂いたリクエスト
エモソムリエ様エモソムリエ様、どうか私の願いを聞き届けて下さい……。
と申しますか、直球『オリエンタルラジオ』で大変失礼致します。
貴方様のブログのほうも拝見しておりますし、当方も彼等のエモさについては充分存じ上げているつもりではあります。
ただ最近、御神体の発言に不安を覚えはじめ(『プライベートは分ける』(YouTubeセカンドチャンネル)・『彼は彼の生き方』(ネット記事)等……気持ちの向かうままに頼ってしまい、すぐにリンク先を探せませんでした。大変申し訳ございません。必要がございましたら出直して参ります!)
ひとつのジャンル・グループ等にハマることの恐ろしさを久々に思い出しました。
彼らは生きた人間なのですから、二次元のキャラクタほどの一貫性を求めるのはおかしいことです。その上で、『追うのがつらい』気持ちになったなら、こちらが離れることが解決策なのかなと、今回のことに限らず、これまでも(別の事柄で)そうやってきました。
ただ、本当はもっと見ていたいです。
すごく馬鹿げた内容という自覚もあるし、
カニさんに対しても失礼にあたる、とも考えました。
それでも、カニさんのブログは、少なからず『沼』に落ちた一因で(感謝しています!)、それだけの言葉の力がカニさんにはおありなので、
オリエンタルラジオのエモさを今一度、この無礼なファンに叩き込んで戴けませんか……
カニさんの言葉と、カニさんの熱意とで、自分を鼓舞したいです。『ジャンル内』と言いますか、普段から中心に据えて書いていらっしゃる事なのに、本当に申し訳ございません。
もしもソムリエして下さる場合に、この文章は載せていただいて全く構いません。
彼らを愛する勇気とパワーをお授け下さい……
ありがとうございます。
まず言っておかなければならないのは、あなたの思いは決して馬鹿げていないし、カニにとって全く失礼でも無礼でもないことです。そんなに謝らないで……
大好きなコンビがピン活動中心になって、「今はお互いそれぞれの仕事をがんばる」と言われたら少し寂しい。しかもふたりとも各々の道で輝いてて忙しいから、活躍が嬉しいのにちょっと不安。
その気持ちはオリエンタルラジオが大好きだからこそだと思います。
それに、次の一文で、どれほどオリエンタルラジオを大切に思っているかが伝わってきました。
彼らは生きた人間なのですから、二次元のキャラクタほどの一貫性を求めるのはおかしいことです。
彼らをただのコンテンツやキャラクターとして消費するのではなく、人間として尊重するあなたは素敵です。
でも同様に、わたしたちファンも人間です。気持ちが揺れ動いたり、不安になったりするのは当たり前です。
つらければ無理して追わなくていいし、だからといって一生お別れでなくていいと思います。一旦離れて休憩して、「もっと見ていたい」の方が強くなったら戻ってくるのもありです。心変わりは悪ではないです。人間だもの。
葛藤や迷いを責めないでください。彼らの人間性を尊重し、考えの変化を受け止めようとする美徳を、ご自身にも向けたって誰にも文句は言えません。それだけは確かです。
さて、どうやらあなたをオリラジ沼に突き落とした一因がカニとのことですので、責任持ってオリラジのエモさについて考えたいと思います。
力がおよぶかわかりませんが、精一杯、熱意をこめて書きます。
オリエンタルラジオはなぜエモいのか
オリラジのエモさ……考えてみたら無限にある気がしてくる。しかも、色んな先人たち(超詳しい人も、神絵師も、文章のプロもいる)が語っている……でもとにかく、自分の書けることを書くしかない。
オリラジのエモさとは何ぞや。語り続けると脈絡と終わりどころを失って永遠に完成しなさそうなので、3点にまとめます。
①中田敦彦と藤森慎吾のコンビであること
ごくごく当たり前のことですが、ひとことで表すならこれに尽きると思う。
オリラジが私たちを夢中にさせるのは、中田敦彦がスーパーエキサイティングな先駆者で、藤森慎吾が必ず期待に応えてくれるエンターテイナーだから。
そして、そんな最強のふたりがコンビを組んでいるから。
中田敦彦はいつでも何かに挑戦する人だ。仮説を立て、戦略を練り、何度でも取り組む。うまくいかなくても矢継ぎ早に新たな策を繰り出す。やりたいことのために労力を惜しまない。
とんでもないスピードのトライ&エラーにファンは振り回され、心乱れて「中田~~!!」って気持ちになってしまうときもある。
でも、だからこそオリエンタルラジオは次々と新しい光景を見せてくれる。そんなとき、心の底から彼を讃えて「中田~~!!」と思うのだ。
藤森慎吾は多彩で多才な人だ。どんな仕事も断らないのが基本スタンスで、バラエティ番組にミュージカルにドラマにと大活躍し、活動の幅を広げている。
たくさんの仕事を引き受け、プライベートでも活発な交流を持つ彼の多忙さ、無理をしてでも頑張る真面目さが、心配になることもある。
でも、様々な分野に取り組み新たな才能を日々開花させていく彼だからこそ、いつでも見守り、どんな姿も応援したいと思う。
彼らはいま、間違いなく輝いている。
お互いが個々の良さを見事に生かし、それぞれの分野で勝負し、視聴者に認められて人気が出ている。
それは間違いなくて、ファンとしてすごく嬉しい。
一方で、オリエンタルラジオとして活躍するふたりを見たいファン心理も真実で。どちらも本当の気持ちだからこそ、葛藤が生まれるんだと思います。
だって大好きな中田敦彦と大好きな藤森慎吾が大好きなオリエンタルラジオとしての姿を見せるとか、控えめに言って最高が3乗じゃないですか……
②お互いのお笑いが大好きなところ
これはいちファンが言葉で説明するより、本家あっちゃんの動画(中田敦彦のYouTube大学)見たほうが早いアンド強い。
中田敦彦による藤森慎吾のすごいところベスト5! しかも「ツッコミ」を挙げてるのがエモい……
僕はただ生きているだけで周囲から困惑される
それを笑いに変えてくれるのが藤森慎吾
生き様自体がエンタメの人・中田敦彦。正直に「ただ生きている」、それだけで困惑される彼のあり方を受け止め、ツッコミで笑いに変えてくれるのが藤森慎吾。
しかも藤森慎吾は、中田敦彦に一番適したツッコミを、後天的に努力して身につけてくれた。
やっぱり、『芸人前夜』のころから中田敦彦は藤森慎吾をずっと待ってたんだよ。そして藤森慎吾は彼にとっての最高のツッコミになることで、真の意味で彼を迎えにきたんだ……(幻覚を見るオタク)
これを公式が出してくれるの、福利厚生が厚すぎじゃないですか? 推します
それだけじゃない。藤森慎吾から中田敦彦への思いもエモい。面と向かって言うわけじゃないからこそ、なおさら素直な気持ちが見えて。
藤森慎吾の歌声もさることながら、動画としての構成がほんとに最上なので見てほしい。
藤森慎吾が「YouTube大学で相方が好かれている!」と安心したように語る姿、すごくいい。誤解されがちな相方のことを、一番理解して評価しているのはこの人なんだろうな。
これもまずスキマスのダンスのクオリティが高すぎるので1回は必ず見とくべきやつ。
しかも、後半には藤森慎吾から中田敦彦へのアンサーソング(中田敦彦の好きなところベスト5)!
YouTubeは1人でやってるけど事前に活動のことを聞いてるし、『今後こうしていきたい』とかもたぶん第一に僕に喋ってくれてる
ファンとして、この言葉に勇気づけられたし、安心をもらった。
いまは別々の道を歩んでいるふたりだけど、そこには信頼関係がある。だったら、ファンとしてその絆を信じたいと思った。
「相方のボケを捕球できるようになって、ようやく相方にのびのびやってもらう環境ができた。だからこそ相方のボケが好き」と言ってくれた彼に救われた。
あっちゃんと慎吾さんで、オリラジのボケとツッコミに関する見識が一致してるのも良い……!
自分らしく生きていることがボケになる中田敦彦と、努力によって中田敦彦を一番活かせるツッコミになった藤森慎吾。
ふたりのオリエンタルラジオが、私は大好きだ。
③彼らの人生自体がエンタメ
他にはないオリエンタルラジオの個性って、コンビとして歩んできた道程がドラマチックなところだと思う。
言うなれば、彼らの芸人人生自体がエンタメなところ。
デビュー1年目で華々しくデビューして、武勇伝で大人気になって、ゴールデンの冠番組も持って。
かと思えばブームが終わって、大変な長期ロケをしたのに殆ど放送されないような憂き目にも遭い。
あっちゃんがインテリキャラを模索するなかで、慎吾さんがチャラ男キャラで大ヒットしたり。
ふたりとも安定したキャラを見つけ、コンスタントにバラエティに出るようになり。
でもなぜかラッスンゴレライの完コピでちょっとバズったりして、「まだ丸くはなっていないオリラジ」の片鱗を覗かせたり。
RADIOFISHの活動は、ベテランの先輩芸人から反対され困惑され揶揄されながらでも貫いて、大きなムーブメントを起こした。
彼らに魅了されたファンは、ずっとRADIOFISHを応援し続けて。それを、『NIRVANA』という最高のかたちで返してもらった。
オリエンタルラジオもRADIOFISHもなくならない、続いていくと宣言してくれた。
そして今、あっちゃんは教育系YouTuberとして多くの人から高く評価され、慎吾さんは俳優としての活路を広げている。
こんなにバラエティに富んだかたちで、ファンを、そして人々を楽しませてくれる芸人は他にいないと思う。
独自の生き方に惹かれているからこそ、「芸人らしい芸人であるより、自分たちらしくありたい」という思いにも共感している。
今はふたりがそれぞれの分野で頑張って評価される時期だ。
YouTube大学は面白くて社会的意義のあるコンテンツだし、俳優藤森慎吾の演技には惚れ惚れしている。生き生きしたふたりを見られて嬉しい。
ただ、「『ふつうに芸人らしく』漫才・コントをしたりバラエティ番組の雛壇に座るより、自分たちらしい道で活躍したい」というオリラジの思いと、
「オリエンタルラジオとして、コンビとしてのふたりが恋しい」というファンの思いは、決して矛盾するものではないと思います。
いや、いろんな思いの人がいるとは思うけど。少なくとも私は、オリラジに「ふつうの芸人らしく」してほしいんじゃない。
オリラジらしく、そして中田敦彦と藤森慎吾らしいかたちで、ふたりがコンビとして活躍する姿も見たいのだ。
ふたりでまた、見たことないようなエンタメをやってくれたら、とても嬉しいです。
だいぶ大変なことを要求しているのはわかっているけど……!
彼らならやってくれる、とも信じている。
これにてエモソムリエを終えさせていただきます。第7回までのお付き合い、ありがとうございました。
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