ラジオを聴いてた
いつでもラジオを聴いてた。過去形。
思い返すは中学時代。入学してすぐ買ってもらったコンポにはラジオ機能がついてた。
基本車で遠出するときくらいしか聞いてなかったラジオを部屋で聴けるようになったその日から、沼にはまった。
朝の目覚ましにラジオ、学校に着くまでラジオ、部活帰りの車でラジオ、部屋についてまずラジオ、風呂でもラジオ、寝る前はラジオ、朝の目覚ましに、、ループ。
本当に、本当にラジオが好きだった。
ネットを使えなかった当時は、今話してる人たちがどんな顔してるのか、普段何をしてるのか想像しながら聴いて居た。
懐かしい。
oh!ハッピーモーニングとスクールオブロック、安倍礼司、あとは地元のラジオが大好きだった。
ラジオからは音楽が流れる。音楽が好きな僕はとにかく新しい音楽に出会えるラジオにかぶりつく。そこから大好きになったバンドもあるし、アーティストは知らないけどやたら耳に残る音楽も知った。ネットを使えるようになってからYouTubeで奇跡の再会を果たす音楽もある。アーティストの名前、曲名、イントロ、サビ、過去から現在でようやく繋がる記憶と音楽。感動だった。
一人っ子だった僕はラジオから流れる会話が好きだった。家族とは普通、いやそれ以上に仲が良くて、めちゃ話とかするけど、部屋に戻って一人になると、兄弟がいない僕は完全に孤独。音楽とは違う、生の会話を求めた。ラジオからは(基本)生の会話が流れる。場所は違うけど、同じ時を過ごす人たちの。とても救われた。孤独ではない気がした。当時からスマホとか携帯があれば絶対にメールを送っていただろうけどいかんせん持たせてもらえず、ただ聴き続けるしかなかった。
それでも、救われた。
部活でメンタルボコボコにされて、半分涙目で部屋に戻る。スピーカーから聞こえる、くだらない話で笑うおっさんたち。
友達と遊んだあと、より孤独を感じそうなとき、聞こえてきた陽気な音楽、綺麗なお姉さんと思われる声。
考え込んで眠れない夜に、下ネタで楽しそうにはしゃぐおっさんたちの声。(またおっさんか)
ゆったりしたいときに、のんびりと会話する男女のパーソナリティ
いつも生活のそばに居たなぁ
大学に入学して、スマホを使うようになって、娯楽が目に見えて増えてから、ラジオを聞かなくなった。
思った以上に私生活が忙しくて、夜も外に出てたり、スマホいじりながら寝たり。
バンドやってかなり忙しくなったなあ。
練習、ライブ、作曲、打ち上げ、ひたすらにバンド。
ほとんどバンドに費やしてきた。
そして、ついに自分たちのCDを作った。
なんと
そのCDを、知り合いがやっているラジオ局で流してもらえることに。
ラジオ。
青春と共に過ごしたラジオから、まさか自分の曲が流れる日が来るとは。
ふと思い出したラジオという存在。
声に、曲に何度も救われて、楽しませてくれたラジオ。
何か俺に足りなかった、
ラジオだ。
テスト勉強に追われる中でラジオをつけてみた。
この感覚だ。
やっぱり僕の人生にラジオは必要だ。