《ダウン症のある子と家族のじかん。「最近どうしてる?」リレーエッセイ》その3 堀井理恵さんより
2022年春、
三兄弟は中学一年生、地域の小学校の支援級2年生、年長さんに、それぞれが入学・進級をしました。
次男坊ハヤちゃんが「ダウン症」っていうお土産を持って産まれてきてくれたおかげで、以前のダウン症のある人の関わりがほぼ無かった私からすると、ダウン症のある人たちへの印象は彼のおかげでぐーんと変わりました。
こんなにも茶目っ氣があって、まわりの人の笑顔と優しさを引き出せる魔法つかいだったとは!!
そして、私たち家族やその周りで関わってくれる皆さんそれぞれに、いろんな形で課題・宿題を出してもくれます。
彼らが彼ららしくいられる世界は、きっととっても穏やかで平和で笑顔にあふれて、調和のある"まんまる"な世界。
そんな世界は多分、彼ら以外の私たちにとっても本来あるべき姿を思い出させてくれるのではないのかな?と思っています。
そう、言ってみればリトマス試験紙みたいな存在なのかな。
彼らが彼ららしく、ありのままを受け入れられて心から穏やかに笑っているのが本来あるべき世界。
…だとしたら、今の世界を試験紙は、どんな色で表すのだろう?って考えたりもします。
さあそんなハヤちゃん、産まれてから早いもので8年目(驚!)
0歳で入園した長男も通った保育園も、いま通っている地域の小学校も”ダウン症"のある子が通うのが初めての場所でした。
なので、細かいとこは忘れつつあるけどスムーズに…とはいかないことも多かったかな。
私たちもダウン症のある子を育てるのは初めてなので、受け入れ側のお氣もちもわからなくはない。
…どんな不安がある?
…どんな心配がある?
ってね。
それでも知らない方、わからない方に細かな対話を重ね、そして積極的に園や学校や地域の皆さんと関わりを深めていく事で、
知らないわからなという不安は薄れ、安心を少しずつ重ねていける。
いろんな場所にハヤちゃんが通うことを理解してもらいながら、知らなかった"彼ら"の存在を意識してもらったり、
また”彼ら"のステキなところを知ってもらえる機会をたくさん頂いてきました。
初めて通った小学校1年生の一年間は、病欠なしのほぼほぼ皆勤賞◎
ダウン症のあるみなさんがもつ特徴の"ゆっくり育つ"を大切にしているので、
周りにおいつけ!
普通に近づけ!
…という追い風はもちろん吹かすことなくマイペ〜スな我が家。
小学校に入ったってまだまだゆっくりのんびりで◎大丈夫。
ハヤちゃんのペースを大切に子育てしつつ、学校でもそれを活かす。週1〜2日は、学校の代わりに自然いっぱいの畑やハーブガーデン・地域の皆さんと関われる山や海などの場所で過ごす時間を、彼の"学び"の時間と捉えて、そんな日も学校で登校扱いにしてもらっています。
こんなことが叶ったのも、地域教育委員会の先生方の理解のおかげ…改めて感謝しております!
そんなさまざまな場面での選択は、ダウン症児を育てる全ての親御さんへの正解でも、何が正しいのか?でもなく、彼を見て来てこれがきっとベスト!と言える我が家のハヤちゃんだからこそ当てはまって出してきた答え。
何にしてもハヤちゃんが彼らしく豊かで楽しくてご機嫌でいられる環境をつくっていく。それを私も楽しむ!これに尽きるのかな。
子育てはこれから先もまだまだ長いけど、常識や固定概念に振り回されず、これからも自由にのびのび一緒に過ごせたら嬉しいな!と思う、この春の堀井家でございます。
photo: Shingo Miyaji
photo:Maki Edure
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