本の中へ、扉を開いて
読まれない本は 眠っている
その本のページを開くと
目を覚ます
ひとたび 足を踏み入れれば
冒険の始まり
ここではない 知らないところへ
連れて行ってくれる
そこは 海
そこは 宇宙
そこは 知らない国
そこには
見たこともないものが
会ったことのない人が
待っている
楽しいことが 待っている
耐えがたいことや
苦しいことも 待っている
見たくないものにも 出合う
そんなときは
一度
扉を 閉じればいい
そして
勇気があるなら
また
扉の中へ
最高に ハッピーだったり
どこまでも 落ち込んだりする
ひとりで 山を乗り越えることもあるし
みんなで 笑い合うこともある
そんなこともあったなと 思い出したり
こんなことがあったらいいなと 願ったり
そこは 自由
どこまでも 駆ける
飛んだり 跳ねたり 走ったり
そして
必ず 帰ってくる
最後のページに たどりつく
扉を開けて 出てきたら
私の心のなにかが
変わっている
心が 動いたから
こころが ふるえたから
また
扉を 開けさえすれば
いつでも
本の中へ