トンネルを抜けたら

トンネルを抜けるのかな。

そんな気がしている。

そこには
何も変わらない道が続いているようで
手放せるかもしれないと思ったものたちも
わたしは やっぱり 変わらずに 持っている。

なんだ。
変わらないじゃない。

だけど
それでも
抜けるんだな、という気がする。

遠くを見ることを 今しばらく 諦める。
わたしは 近眼だからなぁ。
いつか老眼がやってくる、それまでは。

目の前を見る。
欲しいものは なに？
それを 真摯に 問い続ける。

あと1年しか生きないかもしれないとしたら
わたしは 今の暮らしを気に入っているのだ。
これから何十年も生きていくかもしれないと
見えない遠くを見ようとして 不安に思うより
今を積み重ねてみようと決めた。


目の前のことに感謝する。
できそうになくても
「ありがとう」と言ってみる。
目の前の人の幸せを祈る。
できそうになくても
「幸せでありますように」と言ってみる。

言葉が わたしを。

トンネルを抜けたら。
優しい日差しや 爽やかな風ばかりではなく
カンカン照りの太陽や 嵐もやってくるだろう。

怖いのかな？
楽しみなのかな？

トンネルを抜けた。