みずほFGの減損ニュースから、今後の情報システム戦略を予想してみた
昨日(2019年3月6日)に、みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほFG)より、6800億円もの損失計上が発表されました。
このニュースを基に、
1.今回の損失計上がバランスシートに与える影響
2.今後の情報システム戦略はどうなるのか?
について簡単にまとめてみました。
1.今回の減損処理がバランスシートに与える影響
今回の損失計上がどうバランスシートに影響するのか?
グラフに表してみました。
固定資産2兆円の4分の1を減損処理するという非常にインパクトのあるものだったことが分かります。
「次期システムの減損」として計上された4600億円は、次期システムの開発費用のほぼ全額に当たります。
2.今後の情報システム戦略はどうなるのか?
みずほ次期システムでの狙いは、
・旧みずほ銀行のシステム
・旧みずほコーポレート銀行のシステム
・みずほ信託銀行のシステム
を新しいシステムに一本化することで、維持コストを低減させるとともに、銀行機能をコンポーネント化(部品化)することで、新しいサービスを開発しやすくする狙いがあります。
また、新しいサービスを開発しやすくするための戦略の一環として、マーケティングやリスク管理、経営管理などの情報系システムをクラウド化する計画も昨年12月に発表されています。
今回の次期システムの減損処理によって、次期システムの減価償却負担を抑えるとともに、クラウド化やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、AI-OCR、AIの活用によって、バックオフィス系の業務を中心に効率化を図り、3メガバンクの中でも高い経費率を低減させ、競争力を確保する狙いがあると考えています。
ただし、この後、春から夏にかけて、
・改元
・GW10連休
・次期システム移行
と、銀行システムにとってインパクトのあるイベントが控えているため、具体的な動きが活発化してくるのは、これらが終わる夏以降ではないかと考えています。
来年度発表される予定の中期経営計画にも注目したいと思います。