(65) ちょっとした小旅行だよねって
金曜日の夕方、仕事終わりのわたしを迎えに来てくれる。
が、街中は通勤車で渋滞していて、ナビできているにも関わらず迷ったと。
途中で渋滞を避けたら迷ったらしい。
もう夕方になるとすぐ真っ暗になり、自分のテリトリーではない土地は確かに迷う。
目も見えづらいお年頃の私たちだから。
なんだかイライラしている彼。
でもわたしはもう気遣わないよ。
ご飯食べてたら元通りになってたけど。
そもそも悪いのはあ・な・た!
なぜナビ通りに来ないんかーい、って。
笑い話にしてるけどね。
ホテルはフレックスタイム制で、休憩だろうと宿泊だろうと何時からでも、の時間制。
値段の違う部屋の高い方を押そうとするから、安いのでいいでしょ、と。
広かろうと照明が盛り上がるのだろうと、なんでも良い。
ふたりで入れる広いお風呂と広いベッドさえあればいい。
今回は予約しなかった。
ドキドキするのが嫌で、今まで普通のホテルに泊まった時もラブホに泊まった時も予約をしておいたけど、ラブホが空いてなくて彷徨うほどカッコ悪いものはないなと思って。笑笑
部屋ふたつ空いててよかったよ。
朝方わたしのスマホの目覚ましで起きてしまう。
朝ごはんはどこかのお店の朝食定食にするか、それともマックにするか、でコーヒー飲みたさにマックになった。
今日はちょっと遠出をしてみようということになっている。
彼は少なからずわたしのことを大切には思っているようで、でもわたしはそれに対してありがとうとは言えても同じように気持ちを言う事は出来なかった。この間の一件でね。
言っても仕方ないじゃない、との思いと、言う事で負担になるじゃん、の思いと。
大切だし大好きだけど、言ってもせんかたなしってところ。
とてもいい天気で、山はよく見えるし、道は空いてて快適!
これから山の上の道の駅みたいな農園販売所に行く。外気温2℃。生足には冷たすぎる外気温だった。おデートの日はなるべくスカートにしたいので。ジーパン履いてくればよかったのに、と彼は言うけれど。
ジーパン、だよ。ジーンズじゃない。
小一時間うろちょろして帰ろうかとなる。
車の中がセロリとネギの匂いに。
わたしの街まで約2時間。
彼はそこから早くて2時間。
冷えたから途中また道の駅に寄ってトイレに行って、おしゃべりしまくる。
楽しかったね、また来ようね。
日帰りで行けるし、他にもいいところ探しておくよと。
これってちょっとした小旅行だよね。
すっごく楽しい。
写真の彼は本当に楽しそうで、わたしももちろん楽しそうに笑ってる。
ホテルの中でノーメイクのわたしと彼も笑ってる。
とても自然な笑顔なんだ。
彼のアプリにある写真は、わたしの知ってる彼とは違う顔で。
最近はもう見てないけれど、それが日常になった笑顔とひさしぶりにわたしと会う笑顔の違いなんだろうな。
レンズの向こうに誰を見てるって思う。
でも、わたしのことは大切に思ってる。
わたしがちょっとむかっとしてキスしなかったら、いいもんって言いながら慌ててる彼がなんともかわいい。
わたしも大切に思ってると言うことを返事しなかったり、キスしなかったり、たまには焦らしておこう。
一周年記念の旅行も計画中。