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9月9日 まだ言わない(42)

日曜日に会うというのに、夕方LINEをしたあとから音沙汰無しに。
寝てるのか、それともどうなんだろうと思う。
7時半ごろ呼びかけてみたけれど音沙汰無く、でも後で見たら既読になっていた。
いつも明日楽しみだねとかいうのに何もないって。

日曜の朝もいつも家を7時半過ぎに出るのに7時入れたラインが既読にならず、これはもう・・・・・と思っていた。
半ば諦め半ば心配していたら7時半前に連絡が入った。
結局いつもより1時間遅い時間に到着した彼。
あとで聞いた話では、夜、地元の仲間からの連絡で先月末の豪雨に被害にあった友達の手伝いに行くの行かないの、の話だったとか。
そうなんだ、と言うしかない私。
本当は連絡ないなんて、ぷんぷん怒っているよ、と言いたい。

2週間に一度会う私たちは、二人きりになれるところへなだれ込んでしまう。いつものように愛し合い、少し遅いお昼ご飯を食べる。

ラブホに入るために車を降りようとして、足元のシートに犬の毛なんじゃないだろうか、と思うものが何本もついていた。
今まで一度も気づかなかったけれど。
そうなんだろうか、違うんだろうか。
言おうか言うまいか。

ラブホに入っても何となく素直になり切れず、初めのキスに至るまでに逃げ回っていた。逃げるほど広くもないけどね。
少なくとも、これは前の人の犬ではない毛。犬種が違う。
じゃあ違うんだろうか、疑問が残ってしまう。

お昼を食べに行くまでに、聞いてもいい?の一言が口を出ない。
犬のことではなく、最後にもう一度だけ聞かせて、と、ちゃんとすべて終わらせているのかと。
でも口から出てこない。
彼はちっともそんな私に気づかず楽しそうに話をしている。

ごはんも終わりかけたころ、コーヒー飲んでいかない?と。
明日早いのにいいのかと聞けば、いいよ、と。

お店は混雑していて座るところが無かったので、外で飲もうよ、と言うと、暑いからなあ、と言う。
日影だから大丈夫だよ、と外の席へ。
今度はドライブ行ってみる?ラブホに行かないで、それもいいねと言うと、私がいつもラブホばかりだとつまらないかなと思ってと。
もっとくっついてよ、と言うので、夏が終わったら思う存分くっつくよと言っておいた。

来月のお泊りの話や、私が見た夢の話、いろんな話をたくさんした。
私はもう聞かないことにした。

もしも私を騙しているなら、それはそれでいい。
彼は私の彼で、私は彼の彼女だ。
俺さぁ、絶対聞かれたら言う、俺の彼女がさあ、俺の〇〇〇がすごくいいって言うんだってと。
誰に聞かれるんだよとは思う。(笑)
そこで他の人もそう言ってた?なんて言ってはいけない。(笑)
ただ笑ってるだけでいいはず。

https://youtu.be/6iJj65whvGA?si=tT-vT6N7OpY-DCqu


次のお泊りの時のテーマソングにする。
私が彼を好きなんだよ。
もし失うものがあるとしたら、それは思っていた時間だけ。
この先何十年も喪失感を抱えて生きるわけじゃないし。
どっちにしろ死ぬときは一人だよ。
虹の橋のたもとで待っている猫に向かってまっしぐらにかけて行くから。
少しでも楽しい思い出が残ればいいね。
60過ぎのカップルに未来は無い。(笑)


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