忍殺TRPG小説風リプレイ【フー・ウィル・キル・ニンジャスレイヤー?(その3)】
◆アイサツ
ドーモ、海中劣と申します。こちらの記事はニンジャスレイヤーTRPGの小説風リプレイとなっております。ニンジャスレイヤーTRPGについては下記の記事をご覧ください。
こちらの記事は前回の続きとなっております。よろしければそちらから見てやってください。
それではやっていきたいと思います!
◆本編
◇1ターン目
遭遇ダイスガンスリンガー: 1d13 = (12)
ブレードブレイカー
「ハァー、ハァー」ネオンの光もマグロツェッペリンのサーチライトも、ドクロめいた満月の眼光も届かぬ暗い路地裏の隅、荒い呼吸音が闇に溶ける。「ハァーハァー……ゴボッ!」呼吸の主……ガンスリンガーは口中にせり上がってきた血を地面に吐き捨てる。降りしきる重金属酸性雨がその血を下水溝に洗い流していった。
ガンスリンガーは道中で一般人から奪ったスシを食べて傷を癒し、ZBRアンプルを投与して呼吸を整えた。「ハァーハァー……アアアアアア!」しかし、ニューロンに刻まれた恐怖だけがどうしても拭いきれない。ガンスリンガーは頭を掻きむしった。
「ふざけるな!アイツは一体なんなんだ!何の権利があって俺の邪魔をする!?ふざけるな!」興奮して口から飛んだ唾にまた赤黒い血が混じり、ガンスリンガーの新鮮なトラウマを刺激する。
と、その時である。「なんだ。そこに誰かいやがるのか」ストリートに繋がる道から聞こえてきた声にガンスリンガーは舌打ちした。どうやら通りすがりの人間に今の独り言を聞かれてしまったらしい。これだから下賤な連中が虫のように蠢くネオサイタマは嫌なのだ。下民の相手は面倒だ。
面倒は手早く始末してあの死神からもっと遠くへ逃れねば……彼は右手に持ったリボルバーの引き金をおもむろに引いた。BLAM!弾丸が壁やパイプを反射し、道を曲がり、狙い澄まされた軌道で声の元へ向かって飛んでいく!
「イヤーッ!」だが、路地裏に響いたのは断末魔の悲鳴ではなく、跳弾を叩き落すような鈍い音とカラテシャウトであった。ガンスリンガーは歯軋りする。シャウトの主が通路を曲がり、姿を見せる。抜き身のカタナを肩に担いだヤクザスーツの男。男はアイサツした。「ドーモ、ブレードブレイカーです」
◆ブレードブレイカー (種別:ニンジャ) DKK:2 名声(ソウカイヤ):32
カラテ 17 体力 21
ニューロン 7 精神力 8
ワザマエ 11 脚力 10/N(カタナ二刀流装備時はUH)
ジツ 3 万札 138
攻撃/射撃/機先/電脳 20/11/5/7
回避/精密/側転/発動 18/14/11/-
即応/緊急 3/0
◇装備や特記事項
所持品 :『オーガニック・スシ』『オーガニック・トロスシ』『トロ粉末』『ZBRアドレナリン』
スキル :『●連続攻撃3』『◉連射2』『●マルチターゲット』『●時間差』
『◉◉タツジン:イアイドー』『◉ツジギリ』『◉頑強なる肉体』『◉一瞬の勝機』
『◉交渉:威圧』『◉知識:ヤクザの流儀』
装備 :『伝統的フルヘルム』『高級ヤクザスーツ』
『**イチガツ**(カタナ)』『**ゴクモントウ**(カタナ)』
サイバネ :『▶︎ヒキャク』
『▷オーダーメイドヒキャクカスタム(ブースターカラテ・ユニット読み替え)』
ユウジョウ:【ソニックブーム:親密度2】
備考 :【ワザマエの壁(2)突破済み】
「ドーモ、ガンスリンガーです」怒りも痛みも押し殺し、ガンスリンガーはアイサツを返す。古事記にも記された礼儀作法は無視できぬ。「テメェ、ソウカイヤのニンジャじゃあねェな」ブレードブレイカーはカタナの峰で肩をとんとんと叩きながら近付いてくる。
「その怪我はどうした。誰にやられた?教えな」「ヘェーヘェー……そういうアンタはソウカイヤのニンジャか?」「質問してんのはこっちだ。とっとと答えろ」有無を言わさぬ、威圧的かつ強制的な問い掛けである。「ヘェーヘェー……俺にそれを教えてやる義理があるか?」しかしガンスリンガーは軽薄な笑みで受け流す。
「義理とかじゃあねェんだよ。俺が、教えろって、言ってんだ。どういうことかワカルか?アァ?」「ヘェーヘェー……分からないな。どうだっていうんだ?ソウカイヤのニンジャは説明が下手か?」「……そォか。もういい」ブレードブレイカーの瞳に残忍な光が宿る。ガンスリンガーは右手にかかる重みでリボルバーの残段数を確認する。
「答えたくねェなら……カラテで聞くまでだ!」「ハハーッ!」カタナが、リボルバーが、それらの獲物を持つニンジャたちの姿が歪む!「「イヤーッ!」」
ガンスリンガー『対抗判定:ワザマエ』+『◉◉タツジン:マグナム・ピストルカラテ(2)』+
『◉ウィークポイント射撃(1)』+『◉グレーター・ツジギリ(1)』:
17d6>=4 = (2,5,6,3,3,6,2,3,6,1,5,3,1,6,4,4,4 :成功数:9)
ブレードブレイカー『対抗判定:ワザマエ』+『◉◉タツジン:イアイドー(2)』:
13d6>=4 = (2,5,2,5,2,4,3,4,3,5,5,2,6 :成功数:7)
ブレードブレイカー体力19
BLAMBLAMBLAM!「ウォーホホー!」「グワーッ!……チッ!」最初の激突を制したのはガンスリンガー!カタナの間合いを見切り、拳銃の射程距離を生かした立ち回りで先手を取る!「イヤーッ!」「イヤーッ!」しかしまだイクサは始まったばかり!はたして勝負の天秤はどちらに傾くのか!
◇◇◇
遭遇ダイスドラゴンチック:1d13 = (2)
ニンジャスレイヤー
ニンジャスレイヤーはビルからビルへと飛び移り、ネオサイタマの夜を駆けていた。必ずやガンスリンガーを追い詰め、場合によってはインタビューし、殺す。彼は断固とした殺意と共に風のように走った。
「ニンジャスレイヤー=サン!」しかし、背後から聞こえてきた声にはネオサイタマの死神でさえも思わず足を止めかけた。首だけで後ろを振り向くと、大柄な白髪の男を背負ったニンジャ装束の少女が自分を追いかけてきている。
「ドーモ!ドラゴンチックです!ゴブサタです!」「……ッドーモ!タカギ・ガンドー……です!」
◆ドラゴンチック(種別:ニンジャ) DKK:0 名声(ドラゴンドージョー):28 【カルマ:善】
カラテ 15 体力 18
ニューロン 8 精神力 10
ワザマエ 9 脚力 8/N
ジツ 4 万札 165
攻撃/射撃/機先/電脳 15/9/8/8
回避/精密/側転/発動 16/9/9/12
即応/緊急 5/4
◇装備や特記事項
所持品: 『オーガニック・トロスシ』
装備 : 『☆◉装束生成(ニンジャ存在感のオーラ読み替え)(標準的な)』
『**アミュレット・オブ・クレオパトラ**』
スキル: 『●連続攻撃3』『連射2』『●マルチターゲット』『●時間差』
『◉◉タツジン(ジュージツ)』『◉トライアングル・リープ』
『◉ドラゴン・カラテ(ドラゴン・トビゲリ読み替え)』
『◉チャドー呼吸』
『◉知識:ドラゴンドージョー』『◉交渉:超然』
ジツ : 『☆カトン・ジツLV3』
『★カトン・ドレスアップ(カトン・パンチ読み替え)』
生い立ち: 『○アーチ級ニンジャソウルの片鱗』
◆タカギ・ガンドー (種別:モータル)
カラテ 5 体力 8
ニューロン 3 精神力 4
ワザマエ 4 脚力 3
ジツ - 万札 5
攻撃/射撃/機先/電脳 5/6/4/5
回避/精密/側転/発動 5/5/-/-
緊急回避ダイス:3
◇装備や特記事項
探偵服(交渉判定+1)、49マグナムx2
探偵手帳(レリック枠装備。知識スキルにのみ使用できる追加の記憶スロット+4を得る)
▶︎生体LAN端子Lv1、 ▶︎サイバネアイLv1、▷強化頭蓋(体力+1)
『◉頑強なる肉体』、『◉不屈の精神』
『◉◉タツジン:マグナム・ピストルカラテ』
『◉知識:ストリートの流儀』、『◉知識:銃器(リボルバー拳銃)』、
『◉知識:スポーツ(オスモウ)』、 『◉知識:ドラッグ(ZBR)』、 『◉知識:応急手当』、
『◉知識:犯罪(犯罪者心理)』、『◉知識:キョート共和国(ガイオン)』、
『◉交渉:駆け引き』、 『◉交渉:共感』 、『◉交渉:欺き』、『◉交渉:鼓舞』
主な攻撃パターン
◆49リボルバー2挺拳銃射撃: 【ワザマエ】による射撃:
2ダメージ、ワザマエ:HARD、連射2、マルチ可、時間差可、装備時ペナルティ無視
射撃の終了後、隣接している敵1体に対して猛スピードの反動回し蹴りを繰り出し、
自動的に1ダメージと『弾き飛ばし』の効果を与える(『回避:HARD』)。
◆ピストルカラテ正拳突き: 【カラテ】による近接攻撃:
1ダメージ、カラテ:HARD、連続攻撃2
出目【6】成功時には基礎ダメージ2となる。
「ドーモ!ニンジャスレイヤーです!帰ってきていたのかドラゴンチック=サン!背中の男は……いや、話は後だ!」「分かりました!ニンジャですね!?ソウカイヤですか!?名前は!?」ドラゴンチックの話の早さはニンジャスレイヤーにとって有難かった。
「ソウカイヤのエンブレムは身に付けていなかった。口ぶりからしてもソウカイニンジャとは思えぬ。名前はガンスリンガー、武器は二丁拳銃を……」「ガンスリンガーだと!?」その名を聞いたガンドーはニンジャの速度が生み出す風圧にも負けぬ程の声量で叫んだ。
訝しむニンジャスレイヤーにドラゴンチックは目配せした後、背中のガンドーに尋ねる。「ああ、すまねえ……別に何でも」「ガンドー=サン。もしよければ聞かせてください。新幹線でもあの男に襲われてましたよね。……もしかして、知り合いなんですか?」
「それは……」ガンドーははぐらかそうとしたが、はぐらかすべき場面なのかを考えてしまった結果、うまくはぐらかすことが出来なかった。「待て、話が見えぬ。新幹線だと?奴と既に会っていたのか?」「エット……」ドラゴンチックはここ数日の不可思議な経験をどう説明するべきか言葉に詰まる。
「……オーケイ。一旦話をシンプルにしよう。……ガンスリンガーを放っておくと大勢の犠牲が出る。そのままにしておけねえ」混乱しかけた状況を、ガンドーが取りまとめる。「成程。理解した」ニンジャスレイヤー、ドラゴンチックは頷いた。
◇◇◇
遭遇ダイスブラックヘイズ: 1d13 = (8)
グロウコブラ
犯罪都市ネオサイタマには星の数ほどのヤクザ事務所が存在する。毎日のように新しいヤクザ組織が立ち上げられ、抗争や跡目争いなどの理由によって衰退・壊滅し、また新たなヤクザが生まれるための土壌が出来上がる。
ネオサイタマの裏社会を牛耳るソウカイヤは多くのヤクザ組織を傘下に従えており、ミカジメ・フィーの徴収は重要な資金源の一つだ。かつて弱肉強食ヒエラルキーの頂点に君臨していたヤクザたちであろうと、神話の世界から出てきた超常の存在であるニンジャには敵わない。
だからこそ、歴史あるダークデッドツリー・ヤクザクランの組長の執務室が突然訪れたニンジャたちに会合の場として勝手に使われようと、ダークデッドツリーのヤクザたちは何も文句が言えない。ただ嵐が過ぎ去るのを待つような思いで執務室にいるニンジャ2人が何事も無く帰ってくれるよう祈るだけだ。
そう、執務室の中では2人のニンジャが話し合っている。一人はガンメタルカラーの装束に身を包んだ男。彼はリー先生に雇われた傭兵ニンジャの一人だ。その名はブラックヘイズ。そしてもう一人は小紫色の目出し帽とニンジャ装束が一体化したという出で立ちの蛇めいた目を持つ男。名はグロウコブラ。ソウカイヤに所属する中堅ニンジャである。
◆ブラックヘイズ (種別:ニンジャ)
カラテ 8 体力 8
ニューロン 8 精神力 8
ワザマエ 8 脚力 4/N
ジツ 4 万札 10
攻撃/射撃/機先/電脳 9/8/8/8
回避/精密/側転/発動 9/8/8/13
◇装備や特記事項
▶︎テッコLV1
『●連続攻撃2』、『●連射2』、『●マルチターゲット』、『●時間差』、
『◉タクティカル移動射撃』、『◉葉巻爆弾』
『◉交渉:駆け引き』
『☆ヘイズネット・キャプチャー・ジツ』、『★ヘイズネット・トラップ』
『◉葉巻爆弾』:
ブラックヘイズは、高級葉巻に偽装した爆弾を1本だけ携行している。
これは4種のグレネードのいずれかの効果を持ち、
投擲直前にどの効果を持つか宣言できる(彼は事前に最適な1本を選び出しているのだ)。
また、それが『回避判定』をともなうグレネードだった場合、回避難易度が+1される。
『☆ヘイズネット・キャプチャー・ジツ』:
手番「攻撃フェイズ」に「その他の行動」として発動を試みられる
(【精神力】1消費、発動難易度:NORMAL)。
発動に成功すると、術者と隣接する3×3マスの敵全員に『回避ダイスダメージ3』を与える
(『回避:HARD』)。それがモブ敵のモータルならば、次の手番に行動不能となる。
『★ヘイズネット・トラップ』:
手番「攻撃フェイズ」に「その他の行動」として発動を試みられる
(【精神力】2消費、発動難易度:NORMAL)。
発動に成功すると、術者から見えていて6マス以内の敵1体を直ちにネット罠で絡め取れる。
敵はこれに対して『回避:HARD』が可能。
回避できなかった敵は、ブラックヘイズの次の手番開始時まで『拘束状態(脱出:U-HARD)』となる。
◆グロウコブラ(種別:ニンジャ) DKK:0 名声(ソウカイヤ):10
カラテ 6 体力 9(12)
ニューロン 6 精神力 6(9)
ワザマエ 9 脚力 5/N
ジツ 5 万札 56
攻撃/射撃/機先/電脳 6/9/7/8
回避/精密/側転/発動 9/9/9/11
即応/緊急 5/0
◇装備や特記事項
所持品 :『オーガニック・トロスシ』『オーガニック・スシ』『トロ粉末』『ZBRアドレナリン注射器』
スキル :『●連射2』
『◉◉コブラカラテ(ボックスカラテ読み替え)』
『◉頑強なる肉体』『◉特殊近接ステップ』
『★◉毒属性ダメージ軽減1』『★◉毒手』
『◉知識:犯罪』
『○錠前破り』
ジツ :『☆カナシバリ・ジツLv1-Lv3』『★レッサー・イビルアイ』『★チドク・ジツ』
装備 :『タクティカルスーツ』
サイバネ:『▶︎生体LAN端子LV1』
『●気力体力の充実(体力+3、精神力+3)』
組織内での立ち位置や性格:『全能感や野望』
ブラックヘイズ『交渉判定:ワザマエ』+『◉交渉:駆け引き(2)』:
10d6>=4 = (4,3,6,5,5,5,4,5,3,4 :成功数:8)
グロウコブラ『交渉判定:ワザマエ』:
9d6>=4 = (1,6,3,1,2,5,2,6,2 :成功数:3)
「それじゃあ、もしニンジャスレイヤー=サンやドラゴンチック=サンを見つけたら互いに連絡を取るということで構わんな」ブラックヘイズはメンポの隙間に葉巻を差し込み、火を点ける。
「クフハハハ!無論良かろう!貴公、感謝するのだぞ!この極めて優秀なソウカイニンジャである私の助力を得られる権利と、私に協力出来る権利の両方を手に入れるという望外の幸運に恵まれたのだからな!」「ああ、あんたに会えたことはラッキーだった」「分かっておれば良いのだ!では、私は仕事に戻るのでな!イヤーッ!」KRAAASH!
(アイエエエ!)グロウコブラはわざわざ執務室の扉を蹴り破って外に出ていった。哀れなダークデッドツリーのヤクザたちの恐怖に塗れた悲鳴が途中で途切れなかったことはせめてもの救いであろう。ブラックヘイズはゆっくりと紫煙を吐き、グロウコブラの姿が見えなくなったことを確認してから呟く。
「……まあ、連絡しない自由もあるんだがね。そちらが気付いているかは分からんが」ブラックヘイズは常に準備を怠らない。何事も万全の態勢を整えてから事に当たる。だからこそ、彼はフリーランスという後ろ盾の得られぬ立場でありならプロフェッショナルでいられるのだ。