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忍殺TRPG小説風リプレイ【フー・ウィル・キル・ニンジャスレイヤー?(その5)】


◆アイサツ

 ドーモ、海中劣と申します。こちらの記事はニンジャスレイヤーTRPGの小説風リプレイとなっております。ニンジャスレイヤーTRPGについては下記の記事をご覧ください。

 本記事はニンジャスレイヤーの二次創作小説でありニンジャスレイヤー本編及び実在の人物・団体とは関係ございません。

 こちらの記事は前回の続きとなっております。よろしければそちらから見てやってください。

それではやっていきたいと思います!

◆本編

◇1ターン目

◇◇◇

遭遇ダイスニンジャスレイヤー?: 1d13 = (11)
自分自身

※ダイスで自分自身が出た場合、「オーガニック・スシ」か「トロ粉末」が使用できる。
(手持ちのアイテムとして持っていなくても使用できるし、持っていても消費しないで使用できる)
(どちらも1キャラにつき、スシとトロ粉末をそれぞれ1回ずつのみ)

「ハァー、ハァー、ハァー……ヌウゥーッ!」経営不振によって潰れた廃ドージョーのタタミに寝そべり、ニンジャスレイヤーは装束と皮膚にこびり付く暗黒物質を一ヵ所ずつ丁寧に焼き払っていく。

「クソッ、クソッ、クソォッ!」アンコクトンはカトンによって除去できる。負傷はマルチタッパーに詰め込まれたスシを食べることで癒せる。しかし、脳裏に刻まれた屈辱と恐怖は時を経ても薄れることはない。ニンジャスレイヤーはアグラを組み、己の殺意を研ぎ澄ますことでネガティブな感情を洗い流そうとする。

ニンジャスレイヤー?トロ粉末使用
体力10 精神力7に回復

(((ニンジャスレイヤー……)))(そうだ、俺はニンジャスレイヤー。ニンジャを殺す者)(((ニンジャ……コロス……)))(ニンジャを殺す。ニンジャスレイヤーにはその義務と権利と使命と能力がある)(((コロスベシ……コロスベシ……)))(ああ、殺してやるとも。ニンジャを。そしてニンジャスレイヤーの邪魔者たちを!)

 ニンジャスレイヤーは己に宿った内なる存在とニューロンでの対話を行う。……対話?はたしてこれは対話と呼べるのであろうか?鏡に対して問いを投げかけ、自らが答えるかのような、この行為が?

(((ニンジャ……コロス……)))(そうだ、ニンジャを殺す)(((コロス……コロス……)))(俺にはそれが出来る。出来なければならない。出来なければおかしい。そんなことは許されない!)(((コロス……コロス……)))(殺す!殺す!次こそ殺す!コロス!コロス!)

 ニンジャスレイヤーは自らが生み出した狂気に浸かり、痛みと恐怖を一時忘れ去る。まるでZBR中毒の末期患者が薬品をオーバードーズするのと同じように。彼は徐々に、しかし確実に、破滅に向かって突き進んでいた。

◇◇◇

遭遇ダイスブレードブレイカー:1d13 = (4)
ガンスリンガー

まさかの連闘

「イヤーッ!」「イヤーッ!」KRAAAASH!ブレードブレイカーの放った横薙ぎのイアイをガンスリンガーは前宙回避!妖刀が路地裏の壁を紙細工のように容易く破壊する!BLAMBLAMBLAM!ガンスリンガーは空中で上下逆さの姿勢のまま眼下のブレードブレイカー目掛け発砲!

「イヤーッ!」ブレードブレイカーは素早く戻したカタナをプロペラめいて高速回転!弾丸を弾き飛ばす!「イヤーッ!」ガンスリンガーは発砲の反動で空中姿勢制御!ブレードブレイカーの肩を狙った回転踵落とし蹴りを繰り出す!「イヤーッ!」ブレードブレイカーはブリッジ回避からのバック転で距離を取る!

 BLAMB!ガンスリンガーは牽制の射撃を放つ!「イヤーッ!」ブレードブレイカーは臆さず前進!頭部狙いの弾丸をダッキング回避!カタナの間合いにガンスリンガーを捉える!「イヤーッ!」ガンスリンガーは射撃の反動を利用した回し蹴りで迎え撃つ!暗黒武道ピストルカラテ!

 ブレードブレイカーのイアイよりもガンスリンガーの蹴りが一瞬ハヤイ!「グワーッ!」顔面につま先が突き刺さり、ブレードブレイカーの身体が横回転する!ガンスリンガーの口元が歪んだ笑みを浮かべる!

 だが、ブレードブレイカーの方も蹴られながらメンポの下で同じ笑みを浮かべていた!「イヤーッ!」「グワーッ!?」蹴られた反動を利用しての回し蹴り!射撃の反動、ガンスリンガーの脚力、ブレードブレイカーのサイバネ脚が生み出す威力、合わせて三乗のカラテがガンスリンガーに叩き込まれる!

 BLAMBLAM!ガンスリンガーは吹き飛ばされながらもブレードブレイカー目掛け発砲!更に射撃反動を利用してウケミを取る!「カッハハハ!イヤーッ!」ブレードブレイカーは精度の甘い射撃を首を傾けるだけで悠々回避!「ヌウッ……!」更にガンスリンガーにとって最悪なことに、このタイミングでアウト・オブ・アモー!

「終わったなァ!カイシャクしてやる!」ブレードブレイカーは深く腰を落としてカタナの切っ先をガンスリンガーに向け、弓を引くような構えを取る!「死ね!ガンスリンガー=サン!死ね!」そのままヒキャクをフル稼働させ、矢のように駆け出した!リロードは間に合わぬ!どうするガンスリンガー!

 しかしこの状況はガンスリンガーの高い知能指数によって張り巡らされた狡猾な罠であった!「ウォホーッ!」BLAMBLAM!ガンスリンガーはマントに隠されていたもう1挺の拳銃を取り出し、目にも止まらぬ速度で発砲した!

 ニンジャアドレナリンの分泌により極限まで時間が引き延ばされ、粘度の高い液体の中を進んでいくかのようにすべてがゆっくりと動く。ガンスリンガーは精密な軌道でブレードブレイカーの眉間と心臓目掛け吸い込まれていく弾丸を眺める。ブレードブレイカーが空いた左手で2発の弾丸を掴む場面を眺める。

 弾丸はブレードブレイカーに握り潰される。勝利を確信していたガンスリンガーは射撃反動を利用するピストルカラテの動きに繋げられない。ブリッジ回避。間に合わぬ。視界に妖刀の切っ先。ワン・インチ距離。「……イヤーッ!」「ア……バーッ!?」

ブレードブレイカー『対抗判定:カラテ』+
『◉◉タツジン:イアイドー(2)』+『**イチガツ**(カタナ)(2)』:
21d6>=4 = (4,5,4,6,3,2,6,2,1,4,4,5,4,6,1,1,5,6,4,4,3 :成功数:14)

ガンスリンガー『対抗判定:カラテ』+『◉◉タツジン:マグナム・ピストルカラテ(2)』:
5d6>=4 = (6,4,6,5,6 :成功数:5)
ガンスリンガー体力0 精神力1
気絶!

 ガンスリンガーの被っていたハーフヴェネツィアマスクめいたハンニャ・オメーンが砕け、怪盗スズキ・キヨシの素顔が露わになった。キョートの老舗企業コケシ・マニュファクトリ社の御曹司、コケシ・ソイチの素顔が。「アバーッ……」ソイチは拳銃を取り落とし、背中から重金属酸性雨で出来た水溜まりの中に倒れた。

「カハッ。カハハハハッ。銃を隠し持ってやがったのはいいアイディアだったなァ」ブレードブレイカーが勝ち誇って笑い、ソイチの胸を踏みつけた。「だが、テメェにとって残念だったのは前にも同じことをやりやがった奴がいたってことだ」

「弾がまだあるとすれば、当然急所を狙ってくることは分かってた。後はその奇襲のつもりで撃ってきやがった弾丸を無効化して終わり、ってこった。理解したか?カハハハハハハッ!」

 そう、ブレードブレイカーには分かっていた。ガンスリンガーがもう1挺の銃を隠し持っていることも。その銃をここぞというタイミングで使うことも。そしてそのタイミングで狙うとすれば眉間や心臓などの致命箇所であることも。スズキ・キヨシの優れた知能指数はブレードブレイカーが過去に積み上げたイクサの経験の前に敗れたのである。

「アバッ……こんな……俺のシナリオ……俺のドラマが……」「このまま爆発四散しねェように衰弱させて、リー・アラキ行き決定だ。アバヨ」ブレードブレイカーは親指で首を搔っ切るジェスチャーを行い、侮蔑的に吐き捨てた。ガンスリンガーの思い描いたシナリオは記されることは無く、彼のドラマはこのネオサイタマの地で終わりを迎えたのだ。

※ガンスリンガー脱落、ブレードブレイカー【万札:20】GET

◇◇◇

遭遇ダイスセルフハーム:1d12 = (1)
ブラインド

「フゴー……フゴー……」UNIX喫茶を出たブラインドは公園のベンチに寝転がり、惰眠を堪能していた。その右手に持った封が開いたままのスナック菓子にバイオスズメが群がるが、彼女のイビキが止まる気配は無い。

「コラ、起きなさい」「フゴー……フゴー……ンンー?」夢の中で遊ぶブラインドの頭上から女の声。その声に驚いたか、バイオスズメたちが飛び出っていく。「ンンー……!」ブラインドは駄々をこねる子供のようにそっぽを向く。

「起きなさいってば。ホラ」「ンンン?」掴まれた肩を強めに揺さぶられ、ブラインドはアイマスクの下で目を開く。「ドーモ、ブラインド=サン」呆れと少しの怒りが混ざったような表情を浮かべたセルフハームが、ブラインドの顔を覗き込んでいた。

◆セルフハーム(種別:ニンジャ)  DKK:6(7)    名声(ソウカイヤ):17
カラテ    8		体力   11(16)
ニューロン  5		精神力  6(11)
ワザマエ   8		脚力   4/UH
ジツ     4		万札   63

攻撃/射撃/機先/電脳  11/8/5/5
回避/精密/側転/発動  8/7/7/10
即応/緊急       3/1

◇装備や特記事項
 所持品 :『オーガニック・トロスシ』『オーガニック・スシ』『トロ粉末』『ZBRアドレナリン注射器』
 スキル :『●連続攻撃2』『●連射2』
      『◉◉タツジン:二刀流』『◉回転斬撃強化』『◉頑強なる肉体』『◉ニンジャソウルの闇』
      『★◉イタミ吸収の構え(斬撃限定)』
      『◉知識:伝統的アート(刃物)』『◉知識:犯罪(ツジギリ)』
      『◉狂気:偏愛』
      『○刀剣マニア』
 装備  :『ストリートウェア』
      『**サシイタ**(カタナ)』『**マソウ**(カタナ)』
 ジツ  :『イタミ・ニンジャクラン』

      『●気力体力の充実(体力+5、精神力+5)

◆忍◆
ニンジャ名鑑#---
 ソウカイヤに所属するイタミ・ニンジャクランのソウル憑依者。刃物で付けられた切り傷を愛する異常性癖の持ち主。
◆殺◆

「ふわ……オハヨ!セルフハーム=サン」ブラインドは欠伸をひとつすると身体を起こし、ベンチに座り直してアイサツを返した。「オハヨ、じゃないわよ。任務中に眠ってるなんてソニックブーム=サンにバレたら殺されちゃうわよ」セルフハームも隣に並んで座り、怠け者の同僚にお節介な説教を始める。

「エエー?殺されない殺されない。だって私、真面目に仕事してるもん」しかし説教をされている当の本人はセルフハームの心配もどこ吹く風。自分には無関係とばかりにけらけらと笑う。「お菓子食べてベンチで寝てることのどこが真面目なのよ」セルフハームはスナック菓子の袋を潰して丸め、タタミ10枚分離れたゴミ箱に投げ入れた。

「だって私ニンジャスレイヤー=サン見つけたもん。そんで攻撃したもん」「は?」セルフハームは口を開いたまま思考をフリーズさせる。「……冗談?」「ホントなのに……マルノウチ・スゴイタカイビルにいたからドカンとやったの。ほら、映像」

 セルフハームがようやく絞り出した言葉はブラインドが取り出した携帯UNIXに流れる映像によって簡単に否定された。セルフハームは額をぴしゃりと叩き、長嘆息する。「どうしたの?疲れちゃったの?ちゃんと寝てる?ご飯食べてる?タノシイ飲む?」「あなたね……」

 流石にこれは厳しく言っておく必要があると感じたセルフハームは声を荒げる。「どうしてお菓子食べて眠りこけて呑気していられるのかさっきより余計に分からなくなったわよ!あなた殺されちゃうわよ!バカ!」「ご、ゴメンて。だってお菓子食べたくなっちゃったし……食べたら眠くなっちゃったし……」「バカ!スゴイ・バカ!」「アイエエエ……」

「まったくもう。ハッキングの腕はあるのにだらしないんだから。ひとまず任務の間は連絡をこまめに取りましょ」「オッケー!もしニンジャスレイヤー=サンに殺されちゃいそうになったらヨロシク!」「それはヨロシク出来ないわね……」

 セルフハームはブラインドと連絡先を交換し、そのまま公園を後にする。ブラインドは大きく口を開いて欠伸をし、もう一度ベンチに寝転がろうとしたが、そのタイミングで入ったセルフハームからのノーティスに『起きてなきゃ駄目>:(』と書いてあったため渋々自分も公園を出ていった。

※セルフハームはブラインドの協力によって、今後の遭遇ダイスでダイスを1度だけ振り直してもよい。(シナリオ中ずっと有効)
(ブラインドは交渉せずとも教えてくれる)

◇◇◇

遭遇???:
3d9 = (8+9+4)

※この3D9ダイスは1ターンごとに1つずつ増えていく

2ターン目に突入

フー・ウィル・キル・ニンジャスレイヤー?(その6)へ続く