マタハラ
正社員として入社して6年、私は念願の妊娠を叶えました。
妊娠週数から算出された出産予定日を最初に総務部に伝えたところ、12月の中旬から産休開始となる、と丁寧に教えてくれました。
その後順調に妊娠経過は進みましたが、出産が帝王切開になると決まり、出産予定日が2週間程度早まることになったたため、改めて総務部に連絡しました。
※コロナ禍でテレワークをしていたため、総務部とのやり取りはすべてメールでおこなっています。
予定日が2週間程度早まることはほぼ決まっていましたが、具体的に何日になるのかは確定しておらず、総務部からの回答は、
「いったん元々の予定日を14日前倒した日から起算することとして、前後した場合、有給休暇をあてましょう」
と提案していただき、ありがたくそうさせていただくことにしました。
その後、意外とすぐに帝王切開予定日が決定し、私の産休の開始日は12月4日からと確定しました。
このとき、9月中旬。私の年次有給休暇は17日ほど残っていました。
産休までの間の検診で休む予定の日数を差し引いても、10日以上残る。
有給休暇には期限があるし、産休前に有給休暇をできるだけ消化したいと考えました。
そこで、12月4日からの産休なので、12月1日~3日の3日間と、11月の最後の1週間を有給消化に充てようと考え、取引先と上司から許可を得ました。
そして最後に総務部に報告しました。
総務部から返ってきた回答は、
「11月最後の1週間は有給休暇を使用できるが、12月の3日間は無給とする」
というものでした。
理由として添えられていたのは「事務手続きが多少煩雑になってしまうため」の一言のみでした。
さすがに理解ができず、
「12月の3日間が無給扱いになることのデメリットはないのか?」
と問い合わせたところ、私の携帯電話に着信があり、
「私(総務部)も法律どおりに処理ができると思っていたのですが・・・」
とポロっと法律に反していることは認めているような発言をしたあとで
「無給になっても社会保険料は免除されるのでデメリットはない」
と説明されました。
「本来入るはずの3日分の給料が入らないことはデメリットではないのか?」
と聞くと、
「今考えられるデメリットはそれだけです」
との回答。さらに付け加えて、
「3日間を有給とした場合、12月分給与として3日分、1月に支給が発生します。また住民税の向こう6ヶ月分を11月分給与(12月支給)で前もってお預かりしたいというのがあるため、1月に給与発生すると少々ややこしいというのはあります。あまり理由になっていないかもしれませんが、要はきりの良いところまでとしたい、ということです」
と言われました。
もちろん納得できるはずもなく絶句していると、総務部担当者はさらに追い打ちをかけてきました。
「会社の考えとして、産休や退職前に有休をなるべく消化という状態を好ましく思っていません。△△さん(私)の心象が悪くなりますよ。そもそも、社長の考えとして、産休や育休をとることで女性を優遇することも好ましくないという点があります」
私が所属する会社は、社員50人前後の小さな会社です。総務部は事務員の女性ひとりのみで、おそらく社長の意向を直接受けているのでしょう。
有給申請した日の一部を無給扱いにされる理由に正当性がないこと、産休や育休を与えることを「女性優遇」と考え、そもそも好ましく思っていないということをはっきり告げられましたが、電話だったので(録音もしていませんでした)、議事録を残したいと思い、
「会社の意向は理解しました。12月の3日間は無給扱いとしていただいて結構ですので、今ご説明いただいた内容を、メールでもお送りいただけますでしょうか」
それだけお願いし、電話を切りました。そのあと、丁寧に電話の内容をメールで送ってくれましたが「法律違反」と「女性優遇」の部分はメールにはありませんでした。
わたしはその発言を無かったことにはしてほしくなかったので、私からそのメールへの返信として、
「○○さん(総務部)が仰られたように、私も法律どおり処理がされるものだと思っておりました。
そもそも産休や退職前に有休消化、という状態が好ましくなく、
さらに産休や育休をとることで女性を優遇することも好ましくないと思われているということであれば、もう何も言えないですね。。
会社の意向について、理解しました。
お電話でお伝えしましたとおり、12月は無給扱いの処理をお願いいたします」
と、返しました。
あまりにもひどい、とは思いましたが、ある意味「あきらめ」のような気持ちになっていました。この時は、これで有給に関する話は終わると思っていました。
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