一級建築士製図試験の初受験生でもできるミスを防ぐ簡単な確認方法と練習方法とは?
練習課題を解くたびに、条件違反や、作図の漏れがあって憂鬱になっていませんか?
ぼくも製図試験が初めての年は、ことごとく条件違反や書き漏れがあって、いつも気をつけようとしていたのですが、なかなか治りませんでした。
ご存知かもしれませんが、最近の一級建築士製図試験では、たった一つの条件違反や作図の記入漏れが厳しく採点され不合格になることがあります。
特に、解きやすい課題文だった場合は、ちょっとしたミスが不合格に直結してしまうケースが多いです。
エスキスの後や、作図の後のチェックをいいかげんに実施していると、最悪の場合、一級建築士製図試験の合格までに何年もかかってしまうかもしれません。
でも必要以上に不安にならないで下さい。
逆に言えば、チェック能力を上げることで、合格に近づくことが可能です。
とてもシンプルで、ミスを極限まで減らすことができるチェック方法があります。
今回は、「初受験生でもできる不合格を防ぐ簡単な確認方法と練習方法」というテーマでおとどけします。
課題文に明記されている内容
法規などの必ずしも課題文には明記されていない内容
に分けて説明していきます。
この記事を最後まで読むと、どうすれば条件の抜けや作図の記入漏れをなくし、一級建築士に合格できるか理解できます。
ぜひ、採点者が減点できない図面を作ってください。
大前提として、一級建築士製図試験で確認するタイミングは大きく分けて、2つあります。
エスキスが終わった段階
作図が終わった段階
この2つのタイミングで、今から説明する方法を使って【確認】してみてください。
課題文に明記されている内容の確認方法
唐突ですが、ここで質問。
一級建築士製図試験の合格に必要な【確認】とは言い換えると【比較】です。
比べることを意味します。
何と比べるのかというと、「課題文」。
エスキスと作図が終わったタイミングで、課題文と比較して、ヌケモレがないかチェックしましょう。
具体的なやり方
① エスキスが終わったら、課題文と比較して、条件を満たしていれば、課題文に右上がりの線「/」を課題文の文章ごとに入れていきます。
要求室などの表にも同様に、室が計画されていれば、右上がりの対角線を入れてください。
② つぎに、作図が終わったタイミングでも同じように、確認していきます。
今度は右下がりの線を入れることで、課題文にバッテンが増えていくようにします。
ただし、今度は課題文の冒頭からではなく、課題文の「末尾」から確認しましょう。
理由は、エスキスが終わったタイミングと同じように冒頭から確認してしまうと、先入観が働くことで、ミスに気づきにくくなるためです。
逆方向から確認するととてもやりづらいと思います。
でも、だからこそいいんです。
その違和感こそが、思い込みを排除し、客観的なチェック機能を有効にしてくれます。
課題文に明記されている内容を確認する際の注意点が2つあります。
1つめ、課題文の文字は試験が終わるまで塗りつぶさないこと。
確認の際に斜めの線を入れるのは、文字を塗りつぶすことなく、確認した事実を確実に残すためです。
文字をぬりつぶしてしまうと、課題文を後で読み返そうとしたときに、読みづらくて焦ってしまいます。
例えば、要点の記述まで終えて、残り時間で図面を見ていたときに、エスキスや作図が終わった時点では気づかなかった違和感がプランにあったとします。
課題文を見直そうとしても、課題文の文字を塗りつぶしていたら、読みづらくて焦ってしまい、新たなミスを誘発しかねません。
課題文はできるだけきれいな状態で維持してください。
2つめ、作図の後であってもエスキス用紙ではなく課題文と比較すること。
なぜなら、エスキス用紙は、課題文から情報を書き写しているため、間違っている可能性があるからです。
よく、作図後にエスキス用紙と見比べている受験生の方がいます。
とても危険です。
要求室の配置はエスキス用紙と比較しても問題ありませんが、それだけで終わらないこと。
必ず、課題文と比較して、条件違反や作図もれがないかチェックしてください。
課題文に明記されていない内容の確認方法
課題文に明記されていない内容には、法規や自分がよくするミスなどがあります。
やり方は、簡単。
まず製図試験が始まったら、課題文またはエスキス用紙に、チェック項目の頭文字を書き出します。
エスキスと作図が終わったタイミングで、同様に右上がりと右下がりの線を書きながら確認しましょう。
例えば、法規なら全てでは有りませんが、このような項目が挙げられます。
すべてを覚えるのが難しい場合は、語呂にして暗記してしまいましょう。
何をチェック項目にするかは、練習課題を解きながら検討していくことをおすすめします。
自分の弱点を項目に入れることで、ミスを最小限に抑えることが可能です。
では、チェック能力を身につけるために、自分の図面だけ確認していれば足りるでしょうか?
自分の図面から学ぶことはもちろん大切です。
しかし残念ながら、チェック能力を磨くには不十分。
自分の図面だけをどれだけ確認しても、チェック能力の向上は限定的になります。
なぜなら、自分の図面の確認だけでは、経験できるミスや書き漏れの種類が少なすぎるからです。
自分の図面だけを確認していると、試験本番で、初めて経験するミスや作図もれが発生したときに、気付けなかったり、気づけたとしてもリカバリーできずに不合格になってしまいます。
そこで、自分と同じ課題を解いた、他の受験生の図面を100枚添削することを目標にしてください。
本試験までに練習課題を10個解く場合は、1課題あたり10枚他の受験生の図面をチェックしましょう。
5課題×20枚=100枚
10課題×10枚=100枚
20課題×5枚=100枚
自分以外の図面を添削する利点
チェック能力の向上以外にもたくさんあります。
例えば、知識の補強。
自分の図面だけを見て自分の世界だけにこもっていると、自分の知識や経験から大きく成長することはできません。
他人の図面を見て疑問をもつことで、法規・構造・設備などの新たな知識を効率的に獲得しながら、自分の思い込みや間違いに気づくこともできます。
また、プランニングの引き出しを強化することができます。
同じ課題を解いた他の受験生が、自分の能力を遥かに超えるプランニングをすることは珍しく有りません。
はかせが受験生だったときも、他の受験生の図面を見て、
こんな解き方があるのか!!
ここをこんな風に攻めるのかと!!
よく関心していました。
自分の図面を見ていても、それ以上プランニングの幅が広がることは有りません。
他の受験生の図面を添削しながら理解することで、プランニングの引き出しが増え、一級建築士製図試験での対応力が一気に向上します。
最後に、修正力が向上します。
他の受験生の図面をみて、条件違反している部分や厳しく採点されそうな部分があったら、1分以内で修正してランク1レベルの図面に変えてみて下さい。
この練習を繰り返すと、実際に自分が本試験で間違いに気づいても冷静に短時間で対応できるようになります。
ピンチを意図的に練習することは難しいですが、他の受験生の図面を添削することで、ピンチを切り抜ける練習が可能です。
たくさんの図面を見ることが大切だということはご理解いただけたと思いますが、どうやってそんなに多くの図面を入手するのか、わかりませんよね?
学校に通っているなら、他の受験生の図面をコピーさせてもらって下さい。
コピーが難しければ、図面の写真を撮らせてもらいましょう。
スマートフォンのアプリを使うと簡単に補正できるので、きれいにデータ化できます。
データ化した図面をiPad上で添削すると、管理もしやすいのでおすすめです。
一方で、学校に通っていない、通ってはいるけど他の受験生に話しかけづらい、あるいは地方で受験生の数が少ないという場合もあるかもしれません。
その場合は、オンラインのプラットフォームを利用することをおすすめします。
同じ課題を解いた全国の受験生と図面を交換して、相互添削することで一級建築士に合格できるプラットフォームを作りました。
全国・海外対応
全学校対応
全課題対応
受験生どうしでの相互添削し放題
アラシがいないため建設的な議論が活発で学びがもりだくさん
今年合格したい場合は必ず、下のリンクにある「MAMEZAP Share」確認してください👇️
毎日のように多くの受験生の方がお互いの図面を添削して、合格力を挙げています。
自分の図面だけをみる狭い視野での学習よりも、他の受験生の図面から吸収することを前提にした広い視野の学習スタイルのほうが圧倒的に合格しやすいです。