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消えた幼い物語たちのこと

 今日の「余白」は個人的にだいぶ恥ずかしいです。

 まっしろな闇は約十年前から書き始めた物語ですが、ポケモン二次創作自体は更に以前よりやっていました。
 そもそもポケモンの小説を書こうと思ったのは、たまたま攻略サイトからリンクが貼られていたポケモン小説掲示板に飛んだらなんだかとても面白そうで、そこで初めて書き始めました。脚本形式をよく見かけたので、脚本形式で始めて。小説なんてとても言えないものを、毎日毎日、投稿して、物語を作る楽しさをただただ追いかけていたような日々だったように思います。


 しろ闇より前は、未完の長編を二作、やっていました。
 処女作である「光と闇と時をこえて・・・」というちょっと恥ずかしいタイトルのその長編小説は100話以上書いたもので、度重なるサンダーストームにもめげずに続けたものの、一時期ポケモン自体から心が離れた時期があって、運命を共にするように音もなく消えていきました。フロッピーディスクにバックアップをとっていた頃の話です。旅物語で、ホウエンのミシロタウンをミズゴロウと共に旅立った女の子が、ジラーチだったかセレビィだったか、幻のポケモンの手によって時空を超えて別世界に行き、そこで出会った男の子と共に旅をしてバッジを集めながら悪の組織と戦い最終的に世界の異変に立ち向かうといったような、ほんとうにまあありがちな異世界旅ものです。その主人公の名前が「キリ」でした。ルビシティで毎日木の実をくれる女の子から拝借した名前です。キャラ募集やスレチャット化や評価など、盛り上がってたからこそありがちないろ~んな経験をさせてもらいました。
 ポケモンの熱が復活してきてポケノベに復帰して次に取り組んだのが「My friend」というなんの変哲もないタイトルの小説で、ジラーチをめぐる八日間の話でした。ヒロインのポケモンを殺した過去をもつ少年と快活で少年のことが大好きな幼なじみの少女、それにジラーチ、といったような。殺した記憶を二人とも忘れているんですが、七日目に彼等の共通の友人からそのことを告げられて当時を思い出し、仲間割れしてジラーチが八日目を迎えて破滅の願いが起動してどうなっちゃうんだ~というようなこれまたありがちな話。その少年の名前が「純」で少女の名前が「優希」でした。

 どちらも存在していた証拠はなくなって、つまり手元にもネットにもデータが残っていなくて、たぶん誰も覚えていなくて、最早私の頭の中にしかこれらの物語の断片は残っていません。データがあったとしても恥ずかしくて直視できなくて、むしろどこにもないからこそこうして書けるんだろうなあと思います。

 なんでこの話題を「余白」でしているかというと、別に懐古に浸りたいからとかそんな感じではなく。
「キリ」は、しろ闇をいろどる町のひとつに宿りました。
「純」や「優希」は、ほんとうに分かりづらい部分なんですが、真弥の偽名を並べる中に、二人の名前を使いました。
 ただそれだけです。そのことを、そういえばまだnoteでは書いていなかったなあと思って、自分の記憶を久しぶりに掘り起こして、恥ずかしながらタイトルまで出してみたのでした。
 ちょっと差がありますが、実際にかけた時間の差が歴然としているのは事実です。でも、どちらも大切な思い出。
 いずれも、今後リメイクすることも続きを書くことも無いと断言できますが、死んだわけではなくて、形を変えて今の物語にも生きていると、なんとなく考えていて。そもそもこの二作があるから今の小説もあるのだということも間違いなくて。だから、誰も過去作のことを知らなくて、ただの自己満足に過ぎなくとも、そうしてちりばめたのでした。
 光と闇と~のもう一人の主人公である少年「レクト」の名前を、いつかどこかで使うつもりでいるので、まあ、そのときにはまたきっとこの話をぶり返して裏話として出すでしょう。そのときまで、また。


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小萩うみ / 海
たいへん喜びます!本を読んで文にします。