余白的創作日記(一)
10月11日(日)
5573→5871
やる気があるのかという歩み。プロットを復習したので良しとする。
日記文ばかりやっていると小説との違いをしみじみと感じる。
紅茶を淹れるたびに、私はラナの髪の色だ、と思う。紅茶を髪の毛と同化させて飲むと気持ち悪いのでただ色だけに集中する。紅茶と一言でいっても様々な色があるので一概には言えないけれども、いつか紅茶の描写をするときにラナの髪の色をいい感じに意識させたそういう文章を書きたいと思い続けている。今のところ適切な場面にならない。
10月12日(月)
5871→5832
昨日書いた部分を丸丸カットしその直前もカットして書き進めるとすらすらいった。喜ばしい。字数だけ見るとすらすらとはなんぞや、というところだけれども決して悪くはない。進みにくいな、と思ったところを無理に進むべきときと進まなくてもいいときがあってここは無理するところではなかった。無理したな、というところは読んでいても滞りがち。仕事後の創作は頭が馬鹿になっていてすぐに力が失われる。ねむたい。書いただけ褒めたい。
10月15日(木)
5832→6019
見事に13、14日連日一字も書かなかった。朝書いている日記をする前に一行でも書いて、日記を書き終わってから続きを書くという方法を思いついた。少しずつ習慣になりつつあるものをサンドイッチする方法。仕事が終わってからはやはり難しい。
今日読了した「溶ける街透ける路/多和田葉子」は欧米各地を回る旅エッセイで、一年間に渡る作者の記録が集められているのだけれど、それがとても良くて、いつか本編が終わったらこういう町や町に住む人々の生活だけに着目した旅エッセイ風なものをアーレイス版として書いてみたいと思った。既出の町はもちろん、本編で出さない町を歩いていったり、キャラクターたちとは一切関わらない誰かの目線で書く。申し訳程度に登場させても良い。楽しそうだけれども、いつの話になることやら。
10月16日(金)
6019→6065
行ったり来たりを繰り返す。
久しぶり、というのもいかがなものかという話だが、久しぶりにポケモン小説を読んでとても面白かったのですごく満足した。「僕は、ポケモンを燃やした」とてもとても良かった、この気持ちは本物。いやもう早蕨くん、いいわあ。とてもいいわあ。
10月17日(土)
6065→6425
今日の夜は書けないことがわかっているので、朝の記録後に無理矢理書く。どう考えても夜よりも書ける。ちょっと疲れたな、と思っても少しでも朝に書いた方がやっぱり良さそうである。一週間を通して1000字未満というのは執筆強化期間というわりには悲しい結果だが結果は結果なので受け入れる他ない。少しでも進んだ事実を讃える。
昨日読んだ「星の子/今村夏子」について今日の朝の記録で書いたのだけれど、その中で「目に見えるものがほんとうに正しいとは限らない」ということを書いた。思い返せば似たような似ていないようなことにしろ闇でも触れていて、特に首都編でラナとロジェが対峙した際には明確に文にした。人間のフィルターは危うくてあやふや。時折、この物語で抱えているものの大きさに自分で戸惑って、風呂敷広げすぎた感を抱くのだけれど、それでも書きたいと思うのだから抗えない。